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RSSフィード [9] 即興三語小説-第92回- 誰がヴァレンティヌスを殺したの?
   
日時: 2011/01/22 22:46
名前: HAL ID:TDMl2cNU

●基本ルール
以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。

▲お題:「バレンタイン」「誰が殺した」「あなたを好きなままで」
▲縛り:「極力ホラーにしない(目標)」
▲任意お題:「血のバレンタイン」「そんな私に誰がした」「懐中時計」「ぎぃやああああああ」


▲投稿締切:1/30(日)21:59まで
▲文字数制限:6000字以内程度
▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません)

 しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。

●その他の注意事項
・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要)
・お題はそのままの形で本文中に使用してください。
・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。
・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。
・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。

●ミーティング
 毎週土曜日の22時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。
 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。

●旧・即興三語小説会場跡地
 http://novelspace.bbs.fc2.com/
 TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。

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○過去にあった縛り
・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など)
・舞台(季節、月面都市など)
・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど)
・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど)
・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど)
・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など)
・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など)

--------------------------------------------------------------------------------
 三語はいつでも飛び入り歓迎です。常連の方々も、初めましての方も、お気軽にご参加くださいませ!
 それでは今週も、楽しい執筆ライフを!

メンテ

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Re: 即興三語小説−第92回− 誰がヴァレンティヌスを殺したの? ( No.1 )
   
日時: 2011/01/31 01:21
名前: みーたん ID:zoBajCSY

非日常のバレンタイン


 薄暗く、カーテンによって日常から切り離された部屋に、白い、真新しい布団が、一つ敷かれていた。私は、何とかここから出ようと、必死になっており、布団とか、そこの内装には目もくれず、ありもしない日常への抜け道を探し回っていたが、急に布団が――、いや、そこに横たわっていた女性が、
「ここからは出られませんよ」と、すかさず「一緒にいてくださいな」とつぶやいた。
 私は、そこで、初めて女性に目をやった。
 肌が白く、髪が黒い。肩が、鎖骨が、衣服を着ていないのか、布団からちらりと見えている。
「おや、綺麗な顔じゃないか。しかし、出られないっていうのは何故だい?」
 そうやって、彼女から、何らかの情報――たとえ、それが、現実では通用しない、科学的根拠のないことでも――を盗み出そうと、珍しく世辞を逝ってみたが、果たして答えはなかった。世辞はいけなかったか、とつぶやき、再び聞いてみたが、変わらず返答はない。
「死人に口なしってか?」と煽ってやり、顔を覗き込むと、彼女は目を閉じたまま微笑み、嬉々として、「勝手にしなされては困ります」といじけた。
 私は不覚にも……、いや、このような状況だからこそ、彼女に見とれてしまった。荒野に咲いた花の如く、ここにあることが奇跡の存在であった。
「一髪、二化粧、三衣装というが、君は、一だけで十分に美しいよ」
「お世辞がお上手で。……そういうあなたは眉目秀麗ですね」
「こりゃ参った」
 そう言って天を仰ぐと、ふと、彼女が、もごもごと寝返りをうった。
「そうそう。あなたはなぜここに?」
 寂しげな背中が、しかし暖かい声で聞いてきた。
「それがわかれば必死に出ようとしないと」
「それもそうですね。ごめんなさい」
「――それはそうと、君は? 何かあったのかい?」
「私もわからないのです。気づいたらこの布団のなかにいて……」
 ふむ、それは困った。そう言おうとした途端、彼女は私を一瞥し、再び、話し出した。
「でも、その前のことは覚えているんです。雪の降る夜でした。隣には婚約を控えた彼氏がいて、二人で歩いていたんです。バレンタインデーだから、一緒に食事でも行こうって。それなのに、彼は殺されてっ……うっ、うっ……」
 目の前には小刻みに揺れる肩と、背中。掛け布団にさらりと流れる黒い髪。悲痛な嗚咽。止まらない。血のバレンタイン。結婚前夜。誰が殺した? 誰ガ殺シタ?
 頭が痛い。鐘が、大きくて私を震え上がらせる鐘が、がんがんと鳴り響いている。色んな単語が流れ、目まぐるしく輪廻する。
「…………っ」
「大丈夫、泣かないで――」
 私はいつしか、布団を剥がし、彼女を抱擁していた。
 彼女の、やわらかな髪が肩にかかる。吐息が、耳を擽る。


「あなたを好きなままで――」
「ありがとう――」



*          *
どういうこっちゃ。

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