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RSSフィード [12] 即興三語小説 ―第95回― 今年のバレンタインデーは中止です
   
日時: 2011/02/12 22:36
名前: RYO ID:UuG1w.GE

 そう言えば、前回傑作選をやって、はや一年ですね。
 二回の原案としては、自薦していただくか、参加表明をして頂いて、と。
 そこからその作者様の作品から他薦して頂くという手順を考えてます。
 そろそろ正式に起案を出しますので、興味のある方はご一読してください。

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●基本ルール
以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。

▲必須お題:「吹雪」「残高百五十二円」「たゆたう」
▲縛り:「今回のお題で前編を書き、次回お題で後編を書く(次回からの参加者については、この縛りはありません)」
▲任意お題:「春雷」「でっへへへへ」「なんかすごいのきた!」「負の感情」「朧げ」「あいつはモンブラン」

▲投稿締切:2/20(日)23:59まで
▲文字数制限:6000字以内程度
▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません)

 しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。

●その他の注意事項
・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要)
・お題はそのままの形で本文中に使用してください。
・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。
・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。
・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。

●ミーティング
 毎週土曜日の22時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。
 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。

●旧・即興三語小説会場跡地
 http://novelspace.bbs.fc2.com/
 TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。

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○過去にあった縛り
・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など)
・舞台(季節、月面都市など)
・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど)
・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど)
・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど)
・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など)
・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など)

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 三語はいつでも飛び入り歓迎です。常連の方々も、初めましての方も、お気軽にご参加くださいませ!
 それでは今週も、楽しい執筆ライフを!

メンテ

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傷心の出会い【前編】 ( No.2 )
   
日時: 2011/02/22 21:33
名前: RYO ID:PGffV9sU

 青い空にふわふわと雲が浮かぶ。のどかな昼下がり――加藤司はアパートのベランダで、ぼんやりどうして葉子が自分を振ったのか、考えていた。
 司が坂下葉子と別れたのは、二人が高校の卒業した翌日だった。別れを切り出したのは、葉子の方だったから、司は振られたことになる。他に好きな人が出来たというのが、その理由だった。葉子があんまりあっさり言うものだから、司は春雷が遠くでなったような錯覚さえ覚えた。たゆたう葉子への想いを、どうせ別の大学に行くことになってたんだし、遠距離になるんだしと、司は新生活の準備をしながら、懸命に自分を納得させようとして、できずに今に至る。
 司が葉子と付き合い出したのは、高校三年の夏のことだった。予備校で同じクラスで席が隣だったことがきっかけだった。
「へぇ、加藤君もK大希望なんだね。私もなんだ」
 模試で希望大学を書き込んでいるときに、そう葉子が覗き込んできた。
「ねぇ、模試が終わったら、二人で自己採点してみない?」
 ちょっと周りを意識しながら、そう持ちかけてきた葉子は、どこか緊張した様子だった。
「別にいいけど……」
 司は他の予備校生よろしく、少しでも参考書に目を通そうと考えていて、まさかそんな誘いがあるとは思ってもなくて、とくに意識もしていなかった葉子が頬を少し赤らめていたのが、妙に可愛らしく見えた。
 受験勉強の合間に、一通りのことはやった。夏祭り、誕生日、クリスマス、バレンタイン――それでもやっぱり、受験勉強の合間。
 単純に、張り合いが欲しかっただけなのかな?
 司は雲に向けて息を吐く。それでもこのもやもやが散ってくれることはない。
 大学生活も始まって、早一月。希望どおりの大学で、希望どおりの学部である。そう希望どおりの――葉子も希望どおりの大学に進学していった。葉子との間に何かがあったわけじゃない。単純に成績の伸びに違いがあっただけだ。秋までは司の方が成績は良く、葉子の方が悪かった。それが冬に入ると、司の成績は落ちていき、反対に葉子の成績が急激に伸びた。結果として、司は志望校を変更することを選び、葉子もよりレベルの高い大学を選ぶことになった。そう希望どおりに。
「浪人して、同じ大学行こうかな?」
 司が葉子にそう言ったとき、葉子は一瞬、やたらと困った顔をしていた。
 今にして思えば、あのとき、もう葉子の気持ちはなかったのかもしれない。もともとは、俺の方が成績が良くて、そこに葉子は惹かれたんだろうし。
 実際、二人で勉強するようになって、葉子の成績は少しずつ伸びていった。司としても、自分が教えることで、葉子が伸びてくれるのは嬉しかった。それがときに自分の勉強を疎かにすることになっていたとしても。
 ただ、こうなると、なんか葉子に利用された感じがないわけでもない。
 そんなことはないことは頭では分かっていても、振られたタイミングがタイミングなだけに、感情の整理はつかない。負の感情が複雑に入り混じる。成績を追い抜かれたことで、多少なりともプライドが傷ついたのもある。あるいは、
「俺より成績が良くなったってことで、俺に魅力は感じなくなったってことか」
 羨ましいと思っていたところに来て、追い抜いたら、途端に、かっこ悪くなったのだろうか? その止めは進学先の違いか。そう思えば合点は行く。合点は行くが、
「そんなものだけで、付き合っていたとは思いたくはないよ」
 司は葉子に振られて幾度となく至った結論をまた翻して、再びスタート地点に戻ってきていた。そして、思う。
「せめて、葉子と同じ大学だったら、別れずにすんだのかな?」
 司は今日何度目かの溜め息を、空に向けて吐いた。
「好きな奴ができたってんなら、そいつが誰か教えろよ!」
 そう葉子に詰め寄ることができれば、もう少しはっきりした答えが聞けたのかもしれない。
「そんな根性は、俺にはないか」
 司は自嘲した。
「あーこれからどうするかな……腹減った。昼飯、食わねぇと」
 司は白い壁に掛けてある時計を見る。もう二時前で、起きたのが十一時過ぎだったとはいえ、いい加減空腹を覚えた。
 世間はゴールデンウィーク。大学に入学したときは実家に帰るつもりだった。が、司の通帳は、残高百五十二円。懐は吹雪いていた。こうなってしまったのも、大学のサークルの新歓コンパに誘われて、やけくそで出まくってしまったからだったりする。
「新しい出会いとは言うけれど、結局出会いはなかったし……」
 コンパの席が思い出される。散々先輩に飲まされて、金だけ払わされた気がする。で、肝心の新しい出会いという奴は、なかった。いや、正確には、一年の男は男同士で固まり、一年の女の子は女の子同士で固まり、その塊に先輩が間を割って入って、サークルへの本気の勧誘が始まって、
「あんまり覚えてないな……」
 司は溜め息を吐く。なんのために散財したのか。とりあえず飲み会の相場が四千円くらいと分かったのが、司の収穫だった。
 突然、何か食えと腹が鳴る。
「仕方ない。出るか。金ないけど」
 司は遅い昼食を取りに行くことにした。空に流れる白い雲が千切れていった。

 大学近くの飲食店は安い。その上、数も多い。和洋中何でもござれである。もっとも、大学生になったばかりでは、どこが安いのかも分からないし、ましてや一人で飲食店に入るというのはそれなりの度胸がいる。司もその例に漏れない。コンビニでカップ麺でも買うことも考えたが、すでに飽きてしまっている。司は飲食店が建ち並ぶ通りまで歩いて、先日行った一杯四百五十円の豚骨ラーメン屋に入ることにした。ラーメン店なら、一人で入ってもそんなに抵抗感がなかった。内心、こういう休みの日こそ、大学の生協は学生の健康面と経済面を考えて開けるべきだろうに、と呟いていたが。
 司がラーメン店を選んだのにはもう一つ理由がある。ずらりと並んだ漫画である。じっくり時間を潰すには、もってこいだ。ついでに、替え玉も、学生価格の五十円と格安ときた。
 司がラーメン店のガラスの引き戸を開けると、なんとも言えない特有の臭いが漂っていた。
「いらっしゃい」
 と、じゃが芋も連想する頭の店主がにっこりと司に笑いかける。司は軽く会釈して、キョロキョロと店内を見渡す。店内は、赤いテーブル席が三つに、カウンターが八席とそんなに広くはない。昼時を外しているこの時間帯では、客もテーブル席に三人いるだけだった。司はカウンターに座ることにして、歩き出したときだった。テーブル席に座っていた女性客と目が合う。何か引っかかって、司は立ち止まる。一瞬の間があった。
「あっ! なんかすごいのきた! やっときたわよ! うちのサークルの期待すべき新人、一号が!」
 テーブル席の他の二人も振り返る。
「あなたは、確か……そう、加藤君ね。よく来てくれたわ!」
 女性は興奮気味に司の名字を言うが、当の司には何のことか良く分からない。
「こんな奴いたか?」
「さあ?」
 残りの二人は顔を見合わせて首を傾げていた。
「酔っ払っていたあなたたちの記憶なんて、最初から当てになんかしてないわよ」
 その女性客は得意げに言う。
 中学生か? いや……大学生か? 司は訝しがった。というのも、百四十センチくらいの小柄だったからだ。彼女の栗色のウエーブの掛かった長い髪は、表情を変えるたびに揺れた。
 なんか怪しいから、無視しよう。
 司はそう心に呟いて、三人の座るテーブルの横を通って、まっすぐカウンターに向かおうとする。
「ここまで来て、その態度はないんじゃない? 良いからこっちに来なさいよ」
 その彼女はしっかりと司の左手を掴んで、にっこり司を見上げていた。その笑顔はクリッとした瞳を輝かせて、なんとも嬉しそうで、楽しそうで、司は思わず見とれていた。
 それが司と坂崎智世との最初の出会いだった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
締め切りに、間に合った(笑
さて、久しぶりに司君です。皆覚えてますか?
司と智世の出会いの部分を、三語っぽく適当に作ってみます。
というわけで、続くきます。
後編のお題はこれから選出します(ぁ

2/22 21:33 一部修正

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