無題
春に咲く花の数種類がこの街での顔見知りの数にで、アネモネの失恋が私を憂鬱な生を膿んでる
ときめきが赤と青でちかちかと煌めいていた頃、四季は暖色の成長痛を、内側から孕んで育ち、肉体が青白く痩せっぽっちだった。
興奮が学習性の無い反復を拡げ、希望の有閑と将来の好奇心を育てて、繰り返し育てて風船みたいに膨らんで、
しゃぼんと縮んだ
「知性ない」そんな有機体だった性欲に誑かされて黒い塗り絵の時間を過ごした
余韻がまだ残っている、というのは嘘で、あるのは断片的な夢現、冴えない将来設計、不満の耽溺。
せっかちに拡げたのは、間取り図だけで、筋も線も細切れに電線に意識を飛ばして、傷つく予感に気づいて、自身の難癖に辟易して鉱石を空洞に掘り投げた
がらん、と残響が遠くの方まで伝わった後、春の湿気に身体はびしょびしょで、この上ないくらい気持ち悪い質感をひたすら反芻した、街は多言だった
うるさいよ、と震わせる媒体に、圧縮される白昼夢をひたすらにうなされた
兎の尻尾が生えて、いたずらの罰を受けた
それから、人に怯えて生殖器と共に見せない様に誰とも交際しなくなった
救われたのは、乱暴な性を思春期に抑えなくて済んだ他我とその透明な靴、比喩の膜はとても淫ら。
で、も、蜘蛛が糸を吐く様に日常は私にまとわりつき、労働と協働のお辞儀のメトロノームを有限回繰り返した
秘密の蜜を啜っていた医者は謝礼に断裁を、元の人間性が帰ってくると機械みたいに尻尾を掴んで言った
エウレカと叫んでる、何が分かったかを余熱に浮かされたものに聞くのは難しい
理解の根底にあるのは、算術の吐息。
分かったふりは猫のすることで、因果の選定が我々を遅れを、取らせ笑いを誘う
これほど、滑稽な失恋は蜜蜂に刺されて泣いた時以来だと思い出した
椅子に座っている、それが文章になるなら、リンゴを齧っている、と「シベリア」を図書館で買い損ねた、もその日の栞になる
発情しているのはその若い肉体の間だけ、振り回してはいけないよ、撫で下して文章に、文脈にながしておいで。
振り向く妾がいれば、貴方は法螺吹きではなく、サドを注意深く観察すれば良い
私はその透明な皮膚を有り体に言ってキャンパスと思うから、存分に汚れておいで。
そして、情動をおいてって。

逃げ腰
2018年10月20日(土) 14時59分34秒 公開
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