赤い靴を履く少女がお椀に金物を落とした
                 
             円状の金属音 
             耳遊ばせて、



真っ黒い父兄の背広
緑の座敷と厳しさに土の匂い
あの日々の疼き、それだけを覚えている



 響きに沈黙。
 皆で揃え、回顧。



頬まで赤くなった少女は境内の裏に行ってしまったので、

      愛おしくって。
           
      切実で
            


しばらくしている我々に
脇を通る住職が会釈し返す


 
 ――ええ、ええ。見ましたよ。
   裏にある祠に腰掛けて眠っています




会話も止み、
珍しく微妙のみが残った、



さて
誰が迎えに行こう
お嬢さんの思い出に残さないように

  
    あの人が好きな色を選んだ。
            優しさへ。

逃げ腰
2017年03月16日(木) 00時35分08秒 公開
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■作者からのメッセージ
幼少の。

詩の塩梅。

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