夏の記憶
夏の記憶 1

 

心を病んだアナタと

身体を病んだアタシ

共鳴。共感しあえるわけがない

厭世的に

自虐の中で

生きているあなたに

共鳴はしない

ワタシのアナタへの感情は

アナタへの憐憫だ

でも

ほんの少し哀しみ・・・・。

分かち合えた気がしたよ。

 


夏の記憶 2

 

薄墨色の

夏の夕暮れは嫌いだ

魔に逢うという

あの時間は

分かち合えぬ言葉と

分かち合えぬ痛みに


苦しむ時間だ

苦しみを切り裂く

凶器が欲しい



 

夏の記憶 3
 

渦巻きの蚊取り線香

灰になっていくたびに

蚊の死骸が横たわってる

ワタシは

朝になって

埃と一緒に

それを掃きだす

蚊と一緒に

埃まみれの

ワタシの心が転がる夏の朝、




夏の記憶 4


恋ってなんですか?

愛ってなんですか?

・・・と

問うた・・・アンタ

互いに

差し交わす言葉に

苦味が生じたから

オブラートに包んで

飲み込んでしまったわ

飲み込んで

喉につかえたから

冷たいビールをグット飲んだの

アンタとの会話

夥しい疲労だけが

残っているよ

ひたすら夢を追い

重い言葉をアタシに遺していったね

どこへも還る所がないと言い

寂寥のマントを羽織ったまま

アンタは夏の中へ消えていった

アンタ・・・

今、何処で生きているの?

まさか・・異界じゃないよね




夏の記憶  5


ワタシの内部に

ひとつの塊が住み着いたのは

いつからだろう

ときおり

塊は疼き

痛みを発し

ワタシを何処かへ連れ去ってしまう

そんな時

命のリズムは

時に荒く

時に死んだように静止する

ワタシは

どこにいるのだろう

不毛な砂丘に横たわる

流木になっているのだろう

風にさらされ

砂に弄ばれる

流木となって

身体を晒しているのだ

時は 無為に

容赦なく流れていく

頑なに全てを遮断し

生きていることさえが

哀しみであり

苦痛だった

昨日・・・・。、

夏を知らせる乾いた熱風が

ほほを掠めた

懐かしい記憶が

優しい記憶が

脇腹から沁み込んできた

だから

無理なく生きていくこと考えよう

夏の記憶が

ワタシをほんの少し

強くしてくれそうだ
桃子
2017年02月20日(月) 21時22分21秒 公開
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No.4  桃子  評価:0点  ■2017-03-31 19:41  ID:2oM/S0bV51Q
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こむさんはじめまして
詩の中で、「好きだと思うところ・・・」
ありがとうございます、感謝です、
こむさんの詩。。あの言葉に反応できなくてごめんね。(#^.^#)
No.3  こむ  評価:50点  ■2017-03-28 22:21  ID:x8hRihqAwrk
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ぼくは詩をあまり読まないのですが、この詩の、好きだと思うところがたくさんありました。
No.2  桃子  評価:--点  ■2017-02-24 17:33  ID:tPLDOpPHepA
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逃げ腰さんこんにちは。
コメントありがとうございます。
お返事が遅れてすみませんでした。
細やかな処へ眼を止めていただいての
暖かなコメントに感謝です。
眠れなかった夜明けに書いた詩でした。
No.1  逃げ腰  評価:50点  ■2017-02-21 17:12  ID:QmqNILQPWJs
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はじめまして、逃げ腰です。
とても良いですね。断片的な感じがします。

ワタシの心が転がる夏の朝、

で最後に読点を残すところと

>>差し交わす言葉に
>>苦味が生じたから

このあたりが良かったです。

ありがとうございました。



総レス数 4  合計 100

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