午前四時
狂おしいまでに願って手にしたものほど、
その実つまらないだなんてよくある話だ
それでもまた新しいものを魅力的に思って欲しがってしまうのはどうしてか、
またこうやって人生への失望を重ねていく

朝が近い、足先の冷えた感覚と煩わしい空腹感にまた希望をかき消される
輪郭のみえない、穏やかでありながら強烈な感情が重々しく心を支配している

この倦怠感に背中を押されて空を飛んだ人々の気持ちは分かるようでわからないけれど、
もうすぐ来るのと似た朝ってやつが、
その手で捕まえてしまいたいくらい綺麗に見えるだろうことは想像に難くない

頭まで布団をかぶったら、
息苦しさに生きていることを実感させられた。

世界は残酷だ、なんて身勝手な解釈を噛み締めながらまた都合よく涙を流す
こういうところが嫌いなんだと、もうどこに向けたのかも分からない愚痴を陰鬱とした気持ちの肥やしにした

アラームがなるまであと三時間
あぁ、今日も、生きている。
夢咲
2017年01月13日(金) 21時23分51秒 公開
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No.5  Fufu  評価:50点  ■2017-02-22 17:29  ID:t/PBkSNqQXE
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「世界は残酷だ、なんて身勝手な解釈を噛み締めながらまた都合よく涙を流す
こういうところが嫌いなんだと、もうどこに向けたのかも分からない愚痴を陰鬱とした気持ちの肥やしにした」というところの描写が凄くいいですね。自己の感情の動きに対する鋭い観察力を詩全体から感じます。
No.4  ヤエ  評価:50点  ■2017-01-19 06:03  ID:OCozLcSOeMU
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こんにちは。
2連目の、夜中の独特の雰囲気と、身近な感覚。まさに言葉通りの輪郭のない緩やかで強烈といえる不思議な感覚が思い起こされました。
3連目が綺麗だけども、よけいに哀しみを引き出していて、素敵でした。
No.3  時雨ノ宮 蜉蝣丸  評価:30点  ■2017-01-19 03:56  ID:eFOY3cHRZZU
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こんばんは。初めまして。

世界は残酷、なんてありふれたことを呟くのは、どうにかしてこの不安に理由をつけたいからかもしれません。裏打ちがなされれば、行き場のない感情達にも何かしらの居場所が生まれるような気がして。
自分という必要か不必要かもわからない存在も、空を飛べば何かしらの痕跡を世界に残していけるんじゃないかって、幻想だとわかっていても尚やってしまう誰かを止める権利なんて、どこにもないんだって。

『ああ、今日も、生きている。』という最後がいい感じです。
ありがとうございました。
No.2  夢咲  評価:--点  ■2017-01-16 02:51  ID:o.6/N95sM1E
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◎ M.W.PANDOZEN 様

はじめまして。
冬になると、生きるのを諦めるという選択肢は、
簡単に選べるものでないのだなぁ、
というようなことをつい考えてしまいます。
これが寒さのせいかはわかりませんが、
私の気持ちの細波を僅かでも感じていただけたこと、
それですこし気持ちがあたたかくなりました。

感想ありがとうございました。
No.1  M.W.PANDOZEN  評価:50点  ■2017-01-14 23:00  ID:L6TukelU0BA
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はじめまして。
文章の節々から、もがき苦しむ様が
ヒシヒシと伝わってきました。
私も、誰しも、筆者様も、いきもの達も、この地球も、
喘ぎもがきながらもイマを生きて居るのだな、と
気づかされました。
総レス数 5  合計 180

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