うつろい



鼓動が速くなるわけもなく
体が熱くなるわけでもない
何を話せばいいか
分からなくなる、なんてこともない

むしろ

指先は冷えていって
気を引こうと焦ってしまって
少しでもこちらを見てくれればと
無駄に口数を増やしてしまって

あぁ、無様だ

君がいると
それだけで僕はダメになるんだ




涙が出るというわけでもなく
無性に叫びたくなるわけでもない
もちろん
心ここにあらず、なんてこともない

ただ

指先が寂しくなって
お茶を入れることもなくなって
細やかなアレコレを
ふとした瞬間忘れてしまって

一人で出来ていたことは
一人で出来なくなっていたようで

君がいないと
もう、どうしようもなく、ダメなんだ


視線を移すと
赤い心が木々に映った



ヤエ
2016年11月07日(月) 08時05分38秒 公開
■この作品の著作権はヤエさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
作者からのメッセージはありません。

この作品の感想をお寄せください。
No.4  ヤエ  評価:0点  ■2016-11-28 17:00  ID:BymBLCyvz/o
PASS 編集 削除
時雨ノ宮さん
読んでくださりありがとうございます。
こんかいは、喪失感から見出す何かを描きたくて書きました。
いつもは虚無感や、虚空だけを見つめているのですが、残っているほど辛いものなのだなと、感じます。
No.3  時雨ノ宮 蜉蝣丸  評価:40点  ■2016-11-26 11:57  ID:ji4Hz4Vb/4o
PASS 編集 削除
こんにちは。

別れる二人の、或いは別れて終った二人の片方。哀しいや、悲しいがしかし、嗚呼確かにと納得する節もあるのでしょう。
無いことが日常だった人間が、わずかに何かを手に入れて、それを失った時。元に戻っただけだと呟くほど、どうして心臓は痛いほど脈打つのでしょうか。
赤い。紅い。朱い。心の冷たさと色味の暖かさのアンビバレンスが鮮やかだと思います。

ありがとうございました。
No.2  ヤエ  評価:--点  ■2016-11-16 17:39  ID:BymBLCyvz/o
PASS 編集 削除
秋雨さん
読んでいただきありがとうございます。
ダメになっていいとは思いますが、ダメになることを自分自身が何の葛藤もなく許容できるようになるまではもう暫くかかりそうです。

赤い心に込められた意味の数、覚えて頂けていて嬉しいです。書いたものが誰かの頭の片隅にでも残っているということの持つ意味は大きいなと……
あの時も、恋愛詩でしたね。この詩と共通するところも多かったと思います。

コメントありがとうございました。
No.1  秋雨さん  評価:50点  ■2016-11-13 07:32  ID:hEYeduAIQSk
PASS 編集 削除
この詩に結末があるとすれば、その結末が想像できる気になったつもりでいる人間だけに、読んでいてなんだかとても哀しい気持ちになります。
同じ人間ですから、誰かがいないとどうしようもなくだめになるという気持ち、わかります。矛盾するようですが誰かがいるからこそまただめになるという気持ちも。
でも一点わからないのが、だめになって何がいけないのだろう、というところです。頑張りすぎなんじゃないかな〜と感じます。
期待されてる人や真面目で頑張りすぎる人って人一倍なにかに耐えてるんですかね。
自分は自由を覚えました。自由中毒ですね。なににも縛られない心の平穏、自由のためならルンペンになってもいいとさえ思います。そういう自分から見てこの詩は昔を思い出すようでとても息苦しさを感じます。
まあ逃避が大好きなダメ人間の戯言ですけどね笑
そういえば「赤い」ってのには3つの意味が込められてるって昔いってましたね〜。記憶違いでなければですが。それではまた。
総レス数 4  合計 90

お名前(必須)
E-Mail(任意)
メッセージ
評価(必須)       削除用パス    Cookie 



<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD   編集 削除