舌禍来命/白楽天を望む


いつから詩は
売り物に
なったのだろうね

わたしが
君に
刻みこむ

この瞬間こそ
詩の原点
だというのに


一枚の紙切れ、だ。


玉命が綴る万葉
友の束ねた文集

素っ裸の詩を
包むひとの手

裂いて渡した魂が
誰の目を過っても
君さえ触れたなら


笹竜胆
2015年03月14日(土) 23時47分28秒 公開
■この作品の著作権は笹竜胆さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
題がごつい。
四字熟語ではなく、二次熟語を組み合わせました。

この作品の感想をお寄せください。
No.6  笹竜胆  評価:0点  ■2015-04-17 19:04  ID:Gq3GxzyHaZc
PASS 編集 削除
大変お待たせして申し訳ありません。

>Aさん
とても丁寧に読んでいただいて嬉しく思います。
言葉の軽重という視点は、作っているときにはありませんでしたが、ご指摘いただいてなるほどと思いました。私自身は硬軟というか粘度として捉えていて、前半のどろどろした感じを四連で切り離そうとしていました。読点も一歩引いたことを表すために使ったので、そこでニュアンスの反転が起きているというのは目から鱗です。
六連は五連とバランスをとるために入れたもので、自分としては詩人と編者の関係を表したつもりでした。私と公が入り交じる特異な関係を想定していたのは事実ですね。
全体としては、心臓から流れ出る血のイメージでした。

>青ガラスさん
どちらかと言えば不恰好な詩だと思っていたので、スタイリッシュと聞いて驚きました。
前半の切れ味と後半の抜き方は拘ったところで、全体として心に入り込んでいたら嬉しい限りです。
魂を裂く、というのはあらゆる言葉を他人事にしないために必要なことかなと考えています。
No.5  笹竜胆  評価:0点  ■2015-04-09 23:50  ID:liv0XJjdO9U
PASS 編集 削除
皆様ご感想ありがとうございます。

>ヤエさん
題は何か新しい響きが欲しいと思って組み合わせてみました。
後半の繋がりが気にかかっていたのですが、すっと入るとのことで一安心です。
最後は結構切実ですね。

>小夜さん
実は前半で終わらせるかどうか、かなり迷いました。
至近距離の言葉で広がりがないのもつまらないかなと付け足したのですが、ない方が情熱的かもしれませんね。
詩としてカッコつけたのは後半だったので、ご感想いただいて動揺しました。
因みに私はお酒入ると笑い上戸なので、真顔では言えません(笑)

※返信お待たせして申し訳ありません。時間見つけてお二方の分も追記していきます。
No.4  青ガラス  評価:50点  ■2015-03-18 15:21  ID:GaMBFwOFFuY
PASS 編集 削除
スタイリッシュな文体、洗練されているから
切れ味のいい言葉も生きてくるんですね。
切れ味だけではなく、素っ裸の詩を包む人の手、という言葉から
温かみを、君さえ触れたなら、という言葉から情愛を
なので抵抗なく言葉たちが入ってきます。
ラストの魂を裂く覚悟には、とても大切な真理のようなものが潜んでいるようにも
感じられました。
No.3  A  評価:30点  ■2015-03-17 02:37  ID:O6O0a8UCtXM
PASS 編集 削除
拝読させていただきました。

最初三連、切実な思いが重たいものとして表現されているような気がします。それを受けての「一枚の紙切れ、だ。」は売り物という言葉よりも更に軽く重たさを翻すような表現でありながら、「紙切れ」と「だ」の間に挟まる読点にやはり重たさを感じ、さぁ、どうくるかと期待させます。「素っ裸の詩を包むひとの手」という表現は特に面白いなと思いました。これは詩が受け取られる場面を書いているのでしょうか(僕はそのように解釈しました)。「包む」という事はまだ受け取り手には刻まれてはいない、刻まれるという事が生じる手前の場面で「わたし」は「裂いた魂を渡す」という事を言っていて、他の誰でもない「君」に触れられる事を「わたし」は切に願っている。この詩にはその具体的な表れ(詩そのもの)はないけれど、この詩に書かれる「わたし」と「君」の関係、そのような関係の特異性を新鮮に、同時に懐かしくも感じてしまいます。無闇に何もかもさらけ出すのではなく、まさに「君」に重たいものを受け取ってほしいと願う事は、「わたしが/君に」という孤独の行き着くところでは、怖ろしく、勇気の要る事ですよね。どういう訳か、この詩には熱い涙が滲んでいるような気がします。
No.2  小夜  評価:20点  ■2015-03-16 23:02  ID:Zx/2AUZFW8I
PASS 編集 削除
こんばんわ☆

個人的には1&2&3連目の部分が好きです♪
なんか、すごくカッコ良い感じ☆
お洒落な名前のお酒を飲みつつ真顔で言われたら…w
キュンキュンしちゃいそぉです(照)
えへへっ(照)

No.1  ヤエ  評価:50点  ■2015-03-16 17:41  ID:L6TukelU0BA
PASS 編集 削除
題は確かにゴツイと思いました。
でも、組み合わせに納得です。

読むに至って引っかかりがなくて、すっと入って来る詩だと思いました。ラストが好きです
総レス数 6  合計 150

お名前(必須)
E-Mail(任意)
メッセージ
評価(必須)       削除用パス    Cookie 



<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD   編集 削除