春一番
透明の液体に満たされて
生きて行けたのなら
たくさんの悲しみもすべて
向こう側が見えるだろうに

年を重ねるにつれ
濁っていく液体は
赤いような
黒いような
失ったものの色をしていく

寒暖の差が
心の振動に響く

冬と春のはざまで
今日も無く
過ぎるのみ

心を冬に残して
体を春へ運ぶ
春一番吹き荒れる

花粉の作用で流れ出る
涙も鼻水も透明なのに

指先から滴るは
薄いピンク色の
いやもはや
黒い濁り

無くしたものの色

そう
吹き荒れる

春へ向けて
史裕
2015年03月25日(水) 21時21分07秒 公開
■この作品の著作権は史裕さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
作者からのメッセージはありません。

この作品の感想をお寄せください。
No.2  史裕  評価:0点  ■2015-04-03 13:36  ID:oJAeGLThmOU
PASS 編集 削除
小夜さんへ

こんばんは
ご感想ありがとうございます。
気に入っていただけた部分があってうれしいです。
また読んでいただければありがたいと思います。
それでは失礼します。
No.1  小夜  評価:20点  ■2015-03-28 21:30  ID:Zx/2AUZFW8I
PASS 編集 削除
こんばんわ☆

個人的には、1&2連目の部分が好きです♪
うまく説明できないけれど…。
綺麗なんだけど、カッコ良い感じw
うぅん(汗)
コメント下手で御免なさい(涙)
総レス数 2  合計 20

お名前(必須)
E-Mail(任意)
メッセージ
評価(必須)       削除用パス    Cookie 



<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD   編集 削除