いなか都会



扉は左右にひらき
私を中洲にして人が流れていく
降りそそぐアナウンスの滝が背をおせば
車内を出ていく匂いと押しこまれる匂い
見知らぬ世界はとざしたままで
たまごが当たらぬように整然と
550Hzはやさしく通り
オーケストラのチューニングと咳払い
ひとかけらの過去に引かれたあと
静かにレコード針をふるわせる
よぎる白い鉄柱が急ぎはじめて
間もなく青い空
可笑しな顔したビルが首をのばす
空をうつした川が見えると
突然の悲鳴と
影が目まぐるしく
子供はひっきりなしに首をふり
おしり
片足がひっくり返えっておちる音が浮き立つ
ママが耳うち
胸のキャラクターは勇敢に
黒い目がふたつ
天井のポスターは変わらずゆらり
隙間の田んぼが遠くまでつながって
立ち上がる雲はクッキリ
黒い目がふたつ
私を取りもどしたニコちゃんに
そっぽ向きながらチラリ
いたずらな眼差しと口一文字
割って入るアナウンスと緩む床
未来にもたげる乗客のからだが
もう一度ひとかけらの過去を覗くと
ひらいた扉から滝に入る前に手をふって
一文字は三日月に
ママの影で白いモミジがふるふる
そして私は川になる






游月 昭
2014年11月17日(月) 20時31分12秒 公開
■この作品の著作権は游月 昭さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
投稿少ないですね。詩、一個入れます。

この作品の感想をお寄せください。
No.2  游月 昭  評価:0点  ■2014-11-24 21:46  ID:qx2ygamosbQ
PASS 編集 削除
陽炎さんこんばんは。
お久しぶりのような。

行間はこの場合開けない方がいいかなと思うんですが
言葉に頼りすぎているというのがよく分かりませんでした。
表現がおかしなところはあるかなと思いますが。
最近特に集中力に欠けるようです
ありがとうございました。
No.1  陽炎  評価:30点  ■2014-11-20 10:45  ID:OJmj6OeLU/s
PASS 編集 削除
詩の内容的に、あまり「いなか都会」感を感じませんでした
≪田んぼ≫とか≪川≫という語句が登場しているから
そう読めないこともないんですけど
限定しなくても、どこででも当てはまりそうな感じに
私は思えました

あとは、少し言葉に頼りすぎている気がしたのと
行間スペースが入っていてもよかったかな、と
総レス数 2  合計 30

お名前(必須)
E-Mail(任意)
メッセージ
評価(必須)       削除用パス    Cookie 



<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD   編集 削除