剔抉

邪魔な皮膚を突き破って、その何もかも掴む凶暴な肉で、柔な部分を握り潰して

一度傷ついたそこは、二度と同じ皮膚には戻らない
だから、
何度も
何度も
そこを裂いてくれて構わない

――決して戻りはしないのだから。

一度曝されたドロドロに溶けた肉を掻き分けて、
もう一度、触れてほしい
その奥にある柔な部分

そうして、握り潰してくれ

きっと痛みなど既に分からなくなっているから、泣き叫びはしない
もし声が邪魔だと言うのなら、まずは喉元を掻き切ってくれ

もう一度、
もう一度、
もう一度
あの感覚を。

柔な部分に触れられる絶望的な恐怖を

そして、幸福を

そのまま潰される、新しい快感を

皮膚も肉も、そんなもの関係ない
切り裂いて、捨ててくれ
弱い自分を守るそんなもの無くしてくれ

自分ではもうどうにもできない
硬くなりすぎた皮膚をどうか抉じ開けて

弱い本当の自分だけを、
抉り
曝け出させてくれ
クレナイ
2014年08月24日(日) 23時10分02秒 公開
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No.4  クレナイ  評価:0点  ■2014-09-04 12:17  ID:dJ/dE12Tc8A
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ヤエさま

こんにちは。
いえ、イメージして下さった通りです。

「肉と肉の交わり」と「すべてを暴かれたい願望」がこの詩です。
なので、伝えたいことを理解して下さっていて、とても嬉しく思いました。

また、好きと言ってもらえて本当にありがとうございます。

No.3  クレナイ  評価:0点  ■2014-09-04 12:12  ID:dJ/dE12Tc8A
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遊月昭さま

こんにちは。

イメージして下さった映画ですが、そのような内容の映画があったのですね!知らなかったです!少し怖いですが、見てみたいです。

お分かりの通り、この詩は交わり”を一つの題材としています。
なので、ご指摘の「肉」の部分ですが、肉と肉の交わり”ということで、あえて同じ「肉」と記してみました。
けれど、くどいかなとも思ったので、次からは別の言葉を探してみようと思います。

コメントありがとうございました。
No.2  ヤエ  評価:50点  ■2014-08-25 01:58  ID:L6TukelU0BA
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意図と全く別であればお恥ずかしいのですが
まるで、自己防衛のため知らず知らずに塗り固めてしまった言い訳や誤魔化し等を切り開いて、核心を突かれた経験。
そして、いっそのこと全てを暴いて突きつけてほしい
といった清々しい願望のようにも見えました。

ゾクリとくる表現が病み付きになりますね。
好きです。
これからも楽しみにしています。
No.1  游月 昭  評価:30点  ■2014-08-25 00:55  ID:Lg/anJZZyX6
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こんばんは。

>もう一度、触れてほしい
>その奥にある柔な部分

こういった感じの映画のラストシーン辺りを観たことがあります。
男女の交わりの際、皮膚が、骨が、邪魔!という感覚になるものですが(エ?)
映画(題名シラナイ)では、恋仲、手術中男が女の腹を裂き内臓に顔を突っ込む、というもの。
その感覚分かります。
この詩のイメージも似たような感覚になります。内容はギトギトするはずのものですが、意図したのか、案外スッキリとしたイメージです。
(多分私だと、おどろおどろしくなる)


>一度曝されたドロドロに溶けた肉を掻き分け
と記されているので
>その何もかも掴む凶暴な「肉」
の「肉」を別の言葉にした方がメリハリがあって良さそうです。


>――決して戻りはしないのだから。
こういった書き方の変化で、完全にスピードダウンさせています。(あくまで)私だったら、冒頭から連分けせずにラストまで一気に書き上げるかな、と思いました。


一線を越える詩、面白い題材です。
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