周期
私は直立不動である

そして冬は過ぎた

地からは蒸気が立ちこめ

地平線の果ては薄茶色をしていた

そこに大きな塊といくつかの人影が続いた

その大きな塊は地にキャタピラの跡を付けた

騒ぎは鎮まった後だった

人は悲しんだ 別れを
人は憎んだ 人を

私は直立不動である

そして春は来た

騒ぎは嘘だっかのように跡形も無く消えた

代わりにそこは賑やかになっていた

薄茶色の街ができた それはそれは大きな

人は笑った いつまでも
人は愛した 人を

私は直立不動である

そして冬は来た

騒ぎが起こる前だった


季節は過ぎた
その周期に誰も手を出すことはできない

私もその流れの一部であり
私はその流れを見守り続ける

私は直立不動である



二村 廣
2014年02月23日(日) 10時28分33秒 公開
■この作品の著作権は二村 廣さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
よろしくお願いします

この作品の感想をお寄せください。
No.4  二村 廣  評価:--点  ■2014-02-28 19:50  ID:X2x5n/yrh02
PASS 編集 削除
逃げ腰さん
ご感想ありがとうございます

自分ではぼやけた情景をイメージして、それを言葉で
表せたらいいなと思い、それと逃げ腰さんがおしゃっている
この詩の距離感というものとリンクしている気がします

またよろしくお願いします

No.3  逃げ腰  評価:50点  ■2014-02-27 21:43  ID:G8fqwr4/eC2
PASS 編集 削除
良い、良いです。
この直立不動のものが自然が作ったなんなのかわかりませんが、

>>地平線の果ては薄茶色をしていた

>>そこに大きな塊といくつかの人影が続いた

この距離感が凄く良いです。視界が広く、そして時代的だなぁ。
なんとなくそれは絵巻だったり、とイメージするわけですが。

とても楽しめました。ありがとう

No.2  二村 廣  評価:--点  ■2014-02-23 19:58  ID:X2x5n/yrh02
PASS 編集 削除
游月 昭さん

ご感想ありがとうございます

不特定な大きな存在をこの詩の中で表したかったので
よかったです

見直してみると「は」が変ですね
ご指摘ありがとうございます
またよろしくお願いします
No.1  游月 昭  評価:40点  ■2014-02-23 22:42  ID:sqfh9gLDeNI
PASS 編集 削除
こんにちは!

淡々とした語り口がいいですね
高いところから見下ろしている感じが出ていて、いつか私も打撃を与えることになるが、と大きく構える姿が見てとれます。

ありがとうございます。
総レス数 4  合計 90

お名前(必須)
E-Mail(任意)
メッセージ
評価(必須)       削除用パス    Cookie 



<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD   編集 削除