【赤】

白く黒いトンネルを行く
長いながい時の迷路
拓かれる口から微笑みかける光をめざし
脈動する命が噴きあがる


【黄】

あどけない口元に
注がれる愛のすべてを受け
全身に備えられた触角をたよりに
おぼつかない足どりで進みはじめる


【青】

深い明日への入り口は
鏡のように自分を映し出し
眩しくて先は見えない


【白】

水彩の夢が数におき換えられ
明らかな地への矢印になる


【緑】

空を求めて這いあがる
寄せる風にまばたきもせず
食われても食われても突きすすむ
地平線へ広がった安息に包まれるまで


【紫】

頂を過ごした記憶の色を
油絵の具でぬり重ね
かべを満たして姿勢をただす


【黒】

細くつづく道のりに
影は長く尾をひき
途切れた空に降りしきる流れ星


【光】

全ての色が集められ
限界の黒に押しつぶされる一瞬
破れた零を抜ける無限の世界
白は黒に、黒は白に




游月 昭
2014年03月19日(水) 16時31分04秒 公開
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■作者からのメッセージ
読んで頂ければ、それだけでも構いません。

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No.7  游月 昭  評価:0点  ■2014-03-24 00:27  ID:qVUr7kcrwv.
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ああ、青ガラスさん、質問されてましたね。

「途切れた空」

→道はそれ以上無い、そこで何を見るのでしょうか。

といったところです。お分かりになると思います。
No.6  游月 昭  評価:0点  ■2014-03-23 13:31  ID:HchH4ncRDDY
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昼野さん、ご感想ありがとうございます。

コメントはもう無いかと思っていましたのでありがたいです。
まだまだあやふやですが、さらに濃く描き出せるよう精進していきます。
No.5  昼野陽平  評価:50点  ■2014-03-22 16:03  ID:NnWlvWxY886
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いいですね。なんか色彩豊かな絵のイメージが浮かびました。
ラスト一行の締めがかっこよくて特に好きです。
No.4  游月 昭  評価:0点  ■2014-03-20 16:02  ID:5PhxNt2MGXg
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楠山さん、ご感想ありがとうございます。

何か感じて頂けるのは嬉しいですね。
自作の詩を解説というのは恥ずかしいものですが、少しだけ。

「悲愴」は、より音楽的に「人生」を描こうとしています。「光」は視覚、特に光色のイメージになぞらえてそれを描いています。あくまでイメージなので、例えば、「始まり」の赤は、火山とも、赤ん坊の誕生ともとれます。
黒と白の対称的な印象をまったく同じものを表すものとして、私はよく使います。
*白紙→何も書いていない→無→始まり
*暗黒→何も見えない→無→終り
*終り=始まり 、零=無限

全ての色の光が集まると無色(≒白)、ですべての物の色を映し出すことが出来る。

◆全ての色→光≒白→黒

楠山さんが気にいって下さった[白]は全ての光注ぐ世界への矢印、といったところでしょうか。

色のイメージは、人によって異なるので、あとはご想像下さい。

ありがとうございました。
No.3  游月 昭  評価:0点  ■2014-03-20 15:22  ID:2un0QyHxhs2
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青ガラスさん、ご感想ありがとうございます。

ゴーギャンの絵、調べました。と言っても画像を見ただけですが。
その絵を見ると確かに伝わって来ます。
この詩は抽象画に近いですが、おそらく同じようなテーマでゴーギャンが描いたものなのでしょう。お気づきだとは思いますが、『Pathetique−悲愴−』も近いテーマで書いていまして、あれはチャイコフスキーの6番の印象から書いたものですが、今回は元になるものがないので、こういったテーマの音楽や絵画、映画に繋がりやすいかもしれません。
この詩を書いていた時はかなり精神集中していましたが、大きな感動を与えるまでにはまだまだです。これからも精進していきます。
No.2  楠山歳幸  評価:50点  ■2014-03-19 20:54  ID:3.rK8dssdKA
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 読ませていただきました。

 凄かったです。
 理由はわからないけど、力強い精神っていうイメージを感じました。

 游月さんは絵を描かれるのでしょうか。

 特に白が凄いです。
 もしよろしければ解説をお願いします。
No.1  青ガラス  評価:50点  ■2014-03-20 08:32  ID:6Sbbo4.76/Y
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人生の局面を色彩で表現した絵画のような印象で
ゴーギャンの「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
というタイトルの絵が浮かびました。
最後の連の【光】秀逸な表現だと感じました。

緑も力強くて好き、青も良いです、他も。
途切れた空とは?

総レス数 7  合計 150

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