彼の人


一歳四ヶ月の娘が、ぼくの指を、噛むことに
ハマッテいる、ことを。
千切れるかと、思うほど強く、噛むんですよ、お父さん。

ぼくもお父さんの指を噛みましたか?
噛んだでしょう?
噛んだはずです。

教えてください。


上四本、下四本の、小さい、小さい、尖った鋭い歯でもって、


お父さんは、その時、何を思ったでしょう?
ぼくは、どんな気持ちで、お父さんの指を、噛んでいたのでしょう?
お父さんは、ずっと前のぼくは、指を噛んだでしょう? そうでしょう?
マーと、メーと、イェーの、絶妙に、交じり合った、意味のわからない叫び声を、噛み締めた、歯の間から、じりじり漏らし垂らしながら、
お父さんは、ずっと前の、子どもの頃が、ぼくは、指を噛んだでしょう?

Father, O father! ぼくらは此処で何をしているんでしょう? In this land of unbelief and fear?


お父さん! 大文字の『MAN』は、どこにいるんですか? ここにいるんですか。
それとも、ずっと遠い、天国と呼ばれる、明けの明星の、そのずっと、ずっと先にいるのでしょうか? この不信と恐怖の国には、いらっしゃらない?
だから、あるいは、



おお、ああ、ほんとうに、ほんとうに、お父さん。
ほんとうに。
ボクハイッシュンイタミヲオソレルハンシャテキナショウドウガ
ムスメヲナグリツケタイクナッタ、ハンシャテキナショウドウト

均衡する、あるいは、拮抗する、ぼくのなかのぼくと、お父さんを、恐れています。怖れていました。

だから。お父さんと、ぼくは、ぼくと、ぼくの娘とを、殴りたかったかもしれません。
噛み千切ろうと、思われて思ってい、思ってい思われていた、のかもしれません。

Father, O father! ぼくらは此処で何をしているんでしょう? In this land of unbelief and fear?

だから、あるいは、
ぼくは、『恒常的に衛生的にみがかれた妻の乳房は黙々と生えてくる』のを希望せずにいられません。

、お父さん。
、お父さん。

うちだ
2013年08月29日(木) 02時50分56秒 公開
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No.5  うちだ  評価:0点  ■2013-09-20 02:43  ID:oE2tK3DWyuo
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SHIRIAI様

いつもご感想ありがとうございます。
返信遅くなってすみません。。。
つか、僕は常にっ!シリアスですよっ!ドヘタ、だけど。。真面目ですw

>ナグリツケタイクナッタ

恥ずかしくて死ねます。字数合わせようとして、ガッツリ、シクりました。
直そうと思ったけど、恥ずかしいから、そのまま恥を晒しておきます。
いつもありがとうございます。




昼野陽平様

ご感想ありがとうございます。
返信遅くなってすみません。
ブレイク良いすよね。ブレイクがぼくの中で、ブレイク中、とかw
まじで、グッと来る感じになってきました。
ちゃんと読めば、なんか残ってくるもの、ってのがありますよね。
ありがとうございました!




吉岡様

ご無沙汰しています。
ご感想ありがとうございました。
返信、遅くなってすみません。
ご執筆どないですか? 
>恐怖、畏怖、苦悩、疑問なんかが混然としていて
なんかぼくが書いていたときのその感じがちゃんと伝わったみたいで嬉しかったです。
ありがとうございました。





笹百合様

ご感想ありがとうござます。
返信遅くなりました。。

ね、ね。
「かい」がないだろうな、って思いつつ、やったけど、やっぱり、意味、みたいなのは、派生する、というか、なんか出来ちゃいますよね。
おもろいなーとおもいます。いつも。
つか、
私信、
ぼくですよw なんでビビるんすか?
今度から、いつも名前変えて、感想書きますw
No.4  笹百合  評価:40点  ■2013-09-03 01:14  ID:wYgzQgVuDaw
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 食べやすく調理してるって感じ。ゆるぎなきものの在りかとか。
 足出して泳いだかいはあるんじゃないかな。たぶん。

私信
 この間のnanashiってうちださん? ビビるからちゃんと名乗ってww
No.3  吉岡  評価:50点  ■2013-09-15 17:02  ID:6KwfwLRREoY
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お久しぶりです。
よかったです。恐怖、畏怖、苦悩、疑問なんかが混然としていて
なんともいえない気分です。
男に生まれた苦悩みたいな(笑)。

No.2  昼野陽平  評価:40点  ■2013-08-30 16:03  ID:NnWlvWxY886
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読ませていただきました。
ブレイクの無垢の歌をベースにしているとは思いますが、自分のものにしてるなと思いました。
しょうじき、理解してるとは言い難いですが、僕なりに楽しめました。
自分からは以上です。
No.1  SHIRIAI  評価:50点  ■2013-08-29 21:06  ID:qfECEIfZhSM
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うちださん、こんばんは。
久々にうちださんのシリアスに会った気がします。二度読みました。
おとうさんってのはでっかくて、大好きだけど、近寄りがたい面があったり、大嫌いだけど、それは求めるがゆえの反抗だったり。そんなところをうまく表現していて、自分の子にも、妻にも少なからず影響しているという内奥の曖昧な事実を、表面的に分かりやすく表している。
おとうさんが生きていようが亡くなっていようが、それは変わりようがなく、むしろ、歳をとるたび、強く感じられるようになる。そんなことを考えさせられたのでした。
>ナグリツケタイクナッタ
→シリアスな分、校正には特に時間をさきましょう。
ありがとうございました。
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