どこかの誰かの話
初めて詩を書いた
褒めてくれる人がいた
そうか僕には才能があるんだ
それからリズムに支配される日々

最近人と会話が出来ない
詩に書けばいいや
誰かと話した気分になる
目線を上げればやはり現実があった

逃げるように書いた
オナニーする代わりに書いた
相談する友もいなくて
泣き叫ぶ代わりに書いた

生きるの辛い自信がない
誰か助けてくださいよ
ネットワークの片隅でつぶやく
優しい人がまた褒めてくれた

THE PEANUTSに出てくる
ルーシーあたりに相談すれば
「で、それがどうしたの?」
そんな答えに支払う5セント

つまらない悩みなんだ
タイルのカビほどの価値もないんだ
蚊に刺された小指みたいに
神経が振り回されているだけなんだ

才能なんてないんだ
とっくに分かってる事なんだ
でもこれをやめたら何も無いから
リズムと文字数に支配され続けるんだ

そんなどこかの誰かの話
TAKE
2013年06月27日(木) 10時33分04秒 公開
■この作品の著作権はTAKEさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
自分の事かも知れないし、これを読んだ顔も知らない人の事かも知れない。
これは歌詞として作ったものではないので、ネットワークの中だけで存在意義を持つ文章です。
上手い文章が作れたところで、たとえばそれを音楽に乗せて誰かと同じ時間や感情を共有したり、もしくは詩集を出版して通帳にある程度の成果が出なければそこに生産性は無く、作者の心から出てゆく事もなく、目線を上げれば虚しい日常が続いて、また絶望や孤独を感じて詩にぶつける無限ループに陥る人は、珍しくないと思います。

誰かの為に練り上げた言葉を、コメントしているその瞬間だけでなく、日常で明確に反映される言葉を書く事が出来れば、世界はもっと広くなるかも知れないですね。

この作品の感想をお寄せください。
No.2  SHIRIAI  評価:20点  ■2013-06-27 14:02  ID:gYbTEfdSPrU
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こんにちは。

まず、ラストでの題名の繰り返しはいらないと思う。

コメントの、
>日常で明確に反映される言葉を書く事が出来れば、世界はもっと広くなるかも知れない

詩は、日常に反映される必要は全くないと、潔く思った方がいい。
「この詩を読んで、元気付けられました」というのは、あいだみつおだけでたくさんです。そこを突き破ることが、「歌詞」よりも高みにある「詩」の世界に突入する条件のひとつだと思う。(極めて個人的な意見と思われても構いませんが。)

会話というより、詩世界の共感、語り手(作者とは別の意味)への感情移入ができる創作物は素晴らしい、と感じられれば、詩にどんどんはまるはず。

小説を読んでいて、読者が小説内の舞台を歩くことが出来れば、作者としては本望なのだと思う。そんな感じ。
No.1  逃げ腰  評価:50点  ■2013-06-27 11:51  ID:5.ETnUaDEi2
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おはy…もうこんにちは、でもいいかなw
大変自分にも心当たりがある詩です、いえあなたの言うネットワークのみで意味を持つ文章なのでしょう。他人のことを言っているし、自分のことも言及している一種のメタ‐ポエムですね。

ここでは救済はなくどんどん袋小路に陥っていく閉鎖性が感じられます。でも書き続けるしかない…なぜなら止めてしまったらそこで終わりだから。何が終わるかは人によって変わるかもしれません。より悪い精神状態になる人もいればむしろ外界にようやく出ていくことができる人もいるかもしれません。皆才能なんてないことも同時に批評できる教養もないこともわかってる(僕のことですw)、それでもなお確信犯的に走り続けているのですね。

仮想現実世界を現実世界と対立させているように思えます。もともとバーチャルとは現実を補完するために生まれてきているという考え方もあります。バーチャルアイドルしかり。もし、有益にこの仮想世界が有益に機能するとしたらどういう場合だと思いますか?という次の詩のテーマの提案です。


「日常で明確に反映される言葉を書く事が出来れば、」とありますが現実と仮想空間が対立だとして、どう救済されるべきかもしくは妥協を知っていくのかをメタ‐ポエムを通してひとつの解を提示してみてください。

素晴らしかったです。文句なし満点です。次回作期待しています。
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