アトモス
そらをゆくシャボンの泡は


ぱちん

という音すらたてず


静かに

いつのまにか

わたしの前からきえてしまう


うきあしだったうたかたのゆめ



それはとにかくかなしいが
死は限りなくはかないが

私は見たのだ


シャボンの中に囚われた
薄い
酷く希薄な原子の粒が
溢れたように
飛び出す時を


粉末のような泡の残滓に
新たに生まれ出たものを

私は
この目で
確かに見たのだ
カムサッカ
2012年09月27日(木) 20時56分45秒 公開
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