夜の抱擁
静寂が、月明かりを借りて現れる。
眩しすぎないように、雲がそっとカーテンをおろす。

空気が休んでいる。

遠くの喧騒も、木の葉の揺れる音も、全て闇夜に包まれてしまう。
うっすら浮かぶ、木々の黒い輪郭。
一歩踏み出すだけで崩れ落ちてしまいそうな、やさしい地面。
ぽっかり空いた真っ暗なポケットに、僕は飛び込む。

無口な夜が、静かに僕の髪を撫で、頬を撫で、肩を抱く。
このまま夜に抱かれて、眠ってしまいたい。
このまま静寂に身を寄せ、甘えていたい。

あとはほのかな口付けがあれば、僕は満たされるのであろうか。

遠くで見つめる街灯の明かりは、黒い沈黙を守るだけ。
星時雨
2011年09月27日(火) 03時32分31秒 公開
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初めまして、星時雨と申します。当サイト初投稿です。

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No.3  夕凪  評価:40点  ■2011-09-28 19:27  ID:qwuq6su/k/I
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これは、夜の詩らしひが 大分以前この詩版で こういうしっとりとして穏やかな、夜明けの散歩の作品を 思い出された。確か、郊外を犬を連れて街の方がほんのり朝焼けて明るくなりつつある夢のやうな静かで 古いメルヘン画を見るやうな詩だった。この詩もあの時の、セピア色の古い写真を眺める時の 時間が止まったやうな雰囲気に身を浸しているやうな気がする。
No.2  紅月 セイル  評価:20点  ■2011-09-27 23:01  ID:cJRtswkPPWI
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読ませていただきました。

小説の初めのような印象でした。
表現の一つ一つがとても好みです。
ただその言葉たちが行きつく先が無いというか……。
正直読んでもイメージしても流れていくだけのような気がします。
流れて消えるだけで留まらない。
私的には物足りないという感じでしょうか。
まぁ、かくいう私もそういう部分があるので「自分のことを棚にあげて何言ってんだ」なんですが。
折角、綺麗に流れるように読める文をお書きになられているのでそこが勿体無いと思います。
No.1  陽炎  評価:10点  ■2011-09-27 22:11  ID:dJ/dE12Tc8A
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初めまして、拝読しました

この詩には、作者さんの伝えたいこと
核となる部分がすっぽり抜け落ちてしまっているような気がしました
作者さんは一体何を伝えたくてこの作品を描かれたのでしょう
私の読みが浅いせいなのか
残念ながら伝わってくるものがありませんでした

静寂の中に飛び込みたいのは何故か
そこに甘んじていたいのは何ゆえなのか

そこらへんをもうちっと丁寧に
掘り下げて描いてあげると
もっと深みのある作品になるのではないかなと
私は思いました
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