彼女たちの生き方

不眠症のユウコは今夜も大量のクスリを飲んでは
ヘロヘロ状態

潔癖症のさなえは自分の周りが汚れているのには我慢できないくせに
もう1週間も頭を洗っていない

マユミは食べることを抑えられなくて
埋まらない淋しさを1万円の食糧に換えてみても
積もり積もった後悔のために 今日もトイレで吐き続けてる

みゆきは男に振られるたびに自殺未遂を繰り返す
生きてても意味がないのよとためらい傷だらけの左手首が自嘲ってる

虚言癖のエミリは いつでもお姫様気取りで
何人の男と付き合ってきたか
何人の男を振ってきたか 自慢げに話す
ホントは誰一人としてまともに付き合ったことなんてないくせに
 
買い物依存症のかずみは いつもイライラしていて
ブランドものに囲まれていないと安心できずにいる
プラダやエルメスに埋もれながら
膨れ上がる借金返済のため 夜のバイトを始めようかと検討中

クスリください
いますぐに眠れる強いクスリを
お酒をください
なにもかも忘れるくらいの
強いお酒を


生きてることが虚しくてたまらないのです
どうしようもないの
どこにいようと何をしていようと
誰といようともこの虚しさは消えてくれそうもないのです

苦しいよ しんどいよ
逃げ出せるものならすぐにでも逃げ出してしまいたいわ
やる気になれば通勤途中に電車に飛び込むことだってできるし
高層ビルは軒並み立ち並んでいるわけで
あそこから飛び降りてしまえばこの虚しさからも解放されるでしょうし
そんなめんどくさいことしなくたって
何にも食べないでいれば
栄養失調でそのうち餓死して死んでしまえるわ


かつて死ぬほど愛を欲していたことがありました
いつかきっとわかってくれる日がくることを
切に望んでいたこともありました
頭の片隅ではもうとっくに解っていたのに
自分が一番かわいそうだと思っている人に
いくらわかってほしいと願ったところで
暖簾に腕押し
糠に釘でしかないのに
バカね私
ホントバカにもほどがあるわ

愛情の欠片もない家の中
凍りつきそうなくらい冷え冷えとした家庭
そんな中にできた子供を
どうやって愛することができましょうか
私ならきっと無理だわ

憎しみしかない男の子供
私を産まなければ
私さえいなければ
すぐにでも自由になれたのに
いつも口癖のように云っていた
あなたの不幸は
私のせいなのですか
私がいたから あなたは不幸なのですか
いつでも逃げることはできたでしょうに
こんなお荷物を背負い込まされることが
そんなに嫌だったのですか


愛と名付ければなんでも盲目になってしまうものだもの
憎くて憎くて仕方がなくても
それは愛ゆえだといわれてしまえば
他に云う言葉なんて何もないじゃないですか
何も云えなくなってしまうじゃないですか

みんなずるいよ
ずるすぎるよ

形のないものに名前なんかつけるから
こんなにややこしくなってしまうのです

愛なんてそんなもの本当に存在するのかしら
私にはわからない 信じられない
しあわせ?
憧れではあるけれど
私には一番遠いところにあるもののように感じてしまう


ただ 生きてる実感がほしいだけなの
不安で不安で眠れない夜
セロクエル400ミリでヘロヘロになって
立ち上がることさえままならなくなってしまっても
嘘ばかりついてしまうのも
自分を傷つけることしかできないのも
自分を罰することでしか
生きてる実感がわかないのよ

どうして自分を罰しなきゃならないかって
そんなこと聞かれても私にだってわからないわ

だけど 存在を否定され続けてきた者にしか
この思いはきっと わからないかもしれないわね

別に理解してほしいなんて1ミクロンも考えちゃいないわ
解ったようなふりをされることも
変な同情をされるのもまっぴらだし
そんな簡単に誰も彼も理解できたら
もうとっくに平和になってるに決まってるわ

こんな私だって
世間の人たちが何を考えているのか
さっぱり解らないし
だから私には誰も責める権利なんてないのにね


どうか どうかお願いです
どうか云ってはくださいませんか
生きていてもいいんだってこと
生まれたことは間違いなんかじゃないんだってこと

     そうでもしてもらわないと
     お前なんかいらない必要ない
     生まれてこなければよかったのに
     誰もお前なんか必要となんてしていないのに
     いつまで生きてるんだ
     バカじゃないのか
     早く死んでしまえ
     死ねよバカ


そんな声が 頭から離れないの
消えてなくなってしまいたいの
どうしようもないの

こんな私は やっぱり普通じゃないんでしょうね
やっぱり狂ってるってことになるんでしょ

でもさ だけど
今そこで私を狂人扱いするあなただって
人には云わないだけで
不安で不安でどうしようもない夜や
淋しさに押し潰されそうになる夜や
誰かの声を無性に聞きたい夜や
気分が滅入って滅入りすぎて
お酒でも飲まなきゃとてもじゃないけど
いられない夜がきっとあるでしょ

ひとり部屋の中でじっとしていると
余計なことばかり考えてしまう

眠れない夜 パソコンに向かって
「死にたい」と検索してみたり

分裂した精神は 今夜も散り散りのまま
どこにも着地することができずに
秒針の音ばかりを気にしている


午前2時25分
今夜も眠れそうにないわ

陽炎
2011年09月03日(土) 08時42分39秒 公開
■この作品の著作権は陽炎さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
9/4 大幅に改稿しました

心の平穏を取り戻すために引越しをしたはずなのに
生きてることが虚しくてつらくて押し潰されそうで

今回はホントに、なんの救いもない詩になってしまいましたが
それでも読んで頂けてうれしかったです

あとでちゃんと、おひとりおひとりに返事書きます
もう少し、時間をください

この作品の感想をお寄せください。
No.10  陽炎  評価:--点  ■2011-09-13 19:22  ID:dJ/dE12Tc8A
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☆三神五月香さんへ☆

なんて懐かしいお方からのメッセージでしょう!
お久しぶりです、お元気でしたか

あの頃詩板にいた人たちは
今頃どうしているのでしょうかね

相変わらず、生きることに不器用な陽炎です
だけど、あなたにまたお会いすることができたのだから
生きるってことを、まだまだ捨ててしまってはいけないなと
そんなことを思いました

ホントに感想いただけてうれしかったです
ありがとうございました
心より感謝
No.9  三神五月香  評価:30点  ■2011-09-12 18:20  ID:x4dPy6y2CSA
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言葉が心に突き刺さりますね。
切なくて呼吸かせき止められる感じがしました。
生きてください。
あなたは愛される価値のある人なのですから。
No.8  陽炎  評価:--点  ■2011-09-08 20:20  ID:dJ/dE12Tc8A
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☆ザイチさんへ☆

返事が大分遅くなってしまってごめんなさい
いつも本当にありがとうございます

そんなふうに云ってもらえるとうれしいけど
私、そんなに強くないよ
弱くてさ弱虫で
弱虫だから泣いてばっかで
いつも痛いよ辛いよ苦しいよって叫ぶしかなくて
でも、だからこうやって
今も息をしていられるのかもしれません

もっと強かったら
詩とか言葉とか
そんなまどろっこしいこと考えないで
とっくに死んでたかもしれないし

こうして詩を書くことは
想いを言葉に乗せることは
そうしなきゃいられなかったからで

ずっとこの想いを誰かに聞いてもらいたかったんだと思います
いや、話したかったんだと思う

だから、こうやって
私の想いを、言葉を読んでくださる方がいるということは
ホントに何と云っていいかわからないほど
ホントにホントにありがたいなあと
感謝してもしたりないくらい感謝しているのです

いつも本当にありがとう

あなたに出会えてよかったです
このサイトに出会えてよかったです

ありがとうです

またそのうちメールします

いろいろ話しましょう

ではまた

No.7  ザイチ  評価:0点  ■2011-09-06 00:36  ID:ov6RKaAr3rc
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みんなそれぞれに黒い火種を持っているもので、形さえ違えど、愛が足りないという渇望なのかもしれませんね。

陽炎さんの魂の叫びに、いつも身もよだつほど心揺さぶられています。
どうにかして生き残ろうとする、そんなに重いものを抱えても前進していこうとするエネルギーがどこから出てくるんだろうと・・
でもそうでもしないと生き続けるのなんて不可能ですよね。
産まれた場所は変えられないわけだし、それを恨めしく想っても、何も変わっちゃくれなんだから。
懸命に生きようとしている陽炎さんの言葉、パワーに、いつも圧倒させられながらも、励まされている自分がいます。
どうか生きてください。あなたは苦しんだ分、幸せになれる権利を持っている人だと思います。何度も言います。陽炎さんは悪くない、陽炎さんのせいじゃない、そのことで叫ぶことは、皆に希望と勇気を与える、そう思えて仕方ないのです。
カラフルなメールをいつもありがとうございます。
大事に返信を書いています。
書くことに失望せず、凛と生きている陽炎さんを応援したい。
また心こめて書きます。

相変わらず評価できない小生を、お許しいただければとおもっています。
長々とすみません。
美味しいものをたくさん食べて、可愛い服やおしゃれ楽しんでくださいね。
いつも見守り応援しています。
あなたは、もっと愛されるべき人です。
No.6  陽炎  評価:--点  ■2011-09-04 21:44  ID:dJ/dE12Tc8A
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☆FNOONさんへ☆

お久しぶりです
読んでくださいましてありがとうございます
こういう思いはきっと
個人的なものというより
誰にでも起こりうることなのかもしれないですね

そこを拾い上げていただけたのはよかったです

ただ、たしかにそうですね
今回はとにかく
ひたすら苦しい苦しい云い続けてますね
それでも記述に堕ちない描き方を
習得したいものです

ありがとうございました
心より感謝します


☆うんこ太郎さんへ☆

読んでくださいましてありがとうございます
嘘でもそういってもらえるとうれしいです
しかも3度も(^^)

ありがとうございました
心より感謝します


☆ゆうすけさんへ☆

いつもありがとうございます
ゆうすけさんが身内だったらよかったのになって
感想読みながら思ってしまいました
きっといろいろ相談にのってくれるんだろうなって
何が一番いいことなのか
一緒に考えてくれるんだろうなきっとって
そんなことを考えてしまいました

顔も声も本名も何にも知らない人でさえ
こんなにムキになってくれるのに

家族って一体なんなんでしょう

私には家族というものはなかったと
そう思ってこれからの人生、生きていこうと思います

最初からひとりだったと思えば
腹のたつこともきっと減っていくでしょうから

ヨーグルトにきなこっておいしいんですか
最近は毎日のようにお酒を飲んでます
赤ワインを一瓶(720ミリ)を空けてしまうこともしばしば
おつまみは漬物、チーズ、ソフト裂きイカですかね
お豆腐も食べますよ
朝と昼抜きで夜は酒とクスリって
お前の生活は大丈夫か!!って思っちゃいますよね

飲んでる薬が放っておいても太ってしまう
(ジプレキサ、セロクエル)薬なので
食べなくてちょうどよいのです
一時期は半年で10キロ以上も太ってしまったりしたので

食べなきゃ食べないでなんとかなるものですよ
そのほうが逆に調子がよかったりして
(こんな詩を書いておいて調子がいいもあったもんじゃないですが 汗)

いまは17日のエレカシの野音を楽しみに生きてます

いつも本当にありがとうございます
心より感謝します


☆はしずめまいさんへ☆

いつもありがとうございます
まいさんの詩のところでも書きましたが
バイトを始めた
まず動き出した自分を褒めてあげましょう
失敗するのは仕方がないですよ
人間恐怖も、そうすぐに克服できるものでもないし
私も毎日怖くて仕方がないですよ
古傷が痛む、解りますよ
私も昔、醤油の瓶を投げつけられてできた顔の傷が
未だもって痛むことがあります
傷自体はそれほど目立つものではありませんが
そのときに受けた心の傷とともに
いまでもズキズキすることがあります

わたしもまたまいさんにお会いしたいです
これからも書いていくと思うので
また読んでやってもらえるととてもうれしいです

ありがとうございます
心より感謝します


☆謝染はかなしさんへ☆

読んでくださいましてありがとうございます
こんな重くて暗いだけの詩を
最後まで読んでいただいただけで
十分ありがたいです

本当にありがとうございます
心より感謝します
No.5  謝染はかなし  評価:30点  ■2011-09-04 03:55  ID:TxVmKsAF.tE
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不眠症〜強いお酒を

までが神
No.4  はしずめ まい  評価:0点  ■2011-09-03 23:44  ID:4jK5Q7AefPo
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生きていれば、いいことあります。以前、そうおっしゃってくださいましたね。

いいこと。いま、私も模索しているさなかです。

恐れ多いとは思いますが、わたしはいつも貴女の傍らで共に歩んでいきたい。陽炎さんの詩を読むたび、そう強く思います。

最近、左手首が疼きます。生傷は何とかつくらずに済んでいるのに…。古傷が疼きます。始めたコンビニのバイトは失敗ばかりで、楽しんでやろうとしても叶わなくて、人が怖いという思いを克服したくて敢えて選んだのに、笑顔は出ないわ、些細なことでまごつくわで、バイトの日が怖くて怖くてしかたない。今日は失敗せずにできるか、そればかり。

それでも、今はなんとか使っていただいているし、それでも生きてます。

私情はさんですみません。内容に関してです。共感できる! わたしの半生に似たような、叫びが聞こえます。点数化、できなくてすみません。

またここで待っていますから、絶対に。だから、生きてください。
No.3  ゆうすけ  評価:50点  ■2011-09-03 11:23  ID:cAiMe27hMAw
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 冒頭に綴られた彼女達の生き方。誰が文句を言えようか。それぞれが、それぞれの場所で、今を必死に生きている。今を生きて、そして明日の朝日を浴びようと思うのならそれで充分に勇者だ。今まで生きてきた自分を、まずは褒めてやれ、労わってやれ、よくやったと慰めてやれ。誰も分かってくれなくても、自分は知っている。今ここにいる自分、過去は変わらないけど記憶は考え方で見え方が変わるはず。未来はこれから決める。
 憂いの荒波の中で、もがいているだけじゃ悔しいじゃないか。生きていてよかったと、このために生きてきたんだと、言いたいじゃないか。
 誰に憚ることなく胸を張って堂々と生きて行けばいいんだ。そこが無慈悲なる荒野であろうとも、どこかに必ず癒しの泉はあるんだ。前を向いて歩いて探そう。倒れるなら前のめり、傷を負うなら向こう傷、その痛みが生きている証だ。疲れたら座って休めばいい。時には振り返ってもいい。悲しみは貯めておかずに吐き出せばいい。
 
「日に新たなり 日に日に新たなり また日に新たなり」
 明日にはきっと違う自分がいる。なりたい自分がきっと待っているはず。

 久しぶりに陽炎さんの詩を読んで、ムキになって熱弁をふるってしまいました。私はずっとここで陽炎さんの詩を待っていますよ。

 お酒だけだと身体に悪いですよ。おつまみに大豆食品を食べましょうね。うどんにトロロとオクラと納豆と生卵をかけて、ぐちゃぐちゃに混ぜて食べるのがマイブーム。あと、ヨーグルトにキナコかけても美味しいですよ。こないだは、牛肉食べ放題のあとスタバでケーキという四十歳になっていきなりの暴食も完遂。肉に含まれるトリプトファンは糖分と一緒だと吸収されやすいのだ。これは脳内でセロトニンになるから、肉食べてデザートにスイーツってのは、気力回復コンボなのだ。とにかく、元気になってくださいね。

 詩の批評をすっかり忘れていた。私ごときに批評なんて立派なことはできませんし、毎度感じたこと、思ったことを書いているだけなんですけどね。
No.2  うんこ太郎  評価:30点  ■2011-09-03 10:51  ID:iIHEYcW9En.
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生きていてもいいんだよ、
生きていてもいいんだよ、
生きていてもいいんだよ、
大事なことなので三回言いました。
No.1  Fnoon  評価:30点  ■2011-09-03 09:47  ID:lyoIOi/aNj6
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自分も彼女たちの生き方・陽炎さん自身の生き方に当てはまるところが多々あるなと思いました。


今そこで私を狂人扱いするあなただって
人には云わないだけで
不安で不安でどうしようもない夜や
淋しさに押し潰されそうになる夜や
誰かの声を無性に聞きたい夜や
気分が滅入って滅入りすぎて
お酒でも飲まなきゃとてもじゃないけど
いられない夜がきっとあるでしょ
誓っていうわ
私は決して
決して狂ってなんかいないのよ

午前2時25分
今夜も眠れそうにないわ


葛藤の部分が個人的には、良かったです。苦悩の強さがにじみ出てると思いました。

<私は決して
<決して狂ってなんかいないのよ

ただ、苦しみの言葉をだらっと述べていくだけでは、記述に堕してしまう部分が途中途中ありました。
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