とんでおちた



とんで おちた


緑色の小さなカエルが 


とんで おちた


その小さな背中に雫をひとつ背負ったまま


とんで おちた


ゆらゆら揺れる 水面に浮かんだ蓮の葉っぱから 


とんで おちた


おちたカエルが 水面にちょこんと顔をだした

ゆらゆら ゆらゆら 揺れる蓮の葉っぱに のそのそ のそのそ 這い上がる

小さな背中に 雫をひとつ背負ったまま のそのそ のそのそ 這い上がる

じいっと水面をみる カエル

とぶのが好きなのか

それとも

おちるのが好きなのか

どちらにしてもつかれるだろうに 

だのにお前は とんで おちる




ならばさあ とべ


とんで 




おちろ



天祐
2011年04月09日(土) 03時15分52秒 公開
■この作品の著作権は天祐さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
旧作です。
旧友に頼まれましたので再投稿します。
お読みいただければ幸いです。

この作品の感想をお寄せください。
No.7  闇の吟遊詩人  評価:30点  ■2011-05-27 09:37  ID:6X8bzIOa1F6
PASS 編集 削除
「ひらがな表記」でいい雰囲気を出してますね。「宮沢賢治と草野心平を足して二で割った」ような感じです。
No.6  片桐秀和  評価:40点  ■2011-04-14 18:32  ID:n6zPrmhGsPg
PASS 編集 削除
読ませていただきました。
何度でも読める詩だなあという印象ですね。なんでだろう。教えてくださいw。
うーむ、押し付けがましくないから、でしょうかね。文を読んで、そこから思い描かれるイメージを味わう。こちらから寄って行けばいろんなことが考えられ、感じられて、そこに魅力を感じる、ということなのかな。
また時間を置いて読みたいと思える詩だなというのが僕の印象でした。

また書いてくださいw。
No.5  天祐  評価:--点  ■2011-04-13 22:50  ID:ArCJcwqQYRQ
PASS 編集 削除
皆様、お読みいただきありがとうございます。

詩に対する造詣はまったくございません。
見よう見まねの作品です。

詩らしきものを書いてみて実感したのは、その言葉選びの過酷さでした。
伝えたいことを伝えるために無駄をそぎ落として、言葉が持つ最大限の力を発揮させること。それに費やすエネルギーは小説を書くよりもずっと大きなものでした。

TCで詩を書かれる皆様、どうぞこれからも素晴らしい言葉を紡いでください。
皆様に敬意を抱きつつ、楽しみにしております。
No.4  謝染はかなし  評価:30点  ■2011-04-12 03:43  ID:D5FXfV4BiuM
PASS 編集 削除
西條八十っぽいね。
No.3  藤村  評価:40点  ■2011-04-11 05:42  ID:zL9OHB.uklU
PASS 編集 削除
拝読しました。また読むことができてうれしいです。
こんなふうに詩を書くのは、自分にはできないだろうなあ、と思って、息をのむばかりです。またこんなふうにして詩を書かれた人がいることに、息をのむばかりです。なんだか、ほんとうに、すごいなあ、と思って読みました。読みかえしてみて、なにか、途方もない感じがします。
ありがとうございました。
No.2  リトルボーイ  評価:40点  ■2011-04-10 11:04  ID:LARx5DgKgqI
PASS 編集 削除
こんにちは。

澄み切って凪いだ、けれど刀のように鋭い心を感じました。
明鏡止水。
このような間を描ききれる感性、素晴らしいです。
よい詩をありがとうごさいます。
No.1  旧友です。  評価:50点  ■2011-04-09 03:47  ID:lwmMT5ihsPM
PASS 編集 削除
おねだりした甲斐がありました。
前に投稿した分は、それこそ飛んじゃいましたからねぇ(笑)

改めて読み返して素晴らしいと思うのは、『秘密』と『毒』が少しも風化してないということ。
初めて読んだ時と変わらぬ清冽な印象は、今後も色褪せることはないのでしょう。

欲を言えば、当時を忠実に再現して、もっと行間あけてほしかったな。
でもでも、タイヘンおいしくいただきました。もぐもぐ。
総レス数 7  合計 230

お名前(必須)
E-Mail(任意)
メッセージ
評価(必須)       削除用パス    Cookie 



<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD   編集 削除