生きるために死ぬのだ
生きているのに
死ぬ詩《うた》を書いた

それは遺書に近く
カーテンの隙間から見える
青空のように
遠く
届かぬゆえに
美しいのだろうと
錯覚する

生きている今の身に
死は美しい

がしかし

いざ死を目前にしたならば
おそらくは
生がなんと美しかったかを知る


手を伸ばしても
ガラス窓の向こう
さらには途方もないキロメートルが
ボクと青空を分つように

生と死の向こう
意識という壁が
分つ距離は
メートルは超え
おそらくは
美しくさえあるのだ


そして距離を想う


美しき生を
全うするために
美しき死がある

生きる為に死ぬ
死ぬがゆえに生きる

同程度の
価値が
そこにはある

それゆえにボクは
生きているのに
死ぬ詩《うた》を書いた
史裕
2011年01月10日(月) 12時23分46秒 公開
■この作品の著作権は史裕さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
作者からのメッセージはありません。

この作品の感想をお寄せください。
No.1  ザイチ  評価:0点  ■2011-01-19 04:12  ID:8YA7Hr6Ij6Y
PASS 編集 削除
(評価をつけるのが苦手なので、感想だけ書かせてください)

「いざ死を目前にしたならば・・・」の連、とてもハッとさせられました。
死を美化して、生を美化して、どちらもギリギリのところがそんなふうに見えるのかもしれませんね。
『生きるために死ぬのだ』というタイトルに、とても胸を打たれました。
総レス数 1  合計 0点

お名前(必須)
E-Mail(任意)
メッセージ
評価(必須)       削除用パス    Cookie 



<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD   編集 削除