超殺し屋(序章)
 俺は殺し屋だ。
 然し「殺し屋」とは言うものの、依頼を受けて殺しをしている訳じゃ無い。
 俺が「こいつは世の中に害悪を齎すだけの屑だな」と感じた奴を殺している。兎に角世の中に災いを齎す人間を退治しているのに過ぎない。ある意味正義の味方だ。
 殺し方は至って簡単。
 ひと気の無い所にターゲットがいった時を見計らって、頭に銃をブッ放つ。
 マグナムサイズのダムダム弾で撃つので、今まで誰一人仕損じた事は無い。
 何度かヤクザや珍走団に囲まれた事もあったけど、この殺傷力のある銃のお蔭で今まで平気だった。尚、銃を向けられて生き延びた者は一人もいない。

 今日もあるターゲットに狙いを定めていた。
 まあ最低の男だ。
 不潔だわ低能だわお頭(つむ)も顔も性格も悪く、酒や薬で周りを破壊しまくり大暴れしまくって迷惑ばかりかけている。
 こんな奴は殺した方がこの世が華になる。
 そんな奴を今から殺そうと狙っていた。

 ターゲットが駅のトイレに入った…チャンス!
 誰もいなけりゃ後はターゲットに銃を向けて完!
 俺は急いでトイレに入る…ん…いな…い?
 ターゲットがトイレにいない!出入り口は一箇所だけ!トイレの何所にもいない!隠れるスペースなんざ何所にも無いのに!何故?何所に?変だ!変だ!俺は真っ青になった!おかしい!何かおかしい!言い様の無い不安が襲う!どうして…途端、後ろから肩を叩かれる…!

 「俺を探しているのか?」
 ターゲットだ!一体何所にいやがった!何所に隠れて?何故俺の後ろに?
 「その銃で俺を殺そうとしていたのか?」
 何でそんな事を!未だ銃は出してない!そんな事何故分かる!?
 「俺を誰だと思っていたんだ?」
 俺に迫るターゲット。袋の中の鼠を仕留めたと思いきや、仕留められたのは逆に俺の方だったのか?全く以って手も足も出ないとはこの事!汗が流れ僅かに体に震えが走る!
 「殺せるものなら殺してみろよ。撃てるものなら撃ってみろよ。いや、撃て。そうすれば分かる。お前が不思議がってた事が全て分かる。撃ってみろ」
 そんな事言われて<ハイ分かりました>と撃つ事なんざ出来る訳が無い。
 「お前が撃たなきゃ今から俺がお前を撃つぞ」
 何と…何と…ターゲットの右手には、俺が愛用するマグナムサイズのダムダム弾を撃つ銃と寸分違わないのが握られていた!どうしてそれが!?
 「どうした、撃たないのか?ならこっちから撃つか」
 ヤバイ…!と思った刹那!殺されるこらいならこっちから動いてやる!って考えが一瞬で出て来て、声をかけられて1秒も経たない間にこっちから銃をブッ放った!
 ドン!
 バアアン!
 ターゲットの頭は地面に落としたスイカの様に弾けた!
 はーっ…はーつ…流石に冷や汗が滲む…初めて殺した時以来だ、こんな感覚は…何!
 頭を吹き飛ばされた筈のターゲットが起きた!
 そんな、そんな…頭の無い体だけがこちらに迫る!右手にはさっきと変わらず銃が握られているぅ!ヤバイ!ヤバイ!殺されるのは勘弁だ!
 撃たれる前に撃つ!
 ドム!
 ターゲットの右手を吹き飛ばす!銃はトイレの隅に転がった。
 それでも俺に迫るターゲット!
 これ以上一緒にいるのは御免蒙(こうむ)る!俺は出口に走る!今回は逃げるに限るだ!…!!!!!!!そんな!!
 出口にはターゲットが立っていた!
 然し俺の後ろにはターゲットが頭と右手を吹き飛ばされて俺に近づいているのに!?何故?
 「不思議だろ?どうしてか分からないだろ?世の中はそんなモンだ。さあ、どうするかい?」
 話終えるのを待つ程気長じゃ無い!俺は前後ろのターゲット両方に銃を放ち、双方倒れた瞬間、トイレを出た!そして逃げた!走った!走った!

 どれだけ走ったか…一体アレは何なのか…いや、考えたく、もう、考えない、過ぎた事だ…あのターゲットが何者なのか?どうして銃で撃たれても平気なのか?トイレの何所に隠れていたのか?どうして二人いたのか?俺の銃と同じ銃持ってたのは何故か?疑問は尽きない。しかし、今はどうでもいい。あんな怖い事は二度と経験したく無い。今日は帰ろう…疲れたよ…

 家に帰った俺。
 流石に今日は参った。然し過ぎた事だ。もうあんな事は起こらない。そう、起こる訳が無い…!
 「銃を抜くのが早いな」
 部屋の中にあのターゲットがいた…!
 どうして…?

 続く・・・?
辛抱しんちゃん
2012年05月07日(月) 22時19分48秒 公開
■この作品の著作権は辛抱しんちゃんさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
この作品は冒頭部です。その後もあります。続きの部分で謎がとけるようになってます。あしからず。

この作品の感想をお寄せください。
No.2  HAL  評価:0点  ■2012-05-13 19:48  ID:I7piNPSwFys
PASS 編集 削除
 はじめまして。すみません、僭越ながら私からも、もうひとつ。

 現代板、およびファンタジー板にも作品を投稿されているようですが、こちらのサイトでは、一週間に一本までしか投稿してはならないルールになっています。トップページからリンクされている「利用規約」のところを、あらためてご確認いただければと思います。

 勢いがあって続きの気になる作品ではありますけれど、未完結の作品ということで、点数は入れておりません。白星様が書いておられる「完結ルール」というのもありますので、いったんこちらを削除されて、完結後に再投稿されるか、あるいはこの投稿ページを編集し、ラストまでを掲載されるのが望ましいかと思います。その際はあらためて読ませていただきますね。
No.1  白星奏夜  評価:20点  ■2012-05-08 19:36  ID:8eZ32nCHAgE
PASS 編集 削除
こんばんは、白星と申します。

テンポや、軽快な文体はおもしろかったです。ただ、本当に冒頭だけなので、ギャグなのか、シリアスものなのか判別が難しいですね。
余計な一言で恐縮ですが、基本、このサイトは連載はNGのはずなので、続きは別物として発表するしかない気がします。

拙い感想ですが、失礼しました。
総レス数 2  合計 20

お名前(必須)
E-Mail(任意)
メッセージ
評価(必須)       削除用パス    Cookie 



<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD   編集 削除