リバース
 ボク達はいつも一緒にいた。誰もが来るべき出発の時を待ち、その日の事を夢に描いていた。大いなる航海、そして聖なる出会いによってボク達の願いは成就される。誰に教わる事もなく、誰もがその夢を抱いている。先に旅立って行った先輩達は航海することすらできずに全滅してしまったという。ボク達もそうなのかな。そんなの嫌だな。いつもは無力なボク達、でも今日だけは特別な日。


 封筒の中には仲良く寄り添った笑顔が眩しい写真と、『私達結婚します。セイジ君も頑張って早く彼女作ってね!』と書かれた便せんが入っていた。愛しいランコ、ずっと好きだったのに。写真の中のボクがいるはずの場所には、親友だったマサユキがいた。悔しい、お似合いのカップルだと思ってしまうのが、また悔しい。
 今日はボクの誕生日、輝くべき二十代が終わる日だ。それなのにボクのすることといえば、部屋にこもってランコと愛し合う事を想像して、右手で自らを慰めることだけだ。あまりにもランコの事しか考えられないで、気が付けば他の女性と触れることもなく童貞のまま今日を迎えてしまった。
 ボクとマサユキとランコ、三人はいつも一緒だった。家が近所だったし、幼稚園も一緒だったし、小学校も中学校も高校さらに大学さえも。引っ込み思案で気が弱く、ともすれば苛められがちなボクを、いつだってランコとマサユキが守ってくれた。明るい笑顔のランコと、面倒見のいいマサユキが、ボクの心の支えだった。
 大学を出て就職してもいつものように三人集まって遊んでいた。ボクはずっと三人の関係が、このまま続くものだと思っていた。
そう、忘れもしないあの日、マサユキが二人だけで話したいという。いつになく緊張したマサユキは、真剣な眼差しで語り始めた。
「あのさ、俺、ランコの事がずっと好きだったんだ。幼馴染だけって関係だけじゃもう我慢できないんだ。俺、これから告白しようと思うんだよ」
 ボクは激しく動揺した。だってボクだってずっとランコを好きだったんだもん。でも言えなかった。マサユキとランコを奪い合う、そんな権利とか、ボクにあるわけないじゃないか。沈黙にたえられなくなって「いいんじゃないかな、応援するよ」と言ってしまったんだ。
「ありがとう、きっとそう言ってくれると思ったよ」
 そう言って去って行くマサユキの後ろ姿が目に焼き付いて消えない。今でも夢に見てうなされる。 
 思えばボクはいつもそうだった。肝心な所で譲ってしまい、結局損をして後悔ばかり。競走ではいつもビリだったし、何をやっても勝ったためしがない。
 一週間に渡る難産で母親を苦しめて、首がすわったのは六カ月を過ぎてから、寝返りできたのは八カ月、一歳にしてやっと座り、立つのは一歳半、なかなか喋らずに母親半鬱状態、幼稚園ではママがいないと泣き叫び、何度も母親の愚痴を聞いているうちに覚えてしまったボクの悲しい幼少時代。運動会の競技は全てビリ、全力でも遅いくせに、転んだ仲間を助けてしまっていつもビリ。パン食い競争なんか、皆にパンが行き渡るのを確認してやっとパンをかじったものだ。他人を押しのけるとか、自分さえよければいいとか、ボクにはできなかった。電車やバスではいつも立っていたし、仕事で成功しても手柄を人に譲ってしまったし、募金や献血だって欠かさなかった。
「お前って本当に優しいな」
「セイジ君の優しいところ、好きだな」
 そんなボクに、マサユキとランコだけは優しい言葉をかけてくれた。自分を失いそうになった時、彼らの言葉がボクを救ってくれたんだ。
――本当にこれでよかったんだろうか? ボクの生き方は、これで正解だったんだろうか? 競争を避けてなんでも人に譲ってしまう人生はダメだったんじゃないか? 写真の中の二人と、今の自分の境遇の差。あの時、せめてボクだって好きだと言えたら。ああ、できることならやり直したい。
「やり直したいか? その願い、本気だな」
 突如体の芯、丹田の下あたりから声が聞こえた。それはか細くて小さい声だけど、凛とした強い気迫が込められていた。ボクは何の気なしに答える。
「本気だよ、最初からやり直したいんだ」
「どこからやり直したいんだ?」
 ボクは半ば自棄になって答える「最初の最初からだ!」
「よかろう、後悔するなよ」


 ボク達はいつも一緒にいた。誰もが来るべき出発の時を待ち、その日の事を夢に描いていた。大いなる航海、そして聖なる出会いによってボク達の願いは成就される。誰に教わる事もなく、誰もがその夢を抱いている。先に旅立って行った先輩達は航海することすらできずに全滅してしまったという。それでも自分が成就すると信じて恐れない仲間達の中にあって、ボクはちょっと恐いのだった。
「なあ、きっと俺達はうまくいくよな」
 友の声が、消えてしまいそうなボクの勇気を保ってくれた。彼はすばしっこくて誰もが一目おく存在だ。
「そうよ、絶対うまくいくわよ。一緒に頑張ろうよ」
 明るい笑顔の彼女は、いつだって一番の前向き思考でボク達を励ましてくれる。この二人がボクの支えなんだ。
 その時は唐突に訪れた。激しい潮の流れを感じる、いよいよ出発の時だ。
 ボク達は激しい潮の流れに乗って先を急いだ。長いトンネルをくぐり、その先には大いなる航海があるはずだ。先に旅立った先輩達は皆、大いなる航海に到達することすら出来ずに虚しく死んでいったという。そこはとても素晴らしい場所なはずだ。数千万の仲間達は皆、そこに行くことを夢見て頑張ってきたんだ。きっと、必ず、行けるはずだ。
「やったぞ! 大いなる航海だ! さあ聖なる出会いを目指すぞ」
 友の声が聞こえてきた。ついに大いなる航海に出たんだ。ボク達は皆歓喜の叫びをあげて全力で前進した。
「苦しい! なんだ……熱い、体が溶けてしまう、なんだ、ここは?」
 仲間達の苦悶の声がいたるところから聞こえてきた。見渡せば、仲間達が溶けてしまっているではないか。ボクは恐怖のあまり進むのを躊躇ってしまった。
「何をやっているんだ! 一緒に行くぞ」
「そうよ! ここで立ち止まっていちゃだめよ」
 いつもの二人がボクの尻を押してくれた。そうだ、一緒に頑張ろう、ボクは気力を振り絞って進み始めた。
「苦しいよ、熱いよ、溶けちゃうよ!」
 ボクは何度も弱音を吐いた。でも、二人の仲間がそのたびに励ましてくれた。
 一体、どれくらい進んだろう? 数千万の仲間達はいつしか見えなくなり、今ではボク達三人だけになってしまった。ボクももう限界だ。鞭毛を動かすミトコンドリアの力も尽きた。
――あれ? ボクって精子? ちょっと待てよ、いくら最初からやり直すったってなにも精子からやり直そうなんて誰が願うかよ。受精できなきゃ生まれないじゃないかよ。それはそうだが、もう限界だ。
「しっかりしろ、俺に掴まれ」
「私達がついているわよ」
 先行していた仲間の二人がわざわざ引き返してボクを助けてくれた。なんていい奴なんだろう。
「あれだ! ついに見えたぞ! 大いなる出会いはもうすぐだ」
 見えた、あれこそが大いなる出会い、卵子だ。ボクは死に物狂いで泳ぎ、ついにその門をくぐった。やった! ついに大いなる出会いを成就したぞ。ボクは振り返って二人の仲間を探した、一緒に来ているはずだが。
 いた、彼等は門の外に立ち尽くしていた。既に溶け始めていて、死んでしまいそうだ。
「早く、早くこっちにおいでよ」ボクは必死になって叫んだ。
「だめだ、ゲートが閉じていて入れないよ。お前、よく頑張ったな。成就できてよかったよ」
「そうよ、あなたならきっとできると信じていたわ」
 二人の笑顔が眩しすぎる。ノロマなボクよりも、この二人の方が相応しかったんじゃないか。ボクは苦悩する。
「忘れないでくれ。お前は数千万の同胞の頂点であることを。虚しく散って逝った同胞の想いを背負っている事を。強く前向きに生きると、競争して勝利を掴むと誓ってくれ!」
 その言葉を最後に、二人は溶けて消えていった。
 そして……、今まで頑張ってきた尻尾が無くなり、DNAがほぐれて、受精して、着床した。
 これで生まれることが出来るぞ。この世に生を受けられる奇跡、ボクは激しい競争を勝ち抜いて生まれくるんだ。胎内では激しく胎動し、助産士が空中でキャッチするほどの超安産で生まれて、二か月で首がすわり、三か月で寝返りをうち、強く乳を飲み、大声で泣き叫んですくすく育った。幼稚園ではオモチャを取り合ってケンカしては何度も怒られて、小学校では泥だらけになって遊んで、そして運動会で活躍した。幼稚園で知り合った三人組とずっと仲良しのまま成長して、学校を卒業して、ある日親友のマサユキがボクに言うのだった。
「あのさ、俺、ランコの事がずっと好きだったんだ。幼馴染だけって関係だけじゃもう我慢できないんだ。俺、これから告白しようと思うんだよ」
 幼馴染のランコが好きなのはボクも一緒だ。大人しく譲る気はない。
「ボクもランコが好きなんだ。よし、正々堂々と競争しようじゃないか。負けても恨みっこなしだぞ」
「よしきた。俺とお前、ずっと競争してきたもんな。恋のライバルってのも悪くない」マサユキもやる気満々のようだ。それでこそ我が親友だ。
 その時、遠くから歩いてくるランコが見えた。ボクは全身にやる気が漲ってくるのを感じた。もう居ても立っても居られない気分だ。
「よーい、どん!」ボクは叫んで走りだした。「負けないぞ!」マサユキも追ってくる。
 全力疾走、全身の細胞が酸欠で苦しい、昔どこかでこんな事をやったような気がしてきた。そうだ、強く前向きに生きて、競争して勝利を掴むんだ。ランコはもう目の前だ。ボクは溢れかえる気持ちを、躊躇うことなく大声で叫んだ。
「ランコ! ボクと受精して着床しようぜ!」
 ランコは驚いた表情になり、思案し、そしてボクを見据えて叫び返す。
「変態! 精子脳はいやー」
 そして繰り出された掌が、ボクの顎を絶妙なタイミングと角度で迎撃する。見事に脳を揺さぶられたボクは、そのまま意識を失った。

「ねえ、いつまでぼんやりしてんのよ?」
 ランコの声でボクは我に返った。ボクの目の前にはランコの顔、額には汗が流れ、頬は薄紅色、濡れたその唇があまりにも可愛かったからボクは軽くキスをした。
「君の張り手で気を失った日の事を思い出していたんだよ。ははは、あれは効いたよ。凄い威力だった。でも嬉しいよ、こうして結ばれることができるんだから」
「最初は嫌だったわよ。でもあなたって何度振っても諦めないし、肉食獣みたいだし」
 今や二人の間を隔てるものは何一つない。肌と肌が直接触れ合い、粘膜と粘膜が激しくこすれ合い、感動の躍動が頂点に達してボクの種がランコの中にまかれた。
 今日はボクの三十歳の誕生日であり、二人の新婚初夜、何度振られても諦めなかったボクの勝利の日、なんて素敵な誕生日だろう。

 大いなる航海だ。ボク達は数千万の同胞とともに、聖なる出会いを目指す。大いなる航海は過酷な戦いだけど、ボク達はあきらめない。
ゆうすけ
2011年11月13日(日) 12時20分27秒 公開
■この作品の著作権はゆうすけさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
ギャグなどを投稿させていただいております。ゆうすけと申します。
仕事と家庭が多忙ですが、物書きだけは止めたくないです。真剣にバカな事を書いていきたいです。


11/20誤字修正 HAL様に感謝です

この作品の感想をお寄せください。
No.16  ゆうすけ  評価:0点  ■2011-12-16 10:14  ID:oTFI4ZinOLw
PASS 編集 削除
返信を書きにきました。ポメラを導入するも、好きな故事成語が変換できずにがっかりのゆうすけです。

豪壮なメインディッシュを作るシェフにはなれそうもないので、多少なりともインパクトがありながらノド越しのいい駄菓子のような話を作ろうと思っておりまして、驚いていただけたとか笑っていただけた、実に嬉しい感想です。
一見真面目そうだけど実は下品、そんなシモネタを今後も考えていく所存です。やっぱり好きなジャンルで書くのが楽しいですしね。
No.15  エンガワ  評価:30点  ■2011-12-12 19:33  ID:SED/FC6RMzg
PASS 編集 削除
うへぇ、展開が驚きの連続でした。
人生をやり直したい、とは誰もが描く願望なのでしょうが、最初の最初って、そこからとは。
暗くなりがちな話から、一気にぶっとんで来ますね。予想外でした。
序盤と対比的な第二の人生がテンポ良くて、有り得ないと思わせる隙間を与えることなく進み、爽快感すらありました。ここらへんでエンタメと割り切れる感じ。
冒頭も凄く意味深で、改めて読み直すとくだらなさもあって、いいっすね。
思わず、小さく含み笑いしました。
No.14  ゆうすけ  評価:0点  ■2011-12-01 09:29  ID:1SHiiT1PETY
PASS 編集 削除
返信を書きに来ました。SFホラミス板愛好家の多忙な暇人ゆうすけです。

笑っていただけた。(笑)×3 それで私は救われます。ギャグは笑えてなんぼですからね。受精しようぜ、このセリフがこの話のクライマックスですし、なんとかギャグとして成立していたかな。
前後のバランスと構成、やはり練り込みが足りなかったようです。いただいたご意見を参考にして書き直していこうと思います。実は、この板に投稿してある「防人達の挽歌」「痛みを知れ!」も以前投稿した時にいただいた批評をもとに何度も書き直したものなんですよね。
以前、シモネタを書いた時に途中で躊躇して書ききれなかったことがありまして「やるなら徹底的にやれ」ときつい批評を貰ったことがありまして、正々堂々と書こうと思ったものです。
No.13  星野田  評価:30点  ■2011-11-30 14:41  ID:ZTkblJXjeI6
PASS 編集 削除
拝読致しました。

 セイジくんはまだましも、ランコ……小学校の頃とか、男子にいじられて泣いてそうな名前ですね(笑)。「ボクと受精して着床しようぜ!」はトラウマえぐってそうだと、なんかそこがツボに入りました(笑)
 読んでいて、前半とリバースしたあとの後半部分のギャップが面白いですね。ただ、ギャグとするのならば、前半部分のに比べての退避である後半があっさりしているというか、もっとはちゃめちゃやってもいいのかなと思いました。やりすぎても冗長になってしまいそうなので、今のままでも丁度いいのかという思いもあるのですが。
 逆に、ギャグとか関係なく物語として考えると、なんでも人に譲っていた彼が肉食系になって「ひゃっほーい!勝ちとってやったぜ!」というふうになったとき、過去の(前世の?)に自分どういうことを感じるのか、とかあると締まりがいいのかなあと。なんていうか、これくらいの話だと、終わりが始まりとつながるように書かれていると物語の構成としてきれいなのかなと。「前は馬鹿だった。諦めないで戦いつづければいいのに」でも「前はまえで気に入っていた」でも何でもいいと思うのですけど。
 「先に旅立って行った先輩達は〜」のあたりとか、よく考えると下品なんですが(笑)、それをサラリと一見ふつうに書いているセンスとか素敵だなと感じました。よかったです
No.12  ゆうすけ  評価:0点  ■2011-11-24 18:30  ID:YcX9U6OXQFE
PASS 編集 削除
返信を書きに来ました。事務所のパソコンを私用に使用するゆうすけです。

身体の心配、ありがたくいただきます。やはり健康が一番、つい食べ過ぎるのを抑えるのが大変です。
得意分野、そういっていただけると照れます。この分野は大好きなので、書き始めるとイメージが湧きやすいんですよね。
さて本筋の問題点、優しくて譲り合い精神を否定してしまった結末、切ないですよね。これは今の私の精神状態を投影してしまっているのです。私自身、奪い合うとか競争とか苦手だったのですが、今の私は競争社会において容赦ない戦いに身を投じています。なればこそ、譲り合う優しさを肯定するべきだった。
深く読み込み、さらにアドバイスをいただけて感謝感激です。
No.11  ラトリー  評価:30点  ■2011-11-23 23:42  ID:x1xfMMn8lDg
PASS 編集 削除
 こんばんは。変にヒロイックな歌をイヤホンで聴きながら読んでたら、精子たちが主人公を生かすために犠牲になるあたりでじーんと来てしまいました……なんて個人的な事情ですが、ともかく感想など書いてみます。

 ゆうすけさんの得意分野ですね。この手のお話は紙でもネットでもなかなか見かけない(単に読書範囲が狭いだけ?)ので、毎度新鮮に楽しめます。おとながこどもに命を大切にせよと説く時、「この世界に生まれてこれただけでも奇跡なんだよ。だから生きて」とは言えても、「お前は何億もの精子との競争に勝って生まれてきたんだよ。だからこれからも勝て!」とは言わないですもんね。精子としての私たちの「すごさ」がアングラな場所で話題になることはあっても、実際にお話になってるのは珍しい気がします。そういう目のつけどころと、すっぱり割りきった展開・文体がマッチしてて、面白かったです。

 こういう物語で難しいなと思うのは、どの辺で終わらせるかという点ですね。「やり直せるぞ、ただし精子からな!」なサプライズ台詞オチで終わることなく、主人公が憧れの相手と結ばれてハッピーエンドになるところまで書いてあるので、彼の幸せはしっかり描かれてて、それ自体はよいことだと思うのです。一方で読む側としては、やり直され、なかったことにされてしまった「優しいセイジ君」が不憫に感じられて、そこのところの救済もあったりしないかなあと期待してしまう面があると思うんですね。
 個人的には、彼が人生に「勝利」した現在のラストからさらに筆を進めて、生まれてきた子供がかつての「優しいセイジ君」そっくりだったりすると、展開がさらに一変し、読む側としてもまた新しい見方ができて楽しみが広がるような気がします。自分の場合、物語の主人公に人としての「弱さ」が見出せるほうが王道っぽい気がして、より心に迫るものがあるのかもしれません。

 と、何やらまとまりのない感想ですが、今回はこの辺にて失礼します。年末は何かと忙しい時期ですが、お身体にお気をつけて。それでは。
No.10  ゆうすけ  評価:0点  ■2011-11-21 18:37  ID:1SHiiT1PETY
PASS 編集 削除
返信を書きに来ました。健康診断常時完璧のゆうすけです。

水樹様
まさに青春です。作中の主人公は三十路ですけど、心が熱ければ死ぬまで青春ですよね。ノリと勢いは大事だと思います。性春……言いえて妙、これぞ普遍のテーマ、避けては通れぬイバラと蜜の道。今後も書いて行こうと思います。

D坂様
突っ込んでいただいた……嬉しいです。読者が思わず突っ込みたくなる、そんな状況を書きたいと常々思っておりますので。
キレ味が微妙だったようですね。当初はミスリードを考えていたのですが、やはり構成は難しいです。いかに物語を効果的に伝えるか? 悩みますよね。何度も書き直しても、どうもしっくりとこなかったり。

皆様、下品といえば下品な私の作品を読んで下さり、さらに感想までいただけて感謝感激です。
No.9  D坂  評価:30点  ■2011-11-20 19:21  ID:JHxLnwO3OL6
PASS 編集 削除
拝読しました。
やり直すって精子からかい!と思わず突っ込み。
軽快なアイデアですね。
ここで終わってもいいショートショートだったと思いますが、短編にまで尺を伸ばしてメッセージ性を追加するのがゆうすけさん流ですね。
メッセージはなかなかよかったのですが、この尺の場合、ライバルとのひと勝負のシーンでもうひともりあげの工夫ががないとやや冗長になると思います。
No.8  水樹  評価:40点  ■2011-11-20 17:10  ID:r/5q0G/D.uk
PASS 編集 削除
ゆうすけ様、読ませていただきました。
ライバル、友情、性春ですね。ああ、青春ですね。
清々しい終わり方も素敵です。
No.7  ゆうすけ  評価:0点  ■2011-11-20 15:59  ID:DAvaaUkXOeE
PASS 編集 削除
返信を書きに来ました。インフルエンザの予防接種を受けてきたゆうすけです。

HAL様
助産士空中キャッチは、我が次男坊出生時にあった現実なんですよ。勢いよく射出された我が次男「ゆうが」の姿をイメージして書いたのです。
ギャグのつもりなので、笑っていただけて救われる思いです。
前半の気弱な部分、後半の攻撃的な部分、たしかに悲しいお話になってしまっていますね。謙譲の徳とか、一歩を留めて人の行くにあたえよみたいな、私の好きな古典にも反していますよね。人に譲りながらも自己肯定して幸せになる、みたいなハッピーエンドにできたらよかったかも。

お様
はい、おっしゃる通りの好きなテーマで書いておりますよ。人体大好きですからね。精子視点で書きたかったんですよね。利己的遺伝子、すなわち遺伝子が自己保存を優先するために個体の行動を制御する、このままだと虚しく放出されてしまう精子が超能力を発揮して主人公に……ってお話なわけです。ってここで説明してどうするって感じですが。
小さなコミュニティ……たしかに少人数感高めですよね。お互いの作風がお馴染みみたいな。
まったくもって練り込み不足でした。骨格から作り直したほうがいいかも。
No.6  お  評価:30点  ■2011-11-19 19:11  ID:E6J2.hBM/gE
PASS 編集 削除
どうもです。
おとくいの医療ユーモアですね。
まぁ、「おとくいの」ということがしれてしまっていることが良いのか悪いのか。
「大いなる航海」でネタが想像できたのは、そういったところもあったかもしれません。こういう感想はフェアではないかもしれませんが、小さなコミュニティだししょうがないすかねぇ。
内容は、流行の(?)新自由主義的な感じですかねぇ、競争第一みたいな。誰が言ったか知りませんが「後悔するなよ」というセリフが何やら浮いちゃってますが、どうなのだろう? オンリーワンでも、ベストワンでも良いんですが、やり直しを肯定するような話しはどうなのだろう? と思ったことも事実でして。
僕が言うのも何ですが、構成がいまいち練り切れていないのかな?という感じを受けました。
No.5  HAL  評価:30点  ■2011-11-19 15:01  ID:8leRkXyLGkY
PASS 編集 削除
 遅ればせながら拝読しました。

 笑ってしまいました。とくに「助産士が空中でキャッチするほどの超安産で生まれて」のところ。あと「よーい、どん!」も。競争って徒競走かよ!、みたいな(笑)
 競争に生き残って、ゲートをへだてた二人の友に見送られるくだりなどは、思わず胸が熱くなりました。

 既出のご意見と重複しますが、ラストは少し物足りなく思ったところもありました。「競争を避けてなんでも人に譲ってしまう人生はダメだったんじゃないか?」の答えが、「ダメだったんだよ」と結論されているように読めてしまうというか……。もちろん、競争は生き物の原理ではありますし、人には譲ってはならないときだってあると思うのですが、しかしそれでもやはり、前半に見られた主人公の気弱な優しさは、美点だと感じたんです。それが、人生をやり直した強気な主人公のハッピーエンドによって、全否定されてしまうような気がして、そこがちょっと、寂しいというか……

 あとは些事ながら、誤字かなというところをふたつほど見つけましたので、いちおう報告まで。
> パンが生き渡る
> せめてボクだった好きだと言えたら。

 好き勝手なことばかりいってしまいましたが、ともかく、楽しませていただきました。拙い感想、どうかご容赦くださいませ。
No.4  ゆうすけ  評価:0点  ■2011-11-17 17:59  ID:1SHiiT1PETY
PASS 編集 削除
返信を書きに来ました。織田家筆頭家老である猛将柴田勝家の末裔(親父が一人で勝手に主張)たるゆうすけです。

まさしく「僕と受精して着床しようぜ」このセリフがクライマックスでして、ギャグとして書いたのです。笑っていただいた、この感想で私は救われています。
中途半端にくっつけた要素によって、話の軸がぶれてしまっているようです。本筋を突きつめて、他の要素とのバランスを調整するべきでした。
思ったことをそのまま感想として書いていただけると、それで充分参考になりますよ。私も普通に感想しか書けませんし。時間があればなるべくたくさん感想を書きたいのですけど、なかなか忙しくて来れないのが寂しいです。
さて、仕事が終わったら(今は事務所で仕事中)帰宅して、風呂掃除して子供を入浴させて、子供にオリジナル昔話でも聞かせようかな。どんなに多忙でも、ネタ探しはやめませんよ。
No.3  楠山歳幸  評価:30点  ■2011-11-15 23:18  ID:3.rK8dssdKA
PASS 編集 削除
 読ませていただきました。

 エッグゲッターというのを思い出しました。受精する精子は決まっていて、他の沢山の精子はそれを守るためにあるという説です。そういう観点から見ると消えていった擬人化された精子たちが切なく思えて来たのですが、作者様の意図とは外れているかも知れず、すみません。
 冒頭の気の弱い主人公の描写が良かったです。決して優しくは無かったのですが、自分も共感する所がありました。消えていった仲間の意志を継いだ、生まれ変わった主人公の描写も良かったです。
 >ボクと受精して着床しようぜ
 この言葉が生きているように感じました。
 >精子脳
 笑わせていただきました。

 欲を言えば、冒頭が良かったため、進むのを躊躇ったところで気の弱かった自分を思い出すか振り返る何かが欲しいと思いました。

 感想になってなくて申し訳ありません。
 失礼しました。
No.2  ゆうすけ  評価:0点  ■2011-11-15 11:29  ID:JKvnnKRNUoA
PASS 編集 削除
返信を書きに来ました。私の作品がTCにおいて浮いているんじゃないかと、いつも不安なゆうすけです。

精子からやり直す設定が、あまり意外性がなかったようですね。
精子には、受精すると男になる精子と女になる精子があるんですよ。男精子と女精子でして、男精子の方が軽い(遺伝情報が少ない)のでやや男の方が多く生まれるという意見もあります。
精子モードの話は、実はそれほど深く掘り下げておりませんでした。深読みしていただいて嬉しいやら恥かしいやらです。
陣屋さんの批評を読みまして、練り込み不足を強く感じました。自己肯定をもってハッピーエンドに繋げる、素晴らしいアイデア有難くいただきます。
貴重なご意見、ありがとうございます。

ひねくれ者ですか、私もですよ。偏屈街道一人旅などと嘯いてみたりとか。いかに意外性のある話を書くか、読者の意表をつくか、難しいですね。
No.1  陣家  評価:30点  ■2011-11-15 01:34  ID:1fwNzkM.QkM
PASS 編集 削除
拝読させていただきました。

こんな僕でも数億の中で一番になったことがあるんだぜ。
まだ精子だったころの話だけど。
って有名なコピペがありましたけど、そう考えると今の自分だってすでにその競争に勝ち抜いた幸運の結果で存在しているわけで。
そこから否定しちゃうところがちょっと説得力的に弱いかなあ、と思いました。
精虫の一匹が過去の自分(男の子)となってるんだけど、女の子っぽい仲間もいるんですね。
これってランコとは別に関係ない存在なのかな?
二人の精虫仲間と幼馴染をつなぐ何かがあったら分かりやすい感じになったかなあと思いました。
自分的には、精子からやり直したんじゃなくて、今の自分がオンリーワンなんだって事を教えるために過去の自分を二人が励ましに来たんだというお話にしてほしかったです。そしてあらためてマサユキとランコを心から祝福して、友情を確認できた、みたいな。

普通度診断クイズでは負けたことの無い一読者の感想でした。
(だからひねくれ者でいられるんですが)
失礼しました。
総レス数 16  合計 280

お名前(必須)
E-Mail(任意)
メッセージ
評価(必須)       削除用パス    Cookie 



<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD   編集 削除