屋根裏の会話
 僕の部屋の天井には、穴が開いていた。
 穴と言ってもその大きさはちょうど人差し指が通るほどの小さなもので、奥を覗いてみてもそこは真っ暗で何も見えない。
 その穴のことは僕が六年生に新旧した時、つまり兄が中学校へ入学し、僕たち兄弟に別々の部屋が与えられた時に気が付いた。それまで僕は、二段ベッドの下の段で寝ていて、上の段で寝ることの出来る兄が羨ましかった。兄は僕が上の段へ登ることを頑なに拒み、酷い時にはベッドに取り付けられた梯子を上っている最中の僕を突き飛ばして床へ落とした。昔のことだ。
 だけど別に仲が悪かったわけではない。喧嘩もたくさんしたけれど、それ以上に二人で笑いあっていた。
 兄は中学へ入ると、勉強を捗らせるためにと両親に新しい部屋を与えられた。その部屋は元々物置代わりに使っていた部屋だったけれど、父が簡易トイレを二つ並べたような物置を買って部屋の中を片付けたのだ。
 日頃から常々一人部屋が欲しいと嘆いていた僕は、しかし実際一人になると寂しかった。だけれど、僕の部屋には兄と共同で使っていた二段ベッドがそのままにして置いてあったので、それはつまり僕が遂に上の段で寝ることが出来るということで、それはそれで嬉しかった。
 今までずっと過ごしてきた場所とは言え、自分の部屋の天井を見上げることはあまりなかった。だからそれに気付いたのは、僕がベッドの上段に上がれたことがきっかけとなった。
 薄い茶色の天井に、ガムテープが張ってあるのを見つけた。ちょうどベッドに横になると、枕を置いた頭の真上に位置している所だ。テープの色も茶色だったのでわかり難かった。二枚のガムテープで、歪な十字が描かれていた。僕は漫画やアニメでよく見るばってん型の絆創膏を思い出した。天井が怪我をしているようにも見えた。
 良く見てみると、十字に張られた二枚のガムテープの交差点、真ん中の辺りに、小さなくぼみが出来ていた。指で突いてみると僅かに凹んだ。なんだろうかと不思議に思い、爪の先でテープの端を引っかいてから剥がしてみると、そこに穴が開いていた。周りには何か尖った物で天井を削ったような傷があり、その中心にポッカリと暗闇が覗いている。恐る恐る人差し指を突っ込んでみると、穴の向こう側にはひんやりとした空気が漂っていた。ペン型のライトを持ってきて奥を照らして見てみようと試みたけれど、穴の先をライトで照らすと、そのライトとライトを持つ僕の手が邪魔になって良く見えない。だからといって穴からライトを離すと、今度は十分に暗闇を照らすことが出来なかった。僕はあきらめた。
 兄に天井に開いた穴のことについて尋ねてみた。ピカピカの勉強机の上で中学校の宿題をしていた兄は、それは昔に自分がコンパスの針で開けた穴だと教えてくれた。別々の部屋になって以来、兄と話すことも極端に少なくなったので、そのやりとりはお互いに久しぶりの会話だった。
 しかし何故、天井に穴なんて開けたのか、その理由をいくら聞いてみても、兄はそっけなく「わからない」と「覚えていない」を繰り返すばかりだった。あまり長い間話をして勉強の邪魔をしたら母に怒られるので、僕はそれ以上は聞けなかった。
 今に座って夕方のテレビアニメを見ながら、台所に立って夕飯の支度をしている母に穴のことについて尋ねてみた。
 母は包丁を持った手を一旦止めて思い出すような仕草をしたあと、
「確か、屋根裏がうるさい、とか言ってたような。穴なんて開けてたのは知らなかったわ」
 と答えてくれた。ネズミでもいたのかしら。と、包丁をリズム良く動かしながら言った。
 母の言うように、もしも屋根裏にネズミが住んでいたとしたら嫌だな。と思った。だけれど、二段ベッドの上の段で寝ることは、僕にとって特別なことだった。念願だったのだ。だから別にそんなことは気にすることでもないと思った。なんなら、また穴を塞げばいいのだから。
「テーブルの上を片付けなさい。夕飯そろそろ出来るから」
 台所から母の声が響いてきた。
 テーブルの真ん中においてあるテレビのリモコンや新聞をどかしながら、居間に漂ってくる夕飯の匂いを嗅いで今日はカレーだと心を弾ませた。父がやってきて、テレビのリモコンを手に取ると勝手にニュース番組にチャンネルを変えた。見てるのに、と僕が言うと、ごめんごめんと父は謝りながらチャンネルを戻して、リモコンをテーブルの真ん中に置いた。折角どかしたのに。
 穴を塞ぐことは、すっかり忘れてしまっていた。

 新しいクラスにもすっかり慣れて、夏休みに入る頃には友達を家に招いて連日のように僕の部屋でゲームをして遊んだ。今までは兄が同じ部屋にいたので、友達を家に招待することは出来なかったのだ。母が僕と友達の分のジュースを丸いテーブルの上に並べながら「外で遊べば良いのに」と良く言っていた。暑いのは嫌いだ、と僕は扇風機の頭を無理やりこっちに向けた。
 八月も半分を過ぎたある日、仲の良い友達を一人、家に泊めることになった。ちょうど二段ベッドの下の段もそのままにしてあったのから、寝るときには都合が良かった。
 その日の夜。お風呂に入った後にどっちが上の段で寝るかでもめた。結局は母の提案でジャンケンをすることになり、僕が負けた。でも、僕は毎日のように上の段で寝ていたから、今日くらいは良いかと友達に快く勝ちを譲った。その日は久しぶりに下の段で寝た。まだ数ヶ月しか経っていなかったのに、なんだか少しだけ、懐かしい気分を味わった。

「本当に聞こえたんだって」
 次の日の朝、朝ごはんのパンを齧りながら、友達が奇妙なことを言っていた。屋根裏から、話し声が聞こえたと言うのだ。夜中、家の中の皆が寝静まった頃、友達は耳を澄まさないと聞き逃す程の小さな声を聞いたらしい。最初は僕の両親が居間で会話しているその声が聞こえてきているのかと思ったらしいけれど、それはどうやら天井の、あの小さな穴から聞こえてきたらしいのだ。
「幽霊かなんかいるんだよ、きっと」
 やせ細った体型に似合わず怖いもの知らずで度胸のある友達は、僕の顔を見ながら目を細めてそう言った。日頃から怖い話をして周りの皆を怖がらせるのが大好きだった友達は、その得意の話術で僕を怖がらせようとしたけれど、すっかり僕は彼の怪談話に慣れっこだった。友達は話の最後でいつも大声を出して皆を驚かせるのだ。そこだけ気をつければ怯えることもない。
 お昼ごはんを食べた時には、昨夜の夜更かしのせいですっかり眠たくなっていた。だから二人して夕方まで寝てしまった。五時の鐘が鳴ると友達は起き、持ってきた荷物をまとめると、暗くなる前にと寝ぼけ眼をこすりながら帰っていった。
 再び一人ぼっちになった部屋の中で、朝に彼が話していた話を思い出した。本当に話声なんて聞こえたんだろうか。ただのネズミの歩く足音じゃないだろうか。
 いろいろと考えてみたけれど、結局はその時も、僕を怖がらせようとした友達の作り話だろうという結論になった。
 夕飯を食べてお風呂に入り、夏休みの宿題である絵日記も書き終わるともう寝る時間になっていたが、昼寝をしたせいか眠気はちっともなくて、目はパッチリと開いていた。
 もう夏休みも残り僅かだから、また学校に通うために朝早くに起きれるようにしておかなくてはいけない。そう思い、僕は無理やり寝ようと布団を深く被って目を瞑った。
 そして話し声が聞こえたのは、深夜の二時を過ぎた頃だった。ちょうど眠たくなり始めていて、夢の中へと歩を進めている最中だった。
 最初は僕も、両親の会話する声かと思った。その声は、少なくとも二人分聞こえたからだ。だけどよく耳を傾けて聴いてみると、父と母の声とは違っていた。勿論兄の声でもない。別の、知らない誰かの声だった。そして友達の言った通り、その話し声は、あの天井に開いた小さな穴から聞こえてくるようだった。つまり、ベッドで仰向けになって寝ている僕の目の前から声が聞こえて来るわけである。
 声はなんとか聞き取れるけれど、会話の内容は聞き取ることが出来なかった。話し声が小さすぎるのだ。だけどコソコソとしているような感じはなかった。まるでラジオのボリュームを一番小さくして聞いているような、そんなもどかしさがあった。
 僕は被っていた布団を横にどけて、物音を立てないように、そーっと耳を天井の穴に近付けてみた。こうすれば、話し声も少しはまともに聞こえるのではないかと思ったのだ。
 天井はひんやりとしていて冷たかった。ほとんど直角に曲げた首がゴキゴキとなって痛かったけれど、我慢をして耳を天井にぴったりとつけた。
 穴の奥からは、声は聞こえなかった。ただ、風が通り抜ける音が響いて聞こえるだけだった。
 話し声はしなくなっていた。
 かわりに耳に何かが這入ってきた。
 喉の奥から小さい悲鳴を挙げながら、僕はベッドに倒れこんだ。心臓に冷たい水をかけられたかのように、体中がひやっと凍りついた。祭り太鼓のように忙しく暴れる鼓動を全身に感じながら、すぐ今まで耳をつけていた所を見ると、天井から真っ白な指が生えていた。

 窓から差し込む光で目が覚めた。いつの間にか、朝になっていたのだ。時計を見ると、まだ六時にもなっていない。早朝だった。僕はもう一度寝なおそうと横にあった布団を被りなおす途中で手をとめて、昨夜の出来事を思い出して天井を見上げた。だけどそこにはいつも通りに小さな穴が開いているだけで、白い指は生えていなかった。
 夢だったんだろうか。額に浮かんでいる汗を手でぬぐいながら考えた。夢だったんだろう。友達が言っていた話を、やっぱり無意識の内に怖がっていて、その怖がる僕の気持ちがあんな悪夢を呼び出したのだろう。僕は半ば無理やりにそう結論付けた。そうする他なかったのだ。
 だけどやっぱり天井に開いた穴を見ていると、突然真っ白で長い指が音もたてずに突き出てきそうだった。だから僕は穴を再びガムテープで塞ぎ、その日からはまた下の段で寝ることにした。天井にガムテープを張る時にちらっと穴を覗いてみたけれど、やっぱりそこは真っ黒に染まっていた。
 夕飯を食べながら家族にそのことを話しても、皆そろって夢なんだろうと笑って答えた。僕はそれを聞いて少しだけ安心した。だけれど、あんなに笑っている兄を見たのは初めてだった。無理をしているようにも見えた。
 それから何日か経って、僕は毎晩ビクビクしながら布団に入っていたけれど、あれからというもの、怖い夢も見なかったし、勿論話し声も聞こえなかった。

 だけどそれでおしまいではなかった。
 夏休みの最後の日、夜遅くまでかかって宿題を全て終えて、布団に潜ってさあ寝ようとした時だった。目を瞑っていた僕の耳に、あの話し声が聞こえきたのだ。携帯電話の着信音が部屋のどこかでなっているのかと思ったが、僕の携帯電話は枕の横に置いてある。だからそれは、あの知らない誰か達の声に他ならなかった。僕は反射的に耳を塞いだ。また夢だろうか、と必死に考えたけれど、両耳から手を離すと話し声はまだ聞こえてくる。恐る恐るベッドから顔を出して天井を見上げたけれど、ガムテープは変わらず同じ場所で穴を塞いでいた。そしてどうやら、その声は天井からではなく、別のどこかから聞こえてくるようだった。ベッドから体を出して耳を澄ますと、声の発信源はすぐに見つかった。どうやら知らない誰か達の話し声は、押入れの上の収納スペースから聞こえてきているようだった。外側に開くようにして取り付けてある横長の小さな戸の隙間から、声が漏れている。
 僕は悩みに悩んだ末に、扉を開けようと決心した。そうすることでなにがどうなってしまうのかはわからないけれど、このまま寝ることも出来ずに明日の朝を寝不足で迎えるわけにはいかなかった。まるで僕が寝ることを邪魔するかのようなその話し声に、少なからず怒りを感じてもいたのかもしれない。
 勉強机の側にあった椅子を押入れの前へと運び、その上に片足を載せる。恐怖と、怒りと、ほんの僅かな好奇心で心臓をバクバクと激しく鳴らしながら、僕は椅子の上に上がった。
 やっぱり、話し声は一人だけのものではない。二人か、もしかしたら三人くらいの話し声が、戸の奥から聞こえてくる。この中に居るのだ。心臓が爆発しそうだった。だけれど、このまま何もせずにいることは出来なかった。怖いけれど、怖いもの見たさというものもあった。
 もう一度改めて決心をして、取っ手に指をかけると、いままでずっと聞こえてきていた話し声がぴたりと止んだ。部屋の中を一瞬の静寂が満たした。
 気付かれたのだ。反射的に僕は手を引っ込めた。そして僕の耳にはっきりと声が聞こえた。
 きみもこっちにくるかい、と。
 すると、耳の奥を引っ掻くような音を立てながら戸が開き始めた。
 ぎぎぎ、ぎぎぎぎ……。
 目の前に真っ暗な闇が広がっていく。かび臭さが鼻に付いた。
 扉の置くから、あの日に見た白い指――白い手が音もなく伸びてきて僕の腕を掴んだ。
 抵抗する間もなく、僕は真っ暗な闇の奥へ引きずりこまれた。
しぐれ
2011年06月04日(土) 19時08分14秒 公開
■この作品の著作権はしぐれさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
 世にも奇妙な物語等のホラーな話が好きで、そんな理由で書いてみたものの、「怖い」と思わせることがどれほどに難しいことなのかを実感しました……。

 文章の各所だけに留まらず、ストーリー構成にすら未熟な点が目立ちますが、御指導御鞭撻のほど、よろしくお願い致します。

この作品の感想をお寄せください。
No.4  しぐれ  評価:--点  ■2011-06-09 19:14  ID:4XlrxbZ8Xgo
PASS 編集 削除
>凶さん

 はじめましてです。読んでいただきありがとうございました。
 文章の汚さが目について小説を書けない事もしばしばあったので、そこを褒めてもらえるのはとても嬉しいです。

 主人公の兄が屋根裏の住人の存在を知っていながら恐怖を感じず生活出来ていたのは、兄が彼らと友好関係に近いものをもっていたから。とプロットには書いてあります(汗)
 兄は幼い頃に彼らの存在を偶然にも知り、天井に穴を開けて会話することが出来ました。だけどその彼らとの会話も兄が成長するにつれ段々少なくなり。中学へ入学する頃にはガムテープで穴を完全に塞がれてしまいます。
 弟と兄の関係は、弟が思っている程良好なものではないんですね。だから兄は彼が穴について相談してきてもそっけない返事しかしませんでした。勉強もしないといけないですし。そして弟が兄が塞いだガムテープを剥がすと屋根裏の住人は大喜びです。久しぶりに兄が夜の会話に参加してくれるのかと。しかしそこにいたのは見知らぬ少年。彼らは様子を見るために弟さんには話しかけません。
 友人と弟が彼らの会話する声を聞くことができたのは、穴がガムテープで塞がれることなく開いていたのと、夜遅くの時間だったからです。
 弟が天井に耳を近付けたときに指を突っ込んだのは、最初に穴を見つけた時の彼の真似をしたんですね。驚く弟の様子を見て気を良くした彼らでしたが、またしても穴はガムテープで塞がれてしまいます。オイオイ待てよと言うことで今度は屋根裏から押入れの上に移って弟さんを会話へ誘うことにした。
 といった感じです。

 小説を書く者として、こんな長々と自分の作品について説明するのは自分の未熟さを叫び散らしているようなものですが、さらなる上達の為、恥を忍んで書かせてもらいました。
 これによって具体的な表現方法の改善などに関する意見が書きやすくなれば幸いです。

 頂いた感想とご意見は大変参考になりました。
 またの機会があれば、よろしくお願い致します。
No.3  凶  評価:40点  ■2011-06-09 14:30  ID:H5kn4nBA6qA
PASS 編集 削除

 はじめまして。読ませていただきました。

 文章がお上手でシーンごとに絵がパッと浮かびましたので最後まで読みやすかったです。

 少し気になるところは、兄は恐怖をがまんして生活できていたのは彼の精神力の強さがゆえのことだったのでしょうか。何か解決法や正体を知っているなら弟が胸倉を掴んで「知ってんだろあれ何なんだよ」と久々のケンカをしてほしかったです「知らないっつてんだろ、知らないほうがおまえのためなんだよっ」みたいな。兄がキーワードになってラストで活躍するのかとちょっと期待して読んでいましたが、何もなかったですね。

 けれども、魅力的な白い指を見させていただいて楽しかったです。

 
No.2  しぐれ  評価:--点  ■2011-06-08 20:04  ID:4XlrxbZ8Xgo
PASS 編集 削除
>白熊さん。

 まずは、読んでいただきありがとうございます。
 
 具体的な感想とご意見、大変勉強になります。お手間を取らせて書いていただいた多くのアイディア、インスピレーション的な意味でとても役に立ちます。まるで星新一さんのような世界観の設定にすこしばかり驚きました。
 確かに、改めて物語の全体を眺めてみると、どうも一々の事柄に脈略が薄いような、それであってオチもかなり弱い気がしました。書いてみたい欲求だけに身を任せて、構想も充分に練らぬ内に書き通してしまったのがそもそもの原因なのだろうと、納得することが出来ました。
 視点を持った人物の五感を奪う、というアイディアは特に恐怖を伝えるには絶好の演出でしょうね。

 具体的な例文を使ったご指導、まったくもって痛み入ります。
 またの機械がありましたら、よろしくお願い致しますね。
No.1  白熊  評価:10点  ■2011-06-08 18:16  ID:26VugPo02oQ
PASS 編集 削除
読了しましたので感想の方を。あ、ストーリーについて触れてるので読んで無い方はコレ読まないように。

ご自身で仰る通り、ホラーで「怖い」と思わせるのは本当に難しいですね。自分もまだまだよく分からなかったりします。
結論から言えば、「ちょっぴり怖かった」です。
なぜちょっぴりかと言えば、指が出てきて耳に入る、そのワンシーンだけが怖かったからです。
そしてラストシーンは不思議と怖いとは思えませんでした。また押入れというのがイマイチです。

なにが違うか、といいますと第一に「何が起きるか」という緊張をずっとさせていた点がひとつ。ラストは一度、緊張が解けていますから。
第二に「耳」という想像しやすく生理的に嫌悪を伴うような箇所へ入ってくる、という怖さです。
ところが、ラストは「引っ張られて消えるだけ」です。第一に掲げた緊張も解け、ネタも割れたところで弱い描写では怖くありません。

また緊張感は出ているのですが、全体的に冗長さが否めません。不必要な長さというか、削れるところは削っていいと思います。前半後半ともに退屈になりがちです。

改良するとすれば、「耳」から畳み掛けるように一気に押しかけるか、あるいは「耳」から何かが入り込み、異常をきたす・・・などですね。
前者ならば、耳に何か入り込み、そして聴覚が失われるもしくは耳を失う。普通の音が聞こえなくなったのに、天上を蠢く存在の音だけが聞こえる。逃げようとするが三半規管をやられて足が動かず、うまく声も出せない。天上の小さな穴から、得体の知れない何かがしゅるしゅると這い出してきて、無理やり穴へ引きずり込まれそうになる。しかし、穴は小さいため、主人公は連れ込まれずに助かり一命を取りとめますが、言葉は喋れず恐怖を伝えられません。
 主人公は病院に運ばれます。そして目が醒め、助かったことに安堵するのですが、その病院の天上にも小さな穴がありましたとさ。なんて感じでしょうか? スプラッタ方向ならば、小さな穴に“通れるように”無理やり骨削ぎ肉削ぎ引きずりこまれるか、もしくは切り刻まれて少しずつ足の指から徐々に上へ、上へと小さなブロックを運んでいくか。

 後者ならば、天上裏に潜む得体の知れない何かが主人公の中に入ってしまい、まぁそれが寄生虫だったりするという・・・。そんなところでしょうか。

 ……我ながら感想欄で述べるより小説を一本書いた方が早いような長文とアイディアですね、失礼。

 惜しいのは兄について活かせてない点でしょうか。兄が何かしらの異常や穴について知ってる素振りを見せても面白いかと。
 以上です。また機会がありましたらよろしくおねがいします。
総レス数 4  合計 50

お名前(必須)
E-Mail(任意)
メッセージ
評価(必須)       削除用パス    Cookie 



<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD   編集 削除