猟奇的な同窓会
俺の名前は吉村和彦、大学2年生で今はちょうど夏休み期間だ。
暇な時はよくネットの動画サイトで古いホラー映画の映像なんかを探したりしている。
特に80年代ごろのホラー映画は特殊メイクや特殊造形が飛躍的に進歩した時代ならではの怪物や残酷描写を楽しめる。
今は特殊メイクはCGに取って変わられようとしていて俺は納得がいかないと思っている。
ブラウザの中でチェーンソーを持った殺人鬼が浮ついた若者を追い回している。
そしてその横には「あなたにオススメの動画」というのが羅列してある。
普段、見ている動画からユーザーの趣味にあった動画を自動的にオススメする動画サイトのサービスなのだがホラー動画が多いためオススメされる動画もそっち方面が多い。
その陳列された動画の中で妙に気になるものを発見した。
「犬人間?何かこれ気持ち悪いな・・・」
犬人間とタイトルのついた動画には妙に不気味な雰囲気の犬の顔がアップで映されていた。
俺は、その犬の顔をクリックして動画を再生してみた。
年寄りの家のような渋い部屋の中に犬がいる。
顔の長い猟犬がハァハァと吐息をもらしながらこちらを見ている。
しかしその目はまるで何というのだろう・・・人間のようだ。
だが俺はすぐに気がついた。
それが犬のマスクを被った人間だということに。
犬人間の体が見えた。異様な巨体の男で体には柔らかそうだが大量の体毛がみっしりと生えていた。
犬人間はテーブルの上の皿に乗ったフライドチキンを芋虫のように太く短い指でつまむと口に入れクチャクチャと音を立てて食べた。
ただ犬のマスクを被った人間がチキンを食べているだけなのだがその様子がとても気持ち悪かった。だけどなぜか妙に興味をそろられた。
マスクの中の目はまるで感情がないような淀んでいた。
「おぅ〜ん、おぅ〜ん。わんわぉ〜ん」
野太い声で犬の鳴きまねをする男。
そして、特にオチもないままに動画は終わった。
俺は動画を投稿したユーザーの他の動画もチェックしてみた。
すると今度は「お人形遊び」という動画があった。
再生してみるとさっきと同じ部屋が映った。
だが、さっきの犬男も誰もいない。
しばらくすると画面に1人の大きな体の女性が現れた。
よく見るとさっきの犬男と同一人物のようだ。
顔には女性の顔をかたどったマスクを被っている。
そしてマスクにはケバケバしい化粧が施され頭には金髪のカツラを被っている。
ゴツい体に女性用の下着を身に着けている。
ベージュ色のブラジャーの間に縮れた胸毛が生えている。
女装した男は手に女の子の人形を持っていた。
男は部屋の中をのグルグルと円を描くように歩き回ったりしていた。
ときどき考え事をするかのように動きがピタリと止まった。
そして、しばらくすると画面の真ん前にやってきた。
そして手に持った人形にキスをした。
無表情なマスクの唇をこじあけて中から粘液にまみれた舌が出てきた。
そして人形をペロペロと嘗め回した。
何て気持ち悪い奴なんだ!!俺は不快感に軽い怒りさえ覚えた。
でもこうなったら、とことん見てやると次の動画も見た。
だが俺は後で後悔する事になった。
3個目の動画で男は口元の開いた黒いゴムのマスクを被っていた。
上半身は裸で下はゴムがよれよれになったブリーフを履いていた。
男は猫を抱いていた。
猫を優しい手つきで撫でながら男はニンマリと笑みを浮かべた。
だが急に男は猫を床に叩き付け足で踏みつけだした!!
フンギャアアアアアアアアアア!!!
凄まじい鳴き声がヘッドホン越しに聞こえた。
男は足の骨が折れてぐったりとした猫を抱き上げた。
そして牙をむき出し物凄い形相の猫の首の付け根を片方の手で掴むと何かを探し出した。
探していたのは工業用のドリルだった。
「やめろおおおおおおお!!!!」
俺は思わずパソコン画面の前で叫んだ。
男はドリルを猫の頭に押し当てた。
ドリルは猫の頭蓋骨を貫通して脳味噌をグチャグチャにかき回した。
真っ赤な血と脳味噌の破片が男の体に飛び散った。
男の体毛に血の水滴ができていた。
そして男は猫とドリルを床に置くと獣のように凄まじい勢いで画面の前まで走ってきた。
男は厚い唇から太い歯を除かせ猛獣のような声で吼えた。
「バウウウッ!!ガウッ!!ころ・・す。殺してやるウウウウウ!!!!」
男は画面から飛び出しそうなぐらいの迫力で叫んだ。
俺はあまりの恐ろしさに動画を消した。
だが本当の恐怖は別の所にもあった。
俺はなぜか、あの男を知っているような気がするのだ。
まったく知らない赤の他人なら、おかしな人間がいるもんだなですむだろう。
だが、もし知人に狂気を秘めた人物がいたとしたら・・・。
もっとも俺の思い出せる範囲ではあんなヤバい奴はいない。
おそらく気のせいだろう。

数日後、俺は夜中に腹が減ったので家からちょっと離れたコンビニに買い物に行っていた。
その頃にはもうあの動画の事も忘れていた。
道を歩きながら夜空の星を見ていたらなぜか昔の思い出が蘇ってきた。
俺は買い物帰りにちょっと遠回りだったが小学校時代の通学路を歩いて家まで帰る事にした。
そして突如、誰かの視線を感じた。
変な話なんだが背筋が寒くなるような邪悪な視線を感じたんだ。
俺が振り返ると二階建ての瓦屋根の家の二階の窓から妙なモノが顔をのぞかせていた。
そいつは人間ではなく豚の顔だった。
恐怖のあまり俺の体は踊っているようにガタガタと震えた。
自分では制御できない・・・体が痙攣を起したように震える。
だが豚の目は人間の目だった。
俺は例の動画の事を思い出した。
そいつは豚のマスクを被った人間だった。
体は例の動画の男のように凄く背が高く太っていた。
俺はふとある事を思い出した。
豚男が顔を出している家は俺の同級生の家だった。
小学校から中学まで一緒だった菰田巧の家だ。
菰田は俺の親友だった。
だった、なぜ過去形なのかって?
その友情は中学2年の時はとっくに壊れていた。
菰田が大きな体の割りに気が弱くて、よくいじめられていた。
小学校の時、俺はよく苛められている菰田を助けた。
菰田と俺は共通の趣味があった。それはホラー映画や怪奇漫画だ。
だが俺はあくまでファンタジーとしての怪奇や猟奇が好きだった。
だが菰田は違った。
奴の興味は残虐な行為のみだった。しかも、それは現実の虐待や暴力へと具現化していった。
虫の足を引きちぎったり魚の水槽に毒を入れて殺したりしていた。
俺は生き物が好きだったからそんな事をする菰田を咎めて喧嘩になった事もよくあった。
そのうち虐待は小動物から犬や猫へ向かう事になる。
それは、苛められてばかりだった菰田が反撃の始まりも予見していた。
中学に入ると菰田はある事件を起す。
同じクラスの女子生徒の笛を舐めている所を見つかり変態男として苛められる。
俺は自業自得だと思ったし菰田を軽蔑した。
そして俺は奴が苛められていても黙ってみていた。
むしろ下手にかばえば俺も変態の仲間だと言われるのも怖かった。
そして俺は奴と口を聞く事もなくなった。
そして中学2年に惨劇が起きた。
帰宅途中に鞄を取り上げられた菰田は地面に落ちていたコンクリートの塊を拾って、その同級生の頭にぶつけた。
塊は同級生の頭に命中した。同級生はその場に倒れた。
そして地面には真っ赤な血の湖ができていた。
俺は偶然、その現場を見てしまった。
しばらくは毎晩のように夢でその場面を見た。
菰田はその後、逮捕され医療少年院に送られたらしい。
そして出所後はずっと家に引きこもっていると俺は別の同級生から聞いた。
間違いなく豚面の男は菰田だ。
あの豚の仮面は本物の豚の頭をくり抜いて作ったものだろう。
なぜなら菰田の母は食堂を経営していて料理に使う肉は専属の肉屋から仕入れていた。
おそらく肉屋から豚の頭を入手したのだろう。
俺は中学時代のおぞましい事件を忘れるように高校に入ってからは髪の毛を染め派手なグループに入り遊びまくっていた。
そうしている内に中学時代の記憶はほとんど遠い過去のように感じられるようになった。
俺は足早に家へと帰っていった。
そして家中の雨戸と鍵を確認して家族にも遠まわしに注意を促した。

そして夏休みも中盤を迎えた頃、衝撃的なものを目撃した。
休み期間は毎朝、新聞をポストから取ってくるのが俺の仕事になっていた。
ある日、いつものようにポストの蓋を開けると何か禍々しい気配がした。
だが気がついた時には遅かった俺は無意識的に新聞を引き出していた。
「うっ・・・何だよコレ」
新聞の上には牙を向いて物凄い形相をした血まみれの猫の首が乗っかっていた。
頭には穴があいている。
俺はとっさに新聞を手放した。
ドサッ!!
新聞と一緒に首が地面に落ちた。
切断面を見ると血に染まった肉の中から真っ白な首の骨が顔を出していた。
「ひいいやああああ!!!!」
俺は自分でも誰の声かわからないぐらいの甲高い悲鳴を上げた。
後で両親や妹に心当たりはないか聴かれたが俺は知らないと答えた。
だが家族も菰田の事件を思い出していた。
その後、不気味な出来事が相次いだ。
家の前にネズミの死体などが置かれていたり夜中に荒い息だけが聞こえる不気味な電話がかかってきたり、犯人が菰田なのは分かっている。

そしてある日、俺は非常に不気味なモノを目にする事になる。
夜、自分の部屋のベッドの中で眠れずに目を開けていると部屋の窓の方から奇妙な音が聞こえてきた。
コツ、コツン
誰かが窓に小石か何かをぶつけているようだ。
俺の部屋は家の2階だ、下から力いっぱい投げているんだろうか・・・。
俺はおそるおそるカーテンを開けて窓の外を見てみた。
すると家の門の前に夏だというのに冬のような格好をしてパーカーのフードを被った人物がいた。
下を向いていて顔はよく見えない。
見たところ、おそらく二十歳ぐらいだという感じだった。
だが男がこちらを見上げた瞬間、俺は凍りついた。
何と男は俺に似ていた、というよりも瓜二つだったのだ。
だが体型はやや俺より細いような気がした。
自分と同じ顔をした人間が家の前にいるという不気味さは言葉では言い表せない。
これまでの猫の死体とかとはまったく異質の恐怖だった。
俺は布団の中に潜り早く朝が来る事を祈りながら眠りについた。

そして翌日、俺は大学の映画サークルの仲間たちと前から予定していた自主映画の撮影に参加した。
ゾンビが出てくるホラー映画だ。
俺は役者と脚本の両方をやる事になっている。
ゾンビがヒロインを追い回すシーンを撮影するために近所にある昼間でも暗い森の中に来ていた。
俺の役はそのゾンビだった。
部長兼監督の深見さんの知人だという特殊メイク担当の女性が俺の顔にメイクを施していた。
彼女は大学の学生ではないけど専門学校で特殊メイクの勉強をしていて監督がネットでメイクさんを募集したら応募してきたというのだ。
彼女の名前は黒井摩子、人形のように美しい女性だ。
色白の端正な顔立ちにスラリと伸びた長身でモデル並に背が高い。
男の俺と同じぐらいの身長だ。
「はい、できあがりました!どう、怖く仕上がったでしょ?」
メイクが終わると完成した顔を見せるために手鏡を俺の前に持ってきた。
俺は白目を向いて口から血を流す自分の顔を見て一瞬、ドキリとしたが本格的な仕上がりに満足した。
「ああ、よく出来てるよ。凄いな」
「本当?良かった。私、実は人に特殊メイクをするのって初めてだったから緊張しちゃった〜」
彼女が照れくさそうに言った。
「いや、すげえよ。プロとしか言いようがないって」
監督が笑顔で言った。
そして他のゾンビ役の役者もメイクで変身を終えた。
そして撮影が始まった。
俺はゾンビになりきって演技をした。
体をだらりと垂らしながら歩き、それでいて心は人肉に飢えた怪物の気持ちになりきった。
そして撮影は無事、終了した。
「おつかれー!!それではみんな解散」
「おつかれさまでしたー!!」
そしてサークルのメンバーがそれぞれ帰宅の準備をしていると例の彼女が近づいてきた。確か名前は黒井摩子さんだったな・・・。
「あの吉村さん、良かったら夕食を一緒に食べませんか?」
「えっ?」
俺は思わず照れてしまった。
女の子から食事に誘われるなんて始めての事だったからだ。
「吉村さんの演技を見ていて一緒に映画について語り合いたいなって思ったんです」
「そう?じゃあ・・・」
そして二人で電車で俺がいつも降りる駅を1つ越えた隣町にある和食屋さんに行った。
そこで天丼を食べながら映画についてや趣味などについて語り合った。
しかも、彼女の実家は俺の家の近くらしい。
だから途中まで一緒に帰宅した。
「それじゃあ。私の家はあっちの方だから・・・。また撮影で。今日はとっても楽しかったです」
「いや、俺の方こそ楽しかったよ。じゃあ、また」
そして帰宅方向が違う場所で別れた。
彼女はもしかして俺に気があるのだろうか?
俺は夏の星空を見ながら帰宅した。
家に帰ると、まだみんな寝る時間ではないのに窓に灯りはなく真っ暗だった。
俺はドアを開けて問いかけた。
「おーい、誰かいる?」
返事はなかった。
そして電気を付けても誰もいないようだった。
俺はとりあえず自分の部屋に向かった。
すると部屋の中からすすり泣くような声が聞こえてきた。
俺は冷や汗をかきながらも部屋のドアを開けた。
するとベッドの上に何かがいる。
俺の妹だった。
「何だ!俺の部屋で何やってるんだよ?」
「お兄ちゃん・・・助けて・・・」
妹は枯れた声で返事をした。
苦悶の表情でポロポロと涙を流していた。
妹がゴソゴソと動くと布団がベッドの下に落ちた。
そして現われた妹の体を見て俺は心臓が止まるかと思った。
何と妹の手足は包帯でグルグル巻きになっていて、しかも妙に手も足も短いのだ。
包帯には血がにじんでいた。
両手は肘の部分から両足は膝の部分から切断されていたのだ。
「うわっ・・・・宇和あああああああああああああああっ!!!!」
俺は叫んだ。大声で狂ったように叫ぶしかなかった。
ドガドガドガッ!!
後ろで何者かが走りよってきた。
俺が振り返ると、そこには黒い皮のマスクを被った巨漢がいた。
菰田だ。
菰田は手にハンマーのようなものを持っていた。
そいつで俺の頭を思い切り殴った。
俺は気絶した。

しばらくして意識が戻ると俺は両手を後ろに回され手錠をはめられていた。
そして足を伸ばして腰を下ろす形で部屋の机にもたれていた。
首には首輪がつけられている。
頭には重たい痛みがある、それに殴られた時の裂傷から血が流れてくる。
「お目覚めですか〜?ぐふふふふふっ!!」
菰田が俺を見下ろしながら笑っている。
「何で、こんな事を・・・何でだよ」
俺は怒りをこらえて菰田に問いかけた。
菰田は俺を睨みながら吼えた。
「何でだってよ?ハハハハッ!!お前は俺がいじめられてる時に見て見ぬふりしたじゃないか!!テメェはこんな豚野郎関係ありませんって面でクラスの糞ったれどもや先公の中に溶け込んでたじゃないか!!!」
菰田は太い足で俺の腹に蹴りをいれてきた。
ドゴォッ!!
俺は鈍い痛みに押され口から胃液を吐いてしまった。
菰田はベッドで寝ている手足のない妹に近づいていった。
そしてマスクのむき出しの口の部分から舌を出して妹の顔をベロリと舐めた。
「えひひひひっ!!この怯えた顔がたまんなくそそるぜ!!俺の!俺の加虐心をくすぐるぜ!!そうだ!本当の俺はサディストなんだ!!いじめられっ子のマゾ野郎なんかじゃねえ!!」
「やめろっ!!」
俺は叫んだ。
「ああん?プールの授業で俺が裸でベランダに出された時、お前は俺を笑ってみてたよな?あの時のやるせない気持ちをお前にも味あわせてやる」
「畜生!!やめろ!!妹に手を出すな糞ったれ!!」
俺は怒りを爆発させ絶叫した。
すると菰田はポケットからカッターナイフを取り出した。
そして俺の口を無理やり、開くいて舌を指で引っ張り出した。
そして舌をカッターナイフでジョリジョリと切り取ったのだ。
俺は激痛のあまり死にたいと思った。
口の中が鉄くさい血と唾液に満たされる。
そして菰田は最後には俺の舌を指でもぎ取った。
殺したい!!絶対に菰田を殺してやる!!
俺の心の中では怒りと憎しみがマグマのように渦巻いていた。
菰田は舌を失って喋る事もできなくなった俺の前に携帯用のビデオカメラを差し出した。
そこに映っているのは俺の父と母と妹の夕食の光景だ。
「お前がもっと早く帰ってればご両親は助かったかも知れない。妹さんだってこんな姿にはならなかったかもな?お前は黒井摩子という女に現を抜かして帰宅が遅くなった」
(なぜだ、なぜ黒井摩子を知っている?)
ビデオカメラの中の日常的な風景の中に異質なものが現われた。
皮のマスクの男、そう目の前にいる菰田が現われ父と母をハンマーで殴って殺したのだ。
割れた頭蓋骨や脳の破片、髪の毛や血、そして飛び出した目玉がテーブルの上に飛び散り、俺の両親は椅子に座ったまま動かない。
「実はなぁ・・・黒井摩子は俺の姉貴なんやな、グフフッ!!そんでお前を引き止めてもらうように頼んだんだよ。後、お前が帰宅した時に何でパパとママの死体が居間になかったかって?それは殺人現場専用の業者が処理してくれたんだよ。実は俺の親戚には凄い権力者がいてな、殺人でも何でもモミ消してくれるんや」
菰田が勝ち誇ったように言った。
そして今度はビデオカメラを部屋の本棚の上に置いた。
「ここからよう映るだろな。今からネットにアップするためのスナッフフィルムを撮影するで!俺はネットのおかげで変われた!!他人から馬鹿にされてきた俺が注目を集めている!!中には俺をヒーロー扱いする奴までいる。猫を殺しただけでだ!!だったら人間をやれば俺は凄いカリスマになれる!!」
俺は菰田が近づいた瞬間に腕に噛み付いた。
「いって!!離せ!!テメ殺すぞ!!」
俺は無我夢中で噛み付いて菰田の腕の肉を食いちぎった。
皮膚がはがれた部分からは生々しい脂肪と肉が除いている。
菰田は怒り狂って俺の顔をカッターナイフでメッタ刺しにした。
そして顔中、傷だらけとなり両目を抉り出された。
「お前は殺す。だけどなぁ〜妹さんは殺さないから安心しろ。たっぷり俺のペットとして可愛がってやるよ〜!!!グヘヘヘヘッ」
菰田の声が聞こえる。
もはや何も見えないし生きる気力もない。
だが痛みだけは相変わらず俺を苦しめる。
今度は腹に冷たいものが当たったと思ったらそのまま皮膚を切り裂かれた。
そして菰田は俺の腹から腸を引きずり出した。
「みなさん見てください!!これが人間の腸です!!」
おそらく菰田は取り出した腸をカメラの前で誇らしげに見せているのだろう。
人間って丈夫だよな・・・時に丈夫過ぎて普通なら死ぬだろって時にも死ねなかったりするんだな。
菰田は最後に俺の頭に何か重たい鉄の塊のようなものを叩きつけてきた。
そして、ようやく俺の意識は消えようとしている。
こんな状況になっては妹の事も家族の事も、復讐しようという気さえ起きない。
ただ望むのは苦痛から逃れ俺の意識が消える事だけだ。
だが、しばらくして痛みが消え意外に最後は楽に死ぬんだななんて思ってたら、不思議な事があるもんだよ。
痛みどころかすべての感覚が消えたんだ。
そして気がついたら俺はあの世でもこの世でもなくパソコンの画面の中にいたんだ。
そう奴の撮ったスナッフフィルムの中で監禁と拷問を受けて殺されるという事を延々と繰り返す事になったんだ。
だけど、なぜかネットの世界では全く痛みも苦しみも感じないんだ。
そして俺はそのうち考える事さえも止めた。








テルザ・オーケストラ
2015年07月19日(日) 03時53分07秒 公開
■この作品の著作権はテルザ・オーケストラさんにあります。無断転載は禁止です。
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No.2  テルザ・オーケストラ  評価:--点  ■2015-07-25 04:24  ID:M8xXETvcEEo
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ゆうすけさん、度々すいません^^;
字数が足りなくなると思い前後編にしようと思ってしまいました。
規約を見落としてしまい、お恥ずかしいです。
とりあえず一話完結の形に直しました。
No.1  ゆうすけ  評価:0点  ■2015-07-19 13:56  ID:7Ifq/xqLE0U
PASS 編集 削除
今更な気がしますけど、今一度規約を読んでくださいね。
投稿できるのは完結した作品であることと、投稿した数以上の感想を書かないといけませんよ。
すっかり寂れてしまってほとんど守られておりませんから空しい気もしますが、一応ルールがありますのでね。
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