5時間のキセキ
私の罪は消えない。



人を泣かせ



人を憎み




人を恨み




そして・・・・・



人を殺した。



消えることのない罪で




牢獄で生きていくしか




今の選択肢にない。




哀れでしかない私の存在





憎むしかない私の存在





嫌うしかない私の存在





殺すしかない私の存在




命はあと【5時間】




タイムリミット残り5時間の中





私に逢いに来た変わり者…。




そんな彼が導き出してくれた




ひとつの真実…。

時間/命01

【残り5時間の命です】



そう告げられて恐くはなかった。


ただ、安らぎができたのだと思った。



私は人を殺した。




だから今こうして牢獄に独りでいる。



私の罪は一生消えることはないのだ。



消えたら消えたで罰がある。



それを知ってるんだ。



「面会しに来ている者がいる」


え・・・・???




そう、連れてこられた個室、



婦人警官は個室から出た。




きっと私にはもう時間がないのだから自由にしろと言っているのだろう。



そして、ガラス越しに座っているのは…



「久しぶり。(名前)」



貴「誰…?」



知らない人がいた。


時間/命02

「俺は、白井駿。ひとつ上の先輩」

白井さん…?



私の覚えている限りの記憶には“白井駿”という人物はいない。
初めて聞く名前だろう。


貴「何故…私に逢いに来たんですか…。
私は、人を殺し…手を真っ赤に染めたんですよ…?
私は、要らない存在の人間なんですよ…?」


「辛いかも知れないけど…事件の事を・・・教えてほしい」


事件の事を…?


貴「マスコミにでも、記者にでもなるんですか…?」



「個人として…聞きたいんだ。


事件の事を…」

貴「わかりました…。」



そう、私が牢獄に入ることになったのは・・・・・




今から









2年前の











事なんだ。

時間/命03【_過去_】

“殺したい”



ただそれだけが胸の中にあった。




誰かを殺し自分も死にたい。




私は殺されたかった。





けど、自分からは死ねなかった…。




そんなときだった……。



「誰かッ…私を殺してッ…!!」



路地裏からひとつの悲鳴と思われる声が聞こえた。



築けばその声の方へと足を運んでいた。


ついた場所は薄暗い…



人気のない場所……。



ゾクゾクした。



すると、女性が倒れこんでいた。


貴「どうしたんですか?」


「殺してッ…私を殺してぇ!!」


嗚呼…



そんなに“殺して”なんて言わないでよ…


そう、言われたら…



殺したくなっちゃうじゃん…



私が押さえていた悪の気持ちが押さえられなくなり…



鞄から彫刻刀を出し、




女性を刺した。




「グハッ!!?」




((バタリッ))



気がつけば私の手は真っ赤で・・・



嗚呼…人を殺したんだ…。


殺してしまったんだ…。

時間/命04

「・・・・そっか」

築けば刑務所にいて



恨まれた。私が殺した女性の家族や親族、そして婚約者に・・・・


けれど彼女が苦しかったのは知っている。苦しそうな瞳をしていた。

貴「………私は、要らない存在の人間なんです。居場所も何処にもない。
独りぼっちな人間なんです」

「・・・・そっか」

築けば刑務所にいて



恨まれた。私が殺した女性の家族や親族、そして婚約者に・・・・


けれど彼女が苦しかったのは知っている。苦しそうな瞳をしていた。

貴「………私は、要らない存在の人間なんです。居場所も何処にもない。
独りぼっちな生き物なんです。」

私は、独りで生きて…
独りで死ぬ。
そうでなくちゃいけなかった…。

どんなに苦しくても…



「そんなことないよ」



白井さんの声が私の考えを停めた。
恐る恐る白井さんの瞳を見てみると…



真剣な顔をして、私を見ていた。



「俺、好きな女の子…いるんだ」



貴「そうなんですか…」



あれ…
白井さん…白井駿………
なんで?
知らないはず…知らないはずなのに…
この面影を見たことある。


でもいつ?


いや、つい最近でもあるし


昔…小さかった頃だ…。



「戸坂駿……」

私は、その名前に胸の心拍数があがった。
“戸坂駿”

それは、幼い頃…
一緒にいた男の子。
けど、なんで…それを白井さんが…ぼっちな生き物なんです。」

私は、独りで生きて…
独りで死ぬ。
そうでなくちゃいけなかった…。

どんなに苦しくても…



「そんなことないよ」



白井さんの声が私の考えを停めた。
恐る恐る白井さんの瞳を見てみると…



真剣な顔をして、私を見ていた。



「俺、好きな女の子…いるんだ」



貴「そうなんですか…」



あれ…
白井さん…白井駿………
なんで?
知らないはず…知らないはずなのに…
この面影を見たことある。


でもいつ?


いや、つい最近でもあるし


昔…小さかった頃だ…。



「戸坂駿……」

私は、その名前に胸の心拍数があがった。
“戸坂駿”

それは、幼い頃…
一緒にいた男の子。
けど、なんで…それを白井さんが…

時間/命05

貴「なぜッ・・・?


貴方が…駿を知って…!!?」



「“ずっと一緒にいようね。



離れても…





また逢おう。僕らならできるよ”



覚えてる…?(名前)」



胸が大きく跳ねた。



ドクン…ドクン…ドクン…と



このとき私は確信した…。



彼は、





私の大好きな











約束を交わした…





男の子…






“戸坂 駿”と






いうことに…。



貴「駿…?駿…なの?」



「そうだ…。俺は、戸坂駿だ…。



10年前の戸坂駿だ」



貴「でも苗字が…」



「父さんと母さん…離婚して母さんの方の苗字にしたから…」

貴「駿ッ…!!駿!!」



私の胸には罪悪感が混み上がってきた。



なぜ、彼がこんなにも近くにいたことに築かなかったのか…


それが悔しくて



人を殺しここにいることを後悔した…。



貴「ごめんッ…!!私ッ…私ッ…!!」



狂った時計は直された。




なぜ、人を殺したんだろう…





けれど、




タイムリミットは






止まることはなく





残り時間






わずか







【30分】

時間/命06

貴「ねぇ…駿…」



「………ん?」




私の目には涙が溢れていた…。



貴「生まれ変わったら…



貴方をッ…探していいですか?」



「俺も探すッ…お前を絶対に…見つけるからッ…!!」


貴「よかっ……た……」


枯れ果てた心に華を咲かせてくれた。



嗚呼…もう





私の時間は終わってしまう。




なんで苦しいんだろう…




「行かないでくれッ…(名前)…」



貴「ッ…」


「お前に死んでほしくないんだ…!!




なんでッ…なんでッ!!



死刑なんだよッ…





おかしいだろ!!」



貴「駿、もう遅いよ。




これは私の運命だから…」





「嫌だッ…!!もう!!




お前を失いたくないんだ!!




お前を…苦しめたく無いんだよっ…!!」



そして、時間がきた…。



「お前を…愛してるから…!!



逃げよう!!(名前)!!」



貴「駿ッ!!」


しかし、時は遅し…


「出てください」

貴「行きたく…無いなぁ…」

私はしぶしぶ席を立った。

せっかく見つけた光




たった5時間で消えてしまう…



そんなの苦しいよ…



「(名前)!!行かないでくれ!!(名前)!!」



ごめんね?駿…



貴「貴方をッ…好きでよかったッ…



サヨナラ」

((バタンッ))

「あ”……あぁ”…



うわぁぁぁぁあ”ああ”!!!!?



あぁぁぁ”ぁぁ”!!!!」



駿の泣き声が聞こえてきた…。


そして、私は・・・・・・・


エピローグ


「……来たよ…。(名前)」



あれから、3年の月日が経った。



もう、(名前)はこの世に存在しない。




俺以外誰も(名前)の死を悲しむものは少なかった。




今俺は(名前)の墓場にいる。



「俺も社会人だよ…。(名前)…」




きっとお前も生きていれば立派な社会人だよな…。




俺は今でも探し続けている。



(名前)は生まれ変わったと信じて




…………“愛してるよ。駿”…………



そんな声が何処からか聞こえ後ろを振り向いた。



だがただ風が舞い上がり



それが



俺の背中を押しているように思えた。



END
白兎
2014年11月15日(土) 17時18分57秒 公開
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No.1  山中 ルイ  評価:10点  ■2015-04-26 23:59  ID:mXYBTLK3wR6
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まず空行が多くて読みづらかったです。あと、この物語世界における死刑制度の特徴について、もう少し詳細に記述して欲しかったです。死刑囚が死刑執行を告げられたのちに誰かと面会することなど、今の日本の死刑制度では有り得ないことなので、この物語世界では有り得る話と言うならば、せめてその世界の死刑制度について詳細に記述しないと分かりづらいと思います。
総レス数 1  合計 10

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