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RSSフィード [94] 即興三語小説 ―今年もそろそろ終りが見えてきました
   
日時: 2012/11/11 22:26
名前: RYO ID:TzIMvZAY

ちょっと別作業中なので、今回はお休みで。

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●基本ルール
以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。

▲お題:「熊」「プリン」「眼帯」
▲縛り:なし
▲任意お題:なし

▲投稿締切:11/18(日)23:59まで 
▲文字数制限:6000字以内程度
▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません)

 しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。

●その他の注意事項
・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要)
・お題はそのままの形で本文中に使用してください。
・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。
・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。
・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。

●ミーティング
 毎週日曜日の21時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。
 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。

●旧・即興三語小説会場跡地
 http://novelspace.bbs.fc2.com/
 TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。

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○過去にあった縛り
・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など)
・舞台(季節、月面都市など)
・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど)
・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど)
・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど)
・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など)
・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など)

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 三語はいつでも飛び入り歓迎です。常連の方々も、初めましての方も、お気軽にご参加くださいませ!
 それでは今週も、楽しい執筆ライフを!

メンテ

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喫茶店の日常 ( No.1 )
   
日時: 2012/11/12 16:17
名前: マルメガネ ID:LyEdFyOk

 からん、と喫茶店のドアのベルが鳴る。
 入ってきたのは、顔なじみのテルだった。
 テルはプリンと紅茶を注文すると、店員のタツキを見る。
 彼がしている黒の眼帯に熊があしらわれていた。
「無地だったのにどうしたの?」
 たまらず彼女は彼に聞いてみた。
「ああ、これか。新調したらデコられたんだよ」
 ため息交じりに彼が答えた。
 それにテルが萌える。
「いいじゃん」
「無地のままでよかったのになぁ」
 呟くタツキ。
 がらんとした喫茶店に、陽気なジャズが流れ、その後も続々と常連客がやって来た。
 そして、彼らも彼女と同じような似たようなことをタツキに聞いていた。

メンテ
真夏の逃避行 ( No.2 )
   
日時: 2012/11/16 19:33
名前: サニー ID:653EnH3k

 僕は、今日初めて小学校をさぼった。
 うだるような暑さは、どこにいても一緒だった。それは、教室だろうがこの神社の境内だろうが変わることはない。だが蝉の声すら聞こえない程の静けさのせいかこの場所のほうがいささかましに思える。
 逃げ出してみて一つのことが分かった。毎日通っていた学校への道は、線路ではないということだ。脇道へ一歩踏み出せば簡単に脱線できたし停車駅すらない。
 登下校は、地域ごとに決められた班で行われて、僕の班は、6年の武田と同じ5年の鈴木、そして3年の石塚の4人だった。鈴木は、いいやつだけど武田は、大嫌いだった。
 一昨日だってそうだ。石塚がものもらいで眼帯をつけていることをひどく冷かして、ついには眼帯を取り上げて田んぼに投げ捨てた。石塚の半開きの右目が一瞬僕のほうを向いたがすぐに武田の太った体が間に入った。
「ほら見てみろよ。すげえな、紫がかっていてアケビみたいだ」
 僕は、アケビを見たことがないがもし彼のまぶたのような色なら食べたいと思わないだろう。
 僕が今日学校をさぼったのは、そんな武田に会いたくなかったからかもしれない。今日は、月に2度の給食にデザートがつく日だった。デザートの日に武田は、時々給食のデザートを自分に献上するように言う。
 給食の後の昼休みにあいつにデザートを持っていくと待ってましたと言わんばかりに食いつく。太った彼が食いつく姿は、言葉では表せない醜さを孕んでいて餌に群がる養豚場の豚ですら彼の前では、紳士淑女に思える。
 特に今日は、プリンの日だった。僕は、プリンが好きでいつも母親に買ってほしいとせがむが聞き入れてもらえることは、少ない。カラメルソースの苦さが好きだし、それを包み込むほどよい甘さも大好きだった。
 だがら僕は、今日小学校をさぼった。今にして思うと登下校の時に顔を合わせなければよかっただけだ。だけどもう12時は、過ぎてしまったと思う。空腹感と日の高さがそれを教えてくれる。
 神社の境内には、たくさんの木と木陰がたくさんある。だけどそんなものは、この夏の暑さと真昼の日差しの前では、役に立たない。木漏れ日ですら突き刺さるような熱をもっている。
 がさがさと物音が聞こえる。こんなとこで学校をさぼっている姿を見られたくなかったので隠れるよう様子をうかがった。
 どうやら山のほうから誰かが降りてきたらしい。あんなところから人は来ないのでなにか動物が降りてきたのかもしれない。
 山に動物は、たくさんいるらしいが僕が見るのは車に轢かれたタヌキやイタチの死体だとか猪に食べられた農作物くらいだった。初めて見る生きた山の動物がどんなものか興味がわいてきたので鳥居の陰に隠れて様子をうかがった。
 がさがさと音が近づいてくる。音は、どんどん大きくなりついに音の正体が知れた時には、真夏だというのに背筋が凍った。
「熊だ」
 叫びそうなる口を押さえつけながらささやいた。
 逃げなければ、食われてしまう。だが逃げ出したいのに足がどうしても動かない。熊は、獲物でも探すかのように周りを見渡している。どうやらまだこちらに気づいていないようだ。
 僕は、顔を出すことをやめて鳥居の裏に隠れた。鳥居の太さは、僕が隠れるのには十分なものだったが、熊の姿が見えないのはどうしようもなく怖かった。
 がさがさと音がする。音は、近づいているようにも遠ざかっているようにも聞こえる。足は、まだ動かない。
 音が聞こえなくなった。おそるおそる鳥居の陰から顔を出すと熊の姿は、見えない。どこかに隠れているのかもしれないとも思ったが走って逃げ出した。後ろからは、何も聞こえない。
 どうにかして家についくと母親が驚いた顔をして、「どうしたの」と聞いてきた。正直に答えるか迷ったが嘘をつくことにした。
「宿題忘れちゃった。昼休みの間に走れば間に合うかなって思って取りに来たの」
 なにもランドセルを背負わなくてもと母は、笑ったが納得したようだ。宿題を鞄に入れるふりをしてまた走って学校に向かった。
 遅刻の理由は、何にしようかと思ったが熊に会ったから遅刻しましたと言っても馬鹿にされるだけだろう。下校の時に武田と顔を会わせるのは、憂鬱だがもう脇の小道にぬける気は起きなかった。



71分で11分オーバーでした。
誤字脱字がきっとどこかにあると思います。

メンテ

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