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RSSフィード [50] 即興三語小説 -第115回- そろそろ何回目でも良くない?
   
日時: 2011/09/11 22:13
名前: RYO ID:DRQOVd3c

残暑が厳しいです。いつまで続くんですかね?
早く涼しくならないかなと思う今日この頃です。
秋はまだかー。

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●基本ルール
以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。

▲お題:「メイドの粗相」「秋津島」「九月の空」
▲縛り:「登場人物の誰かを笑わせる」ある日の午後の描写をする」(努力目標)
▲任意お題:「祈り」「ああ、紙が無ぇ」「青空」「正義の反対は、もう一つの正義」

▲投稿締切:9/18(日)23:59まで
▲文字数制限:6000字以内程度
▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません)

 しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。

●その他の注意事項
・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要)
・お題はそのままの形で本文中に使用してください。
・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。
・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。
・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。

●ミーティング
 毎週土曜日の22時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。
 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。

●旧・即興三語小説会場跡地
 http://novelspace.bbs.fc2.com/
 TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。

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○過去にあった縛り
・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など)
・舞台(季節、月面都市など)
・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど)
・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど)
・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど)
・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など)
・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など)

--------------------------------------------------------------------------------
 三語はいつでも飛び入り歓迎です。常連の方々も、初めましての方も、お気軽にご参加くださいませ!
 それでは今週も、楽しい執筆ライフを!

メンテ

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善人はなかなかいない ( No.1 )
   
日時: 2011/09/18 02:00
名前: ぢみへん ID:Apm6yEKw

「す、すみません」
 明恵は慌ててタオルを取り出し、こぼれた液体を拭き始めた。その目前には、ビール、ワイン、水、コーヒー、様々な液体を一身に浴びた男が椅子に座っている。彼と一緒に円卓を囲んでいた数人は驚きと失笑を隠しえない。
 男は言った。「友人達の前で食事の粗相をするとは、メイドの分際でどういうつもりなのかな?」この、壁際に座った客は見るからに怒っている。「恥をかきにこんなところまで来るなんて最悪の気分だよ」彼の肩越しに見える大きな窓から夕闇の迫った九月の空と秋葉原の雑踏が展望できた。
 親からでさえこんな屈辱的な叱責を受けたことはない。父の言うとおりだった――色を失った顔で明恵は思う。17歳にして人生最初のバイトは父の言うとおりコンビニにしておくべきだった、メイド喫茶は失敗だ。
そこへ円卓を囲む男達の一人が明恵の顔の前にタオルを差し出した。
「どうもすみません」明恵はぶち撒かれた水で台無しになったピザを片付け、もらったタオルで台上を拭こうとした。
「そうじゃない」タオルを渡した男が言う。「彼を拭けよ」
「えっ?」どぎまぎしている明恵を円卓上の他の男たちはニヤニヤして見ている。「でも…」
「もういい」びしょぬれの当人が口を挟んだ。「店長を呼んでくれ」

 数分後に店長がやってきた。「大変申し訳ありません」明恵はその隣で神妙にしている。
「店長」タオルで自分の顔や服を拭きながら被害者の男は言った。「秋津島に配達してくれ」
「いや、でも……その、まだ新人でして」
「いつかはやることだろ、え?」
「はい」
「じゃあ、そうして。いつものやつをね」
「いつものって?」
「……」
「あ、あの、少し場を和ませようと思いまして……すみません」
 ほどなくして男とその連れは出て行った。それを見計らうと店長はテーブルを片付けていた明恵のそばに寄って言った。「明恵クン、ちょっと配達お願い」

 20分後、アップルパイを持った明恵は高田馬場に向けて従業員控え室を出た。すれ違いざまにシフトに入ってきた20歳前半の女性が明恵を見て、少し驚いた顔をした。切れ長の目をした、顔立ちの整ったポニーテールの女性だった。
「新人さん?」
「はい」
「配達に行くんだ」
「ええ、店長に言われて……」メイド喫茶に配達なんてあるんですね、と明恵は話したかった。面接ではそんな仕事は聞いてないんだけど、みんなそうなんですか?
「気をつけてね」
「えっ」その切れ長の眼が何を言っているのか、明恵は直感で感じ取ろうとしたのかもしれない。でも、できなかった。
「何でもない。パイ潰さないようにね」

 十数分後、明恵と入れ替わりにポニーテールの女性がメイド姿で店に入り出勤を伝えた。店長に直接声をかけて出勤を伝えるのがこの店の決まりだ。
「優子、入ります」
「今日もお願いね」
「店長」
「ん?」
「あの子を配達に行かせたんですか?」
「あの子というと?」
「さっき控え室から出て行きましたよ、パイを持って」
「ああ……」その瞬間、店長の目がどことなしに泳いだ。「『秋津島』だ。あの子は何も知らない」
「彼女、未成年ですよ」
「分かってる」分かっている。エスコートには早すぎる年齢だ、それは分かっている。
 玄関でアラームが鳴った。新しい客のご到着だ。客への応対は店長の役目だった。「優子クン、じゃあまた後でね」

 入り口で店長を待っていたのは最近顔なじみの客だった。酒癖の悪いのが少し気になるが金払いが良いので多めに見ている。
「優子ちゃん、いる?」
「いますよ」
「どこに?」
「それは知りません」
「……」
あえて表情に出さない客を見て、店長は屈託の無い笑顔で話を続けた。「冗談ですよ、場を和ませようと思いましてね――」

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久しぶりに時間があったのでチャレンジしてみました。
構想と多少の推敲含めて3時間くらいですか。あまり深く考えず、イメージ先行で書きました。

メンテ
感想ーです ( No.2 )
   
日時: 2011/10/02 21:20
名前: 片桐 ID:BO2fx.UY

読ませてもらいましたー。
うーん、なんかあれですね。大人の策謀っていうか、危険なにおいのする展開でした。最後でもう一回ひっくり返すのかなと思っていたのですが、そうでもないようで、正直読後感はよくないものの、奇妙な後味があったも確か。
描写面ではもうちょっと頑張ってほしかったかな、と思いました。
簡単ですが、以上ですー。

メンテ
感想です ( No.3 )
   
日時: 2011/10/02 21:38
名前: HAL ID:SNeCouR.
参照: http://dabunnsouko.web.fc2.com/

 遅くなりましたが、拝読しました。

「ビール、ワイン、水、コーヒー、様々な~」で、「どんだけ豪快にコケたのw」とか笑いながら読んでいたら、思いのほか怖い展開でしたね。うわあ。メイド喫茶でホントにこんなことがあってたらイヤだなあ……。できればもうちょっと先まで読んでみたかったような、読むのが怖いような。

 個人的に、何気なく優子さんがオイシイキャラっぽくてとても気になります。

 それにしても、お題の組み合わせがなかなか難関でしたねw 「秋津島」ならば、はて歴史モノか、はたまた和風ファンタジーかと思いきや、セットで「メイドの粗相」が来るとなると、ご苦労されたかと思います。「これは思いつかないわ」と思って回れ右した身としては、敬意を表せざるを得ません。

 執筆お疲れ様でした!

メンテ

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