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RSSフィード [41] 電波の海を潜れ、『一時間三語』!
   
日時: 2011/08/05 00:53
名前: 弥田 ID:Vrnz9ThU

「もだえた」「断末魔」「なで肩」

 2時を目安に頑張りましょう。ましょう。

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材料人間たちの朝 ( No.1 )
   
日時: 2011/08/05 01:50
名前: 片桐秀和 ID:pO0i6JW6

 朝、家を出るまでの時間はいつだって忙しなく過ぎるもので、今日は今日としてやはり慌しく、僕はどうしても決まらない髪型にいらだっていた。そもそも。そもそも僕の髪は猫っ毛であって、柔らかいのであって、そして細く、ムースだのワックスだのをつけてむおむおと格闘しても、すぐに形が崩れてしまう。僕はだんだんだんだんと腹が立ってきて頭がクラクラ熱くもなってき、ついに髪を毟り始めることにした。
「こんなもの、こんなもの」
 僕が一人でぶつくさ言っているのを聞きつけた母は、僕の行為を観とめると、
「そんなことをしていたら遅刻するわよ。あきらちゃん」
 と言うのであった。
 あきらちゃんてなんだよ、ちゃんて。母は家にいるときだけならまだしも、友人と登下校中の僕と偶然ばったりするときも、あきらちゃんと呼びかけてくるので、僕はそれが困っている。なんどちゃんはやめておくれといっても、しかし母はいっこうにやめる気配がないどころか、あえてそうしている節が見て取れるのであった。この子はわたしのあきらちゃん。わたしのぼっちゃん。うふふ、といった風に。
 いい加減髪をむしる時間さえなくなり、僕は母が朝食に焼いた餅をひと齧りすると、行ってくる、といって玄関に向かった。
「忘れ物はないの?」
 母がエプロン姿で玄関まできていう。
「昼飯代」
 僕は答えて言う。
「昨日渡したじゃないの」
「ないものはないんだ」
 こうして朝のあわただしさの中で小遣いをせしめるというのは、僕がしばしば使う手であって、母としてもちまちま問答している時間はないことは承知しているはずで、しぶしぶ財布を紐を緩めた。
 僕は母から父の指を二本もらうと、玄関の扉をあけて、今日という一日を始めるのである。

 僕はバスに乗っている。学校まではバスで約二十分。自転車でいけない距離でもないのだが、そもそも朝に弱い僕であるから、バスの中でうつらうつらしながらなんとか頭を切り替えるというのが僕の習慣というものである。
 愛子さんだ!
 うつらうつらの僕の頭をいっぺんに醒ましてしまうのが愛子さんで、僕の初恋の女性だ。隣町の停留所で愛子さんがバスに乗り込んでくると、今日はなんとどういうことか! 愛子さんは僕の座席のまん前に腰を下ろしたのであった。愛子さんは美しい人である。いつもおめかししていて、今日は耳からかかとが生えていた。どこぞの不良とは違って、角質ばっていないつるんとしたかかとのなんと美しいことか。愛子さんは髪を結わえてちょんまげのようにして、それを口にくわえ、停留所まで急いで駆けてきたためであろう、フッフー、と息を切らしながら僕の目前の席に座っているのであった。
 湿気の多い五月末のことだから、愛子さんは汗もだらだらだらだらとたらしている。僕はそしらぬ風を装って、実は愛子さんのうなじばかりを見ていた。なで肩の曲線のうえにするんと延びた愛子さんの首筋は、微妙に曲がっていて、それがますます彼女の儚い美しさを際ださせている。
 ああ、ああ、と僕は思う。憧れと慕情をもって、ああ、ああと思う。見つめている。
 するとどうだろう。汗ばんだ愛子さんのうなじに溜まった汗が、つうとたれて、襟の中に消えた。
 僕はたまらず愛子さんの首に両手を伸ばし、きつく絞るように握り締めた。
「あががうがが」
 愛子さんは悶えているのか、断末魔の叫びなのか判然としない声をあげて、泡を吹いて絶命した。僕は自分がしたことに満足しながらも、朝のこんな時間にすることではなかったと、僕を見て笑い、あるいはまったくもうと呆れている周りの人々にぺこりと頭をさげると、おすそわけをせねばならぬと愛子さんの解体を始めた。
 指をプチンともぎり、鼻をぴちゃんともぎり、眼球をつるんとくりぬく。そうして、周りの人に配ってまわった。最終的に僕に残ったものといえば、愛子さんのかかとほどのものであったが、それはそれで僕としてうれしくほこらしく、感謝をこめて僕はそれを自分の耳にめり込ました。
 バスが学校の前でとまると、みなが降りだし、乗車代として、愛子さんの一部だったり、自分の指であったりを運転手に渡す。運転手は受け取って、それを大切に大きな袋に仕舞い込む。袋の中では各部があわさった新しい命が芽生えつつあって、もぞもぞと袋の皮を脈動させている。
 愛子さんが、誰かの一部が新しい命として生まれ変わっても、僕は愛子さんが初恋の人であったとだけは忘れないぞと改めて思い、財布から父の指を一本抜き出し、運転手に渡した。

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Re: 電波の海を潜れ、『一時間三語』! ( No.2 )
   
日時: 2011/08/05 01:56
名前: 昼野 ID:rFKH4md.

 もだえて、断末魔の悲鳴をあげて、下痢をした。
 白い便器のキャンバスを、茶色のラッカースプレーで吹き付けるように、下痢をした。
 ここ最近、下痢ばかりしてる。もう二度と固いウンコが出ないのではないかと思うと、恐怖感に駆られる。僕はかつて、固いウンコが出たとき、銀色のラッカースプレーで色を付けて、現代アートとしてネット上に流した事があった。評価は言うまでもなく、さんざんだった。罵倒されたわけではない、単にスルーされたのだった。
 僕はそれ以来、美術家になるという夢を捨てた。叶わない夢を見続けるのは苦痛なものだ。それからは、僕は惰性的な生活を送っている。なにも感じず、なにも考えない。仮に、固いウンコが出たとしても、ラッカースプレーで色をつけるような事を発想したりしないだろう。ナイフでもってウンコを割る、なんて事も考えない。僕は大人になったのだ。
 それでも何かサラリーマンになるのも、妙な抵抗を覚えて、ニートをしている。根無し草の宙ぶらり、だった。もしここに、と僕は思った。もしここに銃があったら、僕はためらいなく自分のこめかみに銃口を突きつけて引き金を引き、汚い脳漿を散らして自殺するだろう。
 しかし、残念ながら日本は銃社会ではない。だから僕は死んだ魚の目をして生きるほかない。
 セックスでもして憂さを晴らそうか。そう思って僕はデリヘル嬢を家へ呼んだ。デリヘル嬢は、手首に幾本ものリストカットの跡があった。輪ゴムを幾本も巻いたように、皮膚がひきつれている。
 デリヘル嬢は、家に入るなり「なで肩ですね」と言った。僕はそれを無視して、「本番をしないか」と聞いた。デリヘル嬢は虚ろな目をして「いいですよ」と言った。
 そうして僕たちはセックスをした。僕は射精したあと、また腹が痛くなり、トイレに駆け込んで下痢をした。
「下痢ですか。酷い音がしました」
「そうです、下痢です。さいきん下痢ばかりします」
「奇遇ですね。私もさいきん下痢ばかりです」
 デリヘル嬢はそう言ったあと、トイレ借りて良いですか、と聞いた。僕は良いですよと答えた。
 デリヘル嬢がトイレに行っている間、僕はなんとなくデリヘル嬢のバッグを覗いた。そこには一個の拳銃があった。
 酷い音が鳴った。下痢をしているのだろうと思った。その後、水を流す音がした。デリヘル嬢はトイレのドアを開けた。その瞬間、デリヘル嬢はぎょっとした顔をした。僕が彼女に拳銃を向けていたからだ。
「撃ってくれますか。私は死にたいのです」
 そう言ってデリヘル嬢は目を瞑った。
 僕は引き金を引いた。部屋の中に轟音が鳴って、デリヘル嬢は脳漿を霧のように散らせながら、その場にくずれ落ちた。
 そして僕も自分のこめかみに銃口を当てた。しかし、自分ではやはり撃てなかった。やがて部屋に警官が入ってきた。僕は彼に銃を向けると、警官は拳銃を抜いた。僕はその場で下痢を漏らした。警官は鼻をつまみながら発砲した。銃弾は僕の腹部を打ち抜いた。腸が破れたのか、血とともに下痢が溢れた。
「下痢臭いなあ」
 警官はそう言いながら死んだデリヘル嬢を死姦した。

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Re: 電波の海を潜れ、『一時間三語』! ( No.3 )
   
日時: 2011/08/05 01:57
名前: 弥田 ID:Vrnz9ThU

 なで肩がはかない曲線をえがいて、その上の白いうなじが見えた、から。ショートカットの揺れる少女が、ぼくのまえで解体されていく。下半身には串刺しされた無数の鉤。逆さに吊られて、笑顔の少女。血が昇って紅潮した顔は、宝石だとか、月だとか、林檎なんかを連想させて、とてもかわいい。しかし、それも数瞬のことで、爆ぜるように粉砕された腹部から、血だとか、臓物だとか、下痢なんかが垂れ落ちて、塗れて、あんなにも完璧だった少女のかたちが、断末魔よりも速く穢れていく。
「御身が苦しそうです。解き放ちましょうか」
 と、別の少女の声。うなずくと、ちいさな手が、慣れた手つきでチャックをおろしていく。空気にさらされて男根が冷たい。それもすぐに粘性の熱に覆われる。
 部屋いっぱいに赤い生命が充ちていた。無垢な少女は、教義のために喜んで散っていく。文字通り、散る。逆さに吊った少女を、万力をこめてバールで殴れば、この通り、ぱちんと爆ぜて、柔らかな肉をそこらじゅうに飛び散らせるのだった。濃霧のように漂う血しょうが、男の肌を、少女の肌を、……そしてぼくの肌を、濡らしていく。
「教祖さま、見とれているのですか」
 耳元で、声。ぼくの上にまたがる少女の。混じって、かすかに熱っぽい息。上下する腰から、くちゅぽん、と音が聞こえる。
「そうだね、この光景はとても美しい。これこそ、神に捧げるにたる壮麗だ」
 くすくす、と少女は笑う。顔をさらに近づけて、そっとささやく。
「嘘つき。ほんとは神様なんて、信じてないくせに」
 ぼくはなにも言わない。言えない。ただ微笑むだけだ。
「ねえ、教祖さま、きみもあんな風になりたいんでしょう。赤くて、穢らわしくて、綺麗で、あんな風になりたいんでしょう。でも誰もきみを殺してくれないから、殺してくれるほど好きじゃないから、だからああして誰もに好かれる、かわいくて愛らしい少女を殺していくんでしょう。あなたの代わりに!」
 ぼくはなにも言わない。言えない。ただ微笑むだけだ。
「いいよ。わたしが、きみのことを殺してあげる」
「……どうして?」
「きみのことが好きだから」
「どういう風に?」
「きみの望むままに」
「……キスをしてあげよう」
「いいよ」
 そうして、ぼくらはくちびるを重ねた。舌と舌を触れあわせて、ねばついた、したたり落ちるようなキスをした。しばらくずっとそうして、やがて離れると、少女の口から唾液がだらだらと零れていった。
「足りないよ」
 僕のものと少女のものとが混ざった唾液を呑みこんで、少女は言う。
「こんなものじゃ全然足りない。足りないの」
「愛情は赤色をしている」
「ねえ、きみのことが好きなんだよ。こんな言葉なんかじゃ、全然言い表せないくらい、好きなの」
「生命は赤色をしている」
「好き好き好き好きなの。ねえ、本当に分かってくれてるの? 好きなの。愛してるの」
「ぼくはぼくを祝福しよう。そして、きみを祝福しよう。われらの赤色に加護のあらんことを」
「でも、きみは誰だっていいんだよね。殺してくれれば、それで。それだけで」
 あはは、とぼくは笑う。少女が右手にナイフを握る。その刃先が弧を描いて、飛び散る血しょうもまた、アーチを描いて、少女が、笑って、

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