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|  Re: リライト企画 Vol.1 ( No.28 ) |  | 日時: 2011/02/20 16:18名前: 山田さん ID:lWKidpgM それでは僕もここまでの感想を。
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 HALさん「杞にしすぎた男」
 
 かなり力の入ったリライトだったように思います。
 細かいところの仕掛けにも丁寧に目配りがされているように思います。
 ストーリーを追いながら絵図がどんどんと浮かんできました。
 
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 HALさん「ひるがえる袖」
 
 こういう設定を持ってくるとは……ちょっとジェラシーを覚えちゃいました。
 もっともっと分量を加えることができる可能性をもったリライトですね。
 ちなみに……。
 「妹が尋常小学校の友達と行き会って」
 「当時、東京市が東京都へと名を変えてまもなくの頃」
 とありますが、東京市が東京都に変わったのが1943年。
 尋常小学校は1941年に国民学校に変わっているので、1943年にはもう存在していなかったんですね。
 実はこのあたりの時代に関しては、拙作「渦虫」を書くのにいろいろと調べた部分でもあったので、ちょっと気になったもので。
 なんて書いている僕自身も「渦虫」の中で尋常小学校を誤認して書いているんですね(きちんと調べたつもりだったのですが)。
 まぁ、何かの参考になればと思い、余計なこととは知りつつも書かせてもらいました。
 
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 水樹さん「歌と小人」その1
 
 「ここの世界の住人」の「ここの世界」が一体どこなのか。
 元の世界には戻れない、と言いつつも夜空には元の世界のように月が浮かんでいる。
 このラスト、いいなぁ……思わず盗みたくなります。
 
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 星野田さん「おーい」
 
 語り口がいいですね、こういう語り口の世界は大好きです。
 最後の「空を目指した小鬼はやがて~」からの文章が、ものすごく無常観を感じさせてすごくいいな、と思います。
 
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 星野田さん「あまりある言葉」
 
 ジェラシーですね、ジェラシー。
 もうこんなリライトをされたら僕なんかはジェラシーしか感じませんよ。
 一体どうすればこんな作品を書けるんだろう……。
 ということでこんな作品を書ける星野田さんのセンスにジェラシーです。
 
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 レイスさん「彼女は僕の傍で口ずさむ」
 
 祖母、両親、自分たち、そして生まれてきた子供、と親子4代の作品になっているんですね。
 これ、もっともっと書き込むことによってもっともっと内容の濃い作品になりそうな可能性がありますね。
 こういう設定もあったんだ、と今更ながらに自分の至らなさに痛感してます。
 
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 OZさん「ひるがえる袖」
 
 僕も女性視線としてリライトしたんですけど、この作品を読んじゃうと「全然ダメだったなぁ」と反省しきりです。
 ここに書かれている感覚って、なんとなくわかりそうで、それでもあやふやなようで、そんなとても印象的な世界だと思います。
 僕も「いまの私が暗がりにひそんで~」が妙に心に残りました。
 
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 HALさん「歌と小人」
 
 非常に現実的な葛藤から一気に現実離れした世界に持っていく手法は「なるほど」と思いました。
 「あぁ、歌うことを気持ちいいと、楽しいと思ったのは、いつ以来だっただろう」
 さて、この一文をどう読むか。
 これによってこのリライト作品が希望に満ちたものなのか、救いのないものなのか、二つに分かれるように思います。
 そしてあえてどちらに転ぶかを提示していないところが良かったように思います。
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