思い出

 雨男雨女が三人集まったにも関わらず、頭上に広がる木々の間からは木漏れ日が落ちていた。新緑のトンネルはまだ先が長く、土のスクリーンに単色の万華鏡のような模様を作り出している。道は少しずつ登っているようだ。
 私は並んで歩く二人の兄の一歩後ろを歩いていた。背の高い上の兄の背中も、体格のしっかりした下の兄の背中も、女の私から見ればどちらも頼りがいのある背中だった。
 もう一ヶ月早ければ新緑のトンネルは桜のトンネルだったに違いない。もしそうだったなら、私たち三人は何か会話を交わしながらこの道を歩いていただろうか。今聞こえているのは鳥のさえずりと木々のざわめきだけだった。
「よかったな。雨にならなくて」
 沈黙の時間を何とか追いやろうとしたのか、前を向いたまま上の兄が言葉をこぼした。さらに十数歩歩く間、沈黙の時間は居座った。
「子供の頃は、いつだって三人そろえば雨が降ってたよな」
 しばらくして、下の兄があまり良いとはいえないタイミングで上の兄の言葉に応えた。少しだけ上の兄の方に首を向けたため、色黒の下の兄の顔が後ろを歩く私にも見えた。本人もタイミングが悪いことに気がついたのか、頭をひとかきして照れくさそうな表情を見せた。しかし、上の兄は前を向いたまま、それに気づいた様子はなかった。
「覚えているか? 幼い頃、母さんが俺たち三人をピクニックに連れて行ってくれると言った日のことを」
 また、しばらくの時間をおいて、上の兄は思いきったように振り返った。その言葉は私に向けられていた。私がまだ幼稚園に通っているような昔の話だ。はっきりと思い出せない私は首を横に振った。
「母さんが俺たち三人を呼ぶときは、いつもの買い物と決まっていたよな。あのころの家族のお出かけと言えばいつでも買い物だったからな。でもその日、母さんは『明日は日曜日だからみんなでピクニックに行こう』と言ったんだ。俺が中学生になったばかりだったから、おまえはまだ幼稚園か。覚えていなくても当然だな。俺はそのとき生まれて初めて買い物以外のお出かけがあるって知ったんだ」
 皮肉を口にしながら上の兄はほほえんだ。その笑顔を見ながら、私はその出来事を徐々に思い出した。幼いながらもその出来事は、頭の片隅にしっかりと記憶されていたのだ。

 母はその話をする前から、もうピクニックの用意を調えていた。いつの間にそろえたのか、四人分の真新しいリュックサックまでそろっていた。
「後はお弁当を用意すれば準備完了だよ」
 その日の買い物は、それまでになかったほど楽しい買い物になった。幼かった私は過剰におやつをショッピングカートに詰め込んで、母を困らせた。兄たちも、お弁当に入れるはずもない高級牛肉をショッピングカートに入れて、母を困らせていた。母は怒ってばかりだったが、それでも三人とも始終笑顔が絶えなかった。
 私たちはすっかりいい気になって、母一人に大量の食材を持たせてはしゃぎながら家にたどり着いた。
「もお、困った子たちだねえ」
 母はすっかり暴走気味の私たちにうんざりしながらも、どこか楽しそうだった。その日、お弁当の下ごしらえをしていた母が、鼻歌を歌っていたことを私は覚えていた。
 次の日、珍しく母に起こされる前に目が覚めた私は、窓の外から水の滴る音を聞いた。確か昨日の天気予報では晴になっていたはずだった。
 部屋を出てキッチンに向かうと、すでに二人の兄が母を困らせていた。
「この雨じゃピクニックは無理だよ」
 母もさぞかし残念だったろうが、天気は変えようがなかった。下の兄は今にも泣き出しそうだった。
 私はしばらくその様子をじっと突っ立って見ていた。みんな私がその場にいることなど気づいていないようだった。
「水族館でお弁当食べたらいいよ」
 騒がしさを押しのけるような大きなその声は、私の口から出たものだった。そのとき、寝ぼけ眼の私の口からどうしてそんな言葉が出てきたのか、今となってはわからない。水族館に併設されたレストランで飲み物だけを注文して、テーブルの上にお弁当を並べて食べた記憶がある。さぞかし非常識な家族だと思われたことだろう。
 その後も何度か母の口からピクニックの話がでたが、必ず雨に予定を狂わされた。そのたびに私たちは水族館に出かけた。いつの間にか、「ピクニックに行こう」という母の言葉は、「水族館に行こう」に変わっていた。

「そのとき以来、母さんが俺たちを連れていってくれる場所と言えば、水族館が定番になったんだよ。あのとき晴れていれば、きっとピクニックが定番になっていたと思うんだ」
 上の兄が話し終わると、下の兄が「よく覚えているよ。あのときは母さんが雨女だと思っていたんだけどね」とにこやかに相づちを打った。私は言おうとした台詞を下の兄にとられて、兄たちと同じようにほほえんだだけだった。
 鳥のさえずりと私たちの声が静かな空間に響きわたっていた。道は登りから平坦になり、頭上には新緑に変わって青空の下を流れる真っ白な雲が時間の流れをゆったりとさせていた。前方には、山の斜面を覆い尽くす様々な墓石が見えてきた。カラスがその上空を気持ちよさそうに漂っていた。
「父さんが帰ってくるときも、必ず母さんと僕たちで駅まで迎えに行ったけど、やっぱりいつも雨だったよな」
 下の兄が新しい話題を持ち出した。父は滅多に家に帰ってこなかったが、盆と正月には必ず帰ってきていた。旅行会社の仕事をしていたらしいが、詳しい話は家族も知らなかった。誰もそのことに関しては父に聞かなかった。短い父との時間を仕事の話題で終わらせたくなかったのかもしれない。
 上の兄は大学を卒業して働き出した頃、家庭に帰ってこない父を批判していたことがあった。口を開けば父の悪口ばかりがついてでていたが、その年の年末、父が帰ってくる日にはやはり家族全員が駅まで出迎えに行った。その日も、いつものように雨が、雪混じりの冷たい雨が降っていた。

 私は、母の大きすぎる自転車をこいで、駅までの道のりを急いでいた。中学になったら自分の自転車を買ってくれると母は言っていたが、中学になった今も母の自転車が私の唯一の交通手段だった。友達の家を出たのは四時過ぎ。駅までは自転車で半時間ほどだ。父の乗った列車が到着する五時までには、余裕を持って間に合う計算だった。
 ジャンパーに付いているフードをかぶっているが、みぞれはむき出しの顔に突き刺さるようで痛かった。自転車のハンドルに取り付けられたハンドカバーがありがたかった。
 ほとんど外灯がない道で、あたりは暗かった。自転車のライトをつけるとペダルが重くなった。
「急いでるのに」
 と時間に余裕があるにもかかわらず、ついグチがでる。
「みんなもう着いてるかなあ」
 駅前に着いてみると、まだ半時間近く余裕があった。それなのに着いて早々かけられた言葉は、
「遅かったな」
 という下の兄の言葉だった。たくさんの外灯に灯された駅の周辺にはほかに人の姿はない。
「母さんたちは?」
 と私が自転車を駅舎の脇に止めながら聞くと、
「中でまた、やり合ってるよ」
 と両手をあげる仕草をした。
 駅舎の扉を開けると、列車の遅れを知らせるアナウンスと、母と上の兄が言い争っている声が聞こえてきた。
「やっぱり父さんは家族のことなんて何とも思っていないんだ。みんなが待っているっていうのに、まだ一時間以上も待たせるなんて」
「列車が遅れるのは父さんのせいじゃないでしょう? あんたはそうやって取り留めのないことで、いつも父さんを批判して……」
 列車が遅れていることと、上の兄さんの機嫌が悪いことが一瞬にして理解できた。でも、どうして上の兄さんは機嫌が悪いんだろう。そんなに父のことが嫌いならば出迎えになど来なければいいのに。
 やがて母と上の兄は口をつむんで待合いのイスに黙って座り込んだ。駅舎のアナウンスも一段落して駅舎内に静けさが立ちこめていた。古くなった駅舎は雨漏りを起こしていて、時々金属製のバケツに滴が落ちる音が響きわたった。
「本当は兄さんも父さんの帰りが待ち遠しいんだ。だから待たされると分かるとイライラするのさ」
 下の兄が私にだけ聞こえる声で耳打ちした。私が
「反抗期だね」
 と小さな声で答えると、二人でクスクス笑った。
 待合いのイスに横一列に座った私たち以外にだれもそこにはいなかった。みんな疲れたように黙り込んでいる。私が睡魔に襲われてウトウトしていると、母が缶ジュースをみんなに配って
「もうすぐ列車は着くからね」
 と根拠のない台詞をはいた。上の兄はまだ機嫌が悪いようで、缶ジュースをひったくり、乱暴にふたを取ると一口飲んだ。
「父さんが帰ってきたら、今回こそは母さんに苦労させるなと言ってやるんだ」
 もう母はなにも答えなかった。雨水のたまったバケツに滴が落ちて、まだ外では雨が降っていることを予想させた。
「雨、やまないね」
 私が誰に言うでもなくつぶやくと、
「父さんが帰ってくればやむよ」
 と母はまた根拠のない答えを返した。私が
「どうして?」
 と聞き返すと、
「この前父さんが帰ってきた時もそうだったでしょう」
 と母は答えた。そういえば父を迎えにいくときはいつも雨なのに、帰りはいつもやんでいる。
「父さんは晴男なんだ」
 と下の兄が母の言葉をフォローした。上の兄が一瞬笑みを浮かべたが、すぐに不機嫌な顔に戻っていた。
 それから五分ほどするとお詫びのアナウンスが待合いに響きわたり、列車の到着を告げた。改札からただ一人、父が手を振りながら出てくると、私たちは自然とこぼれた笑顔のまま駆け寄った。上の兄も笑顔だった。それ以後、上の兄が父を批判する発言をすることはなかった。
 家族五人が思い思いにどうでも良いような話をしながら歩いて家に向かった。私も自転車を手押しして歩いた。頭上には星が輝いていた。

 三人力を合わせて墓石を洗い流した。霊園が用意してくれているタワシはボロボロで、かえってゴミをつけているような感じでいやになったが、誰も投げ出さずに最後の汚れを落とすまで無言の作業が続いた。
 きれいになった墓に手を合わせて、下の兄が納骨室のふたを開く。上の兄が抱えていた木箱から骨壺を取り出した。
 強い風が私の髪をとかしていった。真っ白な雲が青空の下をめまぐるしく流れていく。遠くでカラスの鳴き声が聞こえた。そして、かすかに土のにおいが漂った。
 上の兄が大事そうに抱えた骨壺が少しずつ納骨室へと近づいていった。私は目頭が熱くなるのを感じた。

 母が亡くなったときも、やはり父はそばにはいなかった。父が病院に駆けつけたのは死後一日たってからのことだった。しかし、父を責める人はいなかった。突然の死だったのだ。
 父が霊安室で冷たくなった母の姿を見つめながら静かに涙を流している。私と二人の兄は、もう涙を流し尽くしてしまって、ただ真っ赤な目が残っているだけだと思っていたが、またその姿を見て涙を流した。
 父が酔いつぶれる姿をその日、生まれて初めて見た。通夜の線香番は自然と私たち三人の役目となった。棺桶の前で眠ってしまった父が母を何度も呼んでいる声が聞こえた。
 葬式が終わり、火葬場で骨格だけの変わり果てた母の姿を見ると、また目頭が熱くなった。熱気が変わり果てた母の体から立ち上っていた。父と私が最後に喉仏を箸で摘まみ、骨壺に納めると母の新しい体が出来上がった。父は黙ってしばらくの間、母を抱きしめていた。
 その日の夜、私たちは父の部屋に呼ばれた。しかし、父は深刻な顔で私たち三人を順番に見つめるだけで、なかなか話し出そうとはしなかった。
「父さんは今回、母さんに別れを言うために帰ってきたんじゃないんだ」
 唐突に話し出した父に、私たち三人は黙って耳を傾けた。
「父さんは、母さんにおまえたちを託すために帰ってきた。それなのに、途中のホテルで母さんの死を聞かされたときは天に向かって『馬鹿やろう!』って叫んでたよ」
 父の話が見えてこなかった。ただ、背筋がぞっとするような緊迫感が私を押さえつけてはなさなかった。
「いいか、父さんは明日病院に行く。おそらくもうこの家に帰ってくることはないだろう。これからは兄妹三人力を合わせて生きていくんだぞ」
 そういって父は上の兄に入院の手続きの話をした。聞いたこともないような病名が聞こえた。そして、あと半年ほどの命だと。
 翌日、父と上の兄は出かけていった。しかし父の予想は外れ、一週間ほどで家に帰ってくることになった。聞いたこともないような病気は、医者にもお手上げだったのだ。
 それから毎日、父は今までにもまして私たちと話した。そのほとんどが財産などの現実的な話だった。
 半年を迎えようとしていた。父はすっかり弱って寝たきりに近い状態だった。そのころになると、父の話は家族の思い出話ばかりになっていた。私たちが忘れてしまっているような小さなことでも父は覚えていた。こんな形で父の愛情を確認することになるとは思っていなかった。滅多に帰ってこなかった父の家族サービスはいつでも愛情あふれるものだったのだ。
 亡くなる一週間前になると、父の思い出話には家族四人の涙が色を添えた。その思い出話は、父が亡くなる直前まで続いた。

 上の兄が納骨室の入り口で骨壺を持つ腕の動きを止めた。それからスローモーションのようなゆっくりとした動きで骨壺を納骨室に納めた。三人とも、なにも話さなかった。
「お幸せに」
 兄の背後にいた私には良く聞き取れなかったが、上の兄の声は震えていたように思えた。
 冷たい風が吹いた。熱くなった私の目頭を冷やそうとしてくれているようだった。下の兄が無言で納骨室のふたの片端を持ち上げる。同時に上の兄が反対側の端を持って、二人して納骨室のふたを閉めた。
 とたんに雷の遠鳴りが聞こえたかと思うと、さっきまで青空が見えていた空から雨粒が舞い降りてきた。
 下の兄が空を仰ぎながら雨に濡れるがままにしている。目が赤かった。雨でごまかそうとしても泣いていることが丸わかりだった。
「おまえ、泣いているな?」
 上の兄が下の兄をからかったが、その上の兄の目も赤かった。そして、たぶん私の目も。
「これからは父さんが守ってくれないから、いつでも雨だね」
 私はニコッとしながら兄たちを見ていた。笑い泣きになっていたかもしれない。
 雨は本降りになった。傘もささずに私たちは舗装もされていない帰り道を、三人そろって歩いていった。
gokui
2013年07月05日(金) 20時22分10秒 公開
■この作品の著作権はgokuiさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
仕事の昼休みにちょっとずつ書いてみました。今回は前二作品とは違い、エンターテイメント性の少ない真っ向勝負の文学作品を書いてみました。
家族をテーマにしてみましたが、家族っていう物を感じてもらえましたか?
良いタイトルが思いつかずに無難なタイトルをつけています。これはもしかしたら修正するかもしれません。
批評しにくい作品かもしれませんが、皆さんよろしくお願いします。

この作品の感想をお寄せください。
No.10  gokui  評価:--点  ■2013-08-06 17:46  ID:SczqTa1aH02
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えんがわ さん

感想ありがとうございます。
> 天気や風が3人を包んでいて
> 人物が風景に溶け込んでいる
> 小説の世界が身近なところに実在してそうな
私がそのように書ければいいなと思っていた感じが伝わっているようで嬉しいですね。
上の兄、下の兄は……登場人物に名前はつけないと決めてからの難題でした。兄を一人にすれば良かったのですが、性格のまったく違う普通なら絶対に合わないだろうなという人物をつなげる家族っていいでしょう? さりげなく二人の性格の違いをちりばめたつもりなんですが、伝わってないのかなあ。もしかしたら兄は一人でも良かったかもしれませんね。ややこしいですし。主人公はたぶん、二人とも「お兄ちゃん」って呼んでるんじゃないですかね。呼ぶと二人ともが振り向いたりして笑いの種になってるはずです。
感想ありがとうございました。書くたびにジャンルのちがう小説になってしまう私ですが、また投稿させて頂いたときはお願いしますね。
No.9  えんがわ  評価:30点  ■2013-08-06 01:43  ID:1rXVLSXzIUI
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拝読しました。他の方のコメントと重複する箇所が多く、ほんと申し訳ない。

空気というのかな、天気や風が3人を包んでいて、少し悲しく、けど優しい感じがしました。
最後の雨なんて、難儀だろうと思いつつも、とても温かなものが伝わってきました。人物が風景に溶け込んでいるような。何故かはわからないのだけど。

>兄たちも、お弁当に入れるはずもない高級牛肉をショッピングカートに入れて、母を困らせていた。
>霊園が用意してくれているタワシはボロボロで〜

こういうハッとさせる描写が所々にあって、好きです。小説の世界が身近なところに実在してそうな、そんな肉感を加えているなあと。

何だろうな。楽しいことも悲しいことも、時が思い出に変える。それは今から見ればどれも等しく大切な記憶で、兄弟をつなぎとめていて。
と、ちょっとポエミーになってしまうくらいシミジミとしました。
輪郭を知って、改めて読み直してみても、そんな感じが残りました。一つ一つの描写がさりげなくもきちんと書かれているからだと思います。

えっと、最初に読んでいて戸惑ったのは、上の兄、下の兄、っていう指し方でした。
父、母と同じように兄を使って、それは一定の家族像を作っているのだけど。
読んでる内に何だかどっちがどっちだか戸惑ってしまったり、言葉のリズムが整わなかったり。
普段、主人公のわたしは、彼らをそれぞれ何て呼んでたんだろう? ってのが気になって。
じゃあ、作品のバランスからして、どういう表現が適当かって聞かれると、「いや、やっぱり上の兄、下の兄でしょ」って答えそうなのですが。
No.8  gokui  評価:--点  ■2013-07-12 22:30  ID:SczqTa1aH02
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masai さん

感想、ありがとうございます。
> ゆったりとした雰囲気の中でぽつぽつと浮かんでくる思い出話が印象的でした。
私のイメージ通りです。そういう風に書きたかったので、イメージ通りの感想を頂けて喜んでいます。
暗いイメージにしないというのも想定通りです。優しさを強調したかったので。
感想ありがとうございました。これからもお互い頑張って書いていきましょう。
No.7  Masai  評価:30点  ■2013-07-12 22:04  ID:cPQ6sklUjQ.
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読ませていただきました。
ゆったりとした雰囲気の中でぽつぽつと浮かんでくる思い出話が印象的でした。
両親との死別が話の中心にあるのに暗くない雰囲気が魅力的だと思いました。
次回作も期待しております。
No.6  gokui  評価:--点  ■2013-07-10 23:33  ID:SczqTa1aH02
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楠山 さん

初めまして。感想ありがとうございます。
まずは、家族というものを感じて頂けたようで、とりあえず成功だったようですね。
終盤の回想部分は、言われてみるとちょっと流しすぎなようですね。あの部分だけ雨のエピソードを盛り込めてませんしね。修正する機会があれば、真っ先にこの段落を修正します。
高評価ありがとうございました。楠山さんの作品も時間を見つけて読ませて頂きますね。
No.5  楠山歳幸  評価:40点  ■2013-07-10 20:58  ID:3.rK8dssdKA
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 初めまして。読ませていただきました。
 興味を引く冒頭、イメージし易い文章から登場人物の気持ちが伝わって来て良かったです。末娘の視点も、出来事を俯瞰しているみたいで、かえって家族というものが出ていると思いました。
 自分だけと思いますが、少しだけ気になったのは、終盤、家にいる父の所が駆け足かなあ、と思いました。ラスト、ここまで読めば泣く、または泣きたくなるのは分かっているので、代わりに雨や風景描写などでイメージを膨らませてみればどうかな、と思いました。
 失礼しました。
No.4  gokui  評価:--点  ■2013-07-09 19:48  ID:SczqTa1aH02
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藍山 さん

高評価頂きありがとうございます。
意識して優しい感じで書きましたので、それが伝わったのは嬉しい限りです。
霊園が用意したタワシや、駅舎の雨漏りなどは、皆さんも経験があるだろうなと思い書いていますので、覚えのある方はリアリティを感じて頂けるんじゃないでしょうかね。成功しているようで安心しました。
感想ありがとうございました。また今後もお互い頑張っていきましょう。
No.3  藍山椋丞  評価:40点  ■2013-07-08 09:07  ID:i/iCocdcxPo
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拝読させて頂きました。
とても優しい感じですね。文章もとても上手で最後までするすると読めました。
>霊園が用意してくれているタワシはボロボロで、かえってゴミをつけているような感じでいやになったが、

こういう表現が私は好きです。リアリティがあって、同じ物書きとして勉強になります。
家族を十分に感じる事の出来る作品だと思いました。
次回作も期待しております。



No.2  gokui  評価:--点  ■2013-07-06 13:20  ID:SczqTa1aH02
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卯月 さん

感想ありがとうございます。
アイデアをいただいたのは嬉しいのですが、今回はゆったりとした優しい作品にしたかったので、インパクトのある出来事はなるべく書きたくなかったのです。出来れば、両親の死も自然な流れであまりインパクトなく描きたかったぐらいです。また他の作品で、卯月さんのアイデアを参考にさせていただきますね。
同じ意味の言葉を重ねてある場所は、完全に読み返し不足です。仕事の合間にちょこちょこ書いた影響でしょうか。最後はやはり家のパソコン上でじっくりと仕上げなければいけませんね。ご指摘ありがとうございます。
母親の会話に関しても、卯月さんの修正していただいた方がしっくりきますね。一文字あるかないかでイメージが変わってくるのですから、執筆は奥が深いです。
いつも感想ありがとうございます。次の作品はまったくまだアイデアがないのですが、きっと書きますので次回もよろしくお願いします。
No.1  卯月 燐太郎  評価:40点  ■2013-07-05 23:55  ID:dEezOAm9gyQ
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「思い出」読みました。

■作者からのメッセージ

>>仕事の昼休みにちょっとずつ書いてみました。今回は前二作品とは違い、エンターテイメント性の少ない真っ向勝負の文学作品を書いてみました。<<
●「カムパネルラが呼んでいる」は哲学的な要素を含んだ作品で純粋なエンタメではありませんでした。
「ペンギンのマーチ」はダンディなエンタメでしたけれどね。
今回の「思い出」はタイトルがたしかに無難なものになっていますね。
「雨」でも「家族」でも、ありふれたタイトルならいくらでも出てきそうです。


>>家族をテーマにしてみましたが、家族っていう物を感じてもらえましたか?<<
●「家族」ど真ん中という作品でした。
文学作品と言うことで、家族一人一人の思いが綴られていたと思います。
主人公は下の娘ですが、日常を描いたなかで父親が盆と暮れに帰って来るだけの仕事をしていたようで、導入部で母の墓参りはわかっていたのですが、そこに父の墓参りも重なって、家族のことが語られていたと思います。


>>良いタイトルが思いつかずに無難なタイトルをつけています。これはもしかしたら修正するかもしれません。<<
●タイトルは無難なところを書きましたが、そのために、作品も無難なところで落ち着いているといった感じですかね。


>>批評しにくい作品かもしれませんが、皆さんよろしくお願いします。<<
●御作は、これで一つの作品にはなっていますが、変化に乏しいので、面白味と言うのがありません。
たしかに一般の家族のことを書いていれば、平凡な日常しか起こらないと思うので、こんなところでしょうか。

●一応主人公の女性がいるので、彼女のことを突っ込んで描いてみてはどうでしょうか。仕事のことで転職を考えているとか。彼と結婚するべきか悩んでいるとか。それらが、父と母の生き方から、自分はどう勉強していたのかとか。
そうなると、作品が深くなります。二人の兄の生き方も絡めて描くと、面白くなると思います。

======================

そのほか、二つのアイデアが浮かびました。
一つは、父親は年に二回しか帰ってこないので、仕事先で不倫をしていた。と言うことで、そのあたりから話を膨らまして、母親が、父親の不倫を知っていたら、どうなるかという展開の文学作品です。
または、母親の不倫でもいいですね。
子供たちが気づいたということで話が進みます。

――――――――――――――――――――――――――

もう一つは、父親の仕事が「公安」関係で重要な役目についていたという展開で、(母親は父親の本来の仕事は知らない)父親の仕事のことについてはあまり触れませんが、特定のニュースを作品の中に描写して、そのニュースが変化していく模様と、父親が盆暮れにだけは帰って来るということで、話を進めます。
もちろん父親は母親の死に目に逢われずに葬式だけは帰ってきますが、すぐに仕事に行く。だから子供たちには不評を買っている。
だけど、大きなテロ事件を未然に防ぎ、本来なら子供たちが巻き込まれていた事件が発生しなかったので、父親は子供たち家族を守ったことになる。
そういったところを、さりげなく描くかな。

―――――――――――――――――――――――

結局はネタをどう料理するかと言う事になるかな。
日常を日常のまま終わらせるか、そこに他の力を加えるか。

――――――――――――――――――――――

あと気になったのが文章で同じ意味のことを挿入していることかな。

A>背の高い上の兄の背中も、体格のしっかりした下の兄の背中も、女の私から見ればどちらも頼りがいのある背中だった。<

B>背の高い上の兄の背中も、体格のしっかりした下の兄の背中も、女の私から見れば頼りがいのある背中だった。<
●Bでよいと思う。「どちらも」はいらない。

C>その笑顔を見ながら、私はその出来事を徐々に思い出した。幼いながらもその出来事は、<
●「その」が連続で出すぎ。

>いつの間にそろえたのか、四人分の真新しいリュックサックまでそろっていた。<
●「そろえたのか」「そろって」片方はいらないと思う。


D>「もお、困った子たちだねえ」<
E>「もお、困った子たちねえ」<

●「だ」はいらない。
Dの会話文だと母親が中高年のしゃべり方になる。
Eの会話文だと、母親が若くなる。
子供は上が中学生になったところだから12歳でしょう。
28歳で産んだとして40歳ならEかな。

どうも、細かいところまですみません。
引っかかったものですから。



それでは次の作品楽しみにしています。
総レス数 10  合計 180

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