監獄
コップの中に溶け込んでいる鏡の様なコーヒーに角砂糖を落とした。私はそれを使い古した傷だらけのスプーンでかき混ぜる。スプーンがコーヒーの表面を引き裂いた時スプーンを抜く。そうしてコーヒーが元の静けさを取り戻しかけた所を、私はゆっくりとコップを下唇にあて傾ける。
いつもと同じ苦味が最初に口にまとわりつく。そして徐々に体全体に苦味がまとわりついていった。
いつもこうである。
今は春。世間ではこの季節の事を始まりの季節と呼ぶが、私には全く理解できない。始まりというのは0なのだ。子宮から逃げ出す赤ん坊のように。
私は自分の命が燃え尽きるまで苦悩するだろう。この苦悩が永遠に続く人生に2度目の始まりというものは存在しない。それは私に限らず、全ての人々に当てはまる。
こうして私が自分の精神世界に潜り込んでいると、突然父の声が私を精神世界から少しだけ引き揚げた。
鼓膜と心臓に異常な程影響を与える父の声に嫌々ながら耳を傾けた。父の話を要約すると、どうやら早く職に就けというような内容だ。
そう。私は現在21歳無職である。周りの目は突き刺さるように痛い。だが職に就く気はない。いや、就こうにも就けないのかもしれないが、私は私自身の精神世界の事で手がいっぱいなのだ。私が何かをしようとしても常に精神が付きまとう。人としての日常生活が送れない程に。これは一種の呪いだ。そしてこの呪いは私が死ぬまで私を離さないだろう。私はこの呪いが怖くて仕方ない。自らの命を引きちぎってしまおうとも考えた。そうして自由になろうと。しかしこの呪いは姿を変え、私の命すらも頑丈な檻に閉じこめたのだ。

私は死ぬまで苦悩するだろう。
私だけではない。全ての人々もである。
幸せなんてものは一時のものに過ぎない。そして意識をしないと見えてこない。

不幸は意識しなくとも体全体にまとわりつくのだ。
人は皆、生きている限り不幸であり、逃げ道などない。
まさ
2012年04月03日(火) 01時47分13秒 公開
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■作者からのメッセージ
なんか変な内容になってしまいました。ごめんなさい。そしてスマフォがスペースを開けてくれませんでした、ごめんなさい。

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No.5  まさ  評価:0点  ■2012-04-20 10:56  ID:L6TukelU0BA
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>>昼野さん
あなたの意見を今後に生かしていきたいです。ありがとうございます。

>>らたさん
コメントありがとうございます。
本当に生きていくのは難しいですね
No.4  らた  評価:30点  ■2012-04-12 20:53  ID:9hhwgmk6ESY
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はじめましてらたと申します。
拝読いたしました。
冒頭でコーヒーを含んだあたりでぶわぶわと黒々したものが広がり、
現実の嫌な色に繋がっていくところがいいなあと思いました。
後に続く文章は表面がつるつるとしていて引っかかる部分が無かったです。良くも悪くも。
それは私がただそういった苦しみを味わったことがないだけのことかも分かりませんが。
世の中に忽然と産まれてきて手元に生きていくのに必要なものが揃ってないのは困りようですよね。給食みたいに配布してくれたら良いなあと思います。
それでは失礼いたします。
No.3  昼野  評価:20点  ■2012-04-09 03:09  ID:FJpJfPCO70s
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読ませていただきました。

冒頭の描写は目に浮かぶようでいいな、と思いました。
それ以降の内的独白は正直、紋切り型かなと。抑揚もなくて平坦な感じです。
でもこういうスタイルの書き手は好きです。
偉そうにすいません。自分からは以上です。
No.2  まさ  評価:0点  ■2012-04-03 22:23  ID:L6TukelU0BA
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>>白星さん
駄文を読んでいただき、またコメントしていただきありがとうございます。
私の現在の苦しみ、悲しみをストレートに表現しました。
あなたに解っていただいて本当に嬉いです。

私もこの監獄を破れると信じています。
いや、信じたいです。
No.1  白星奏夜  評価:30点  ■2012-04-03 20:51  ID:wlKc4GrBaxk
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はじめまして、白星と申します。拝読させて、頂きました。

何か、心の内側を見せるような、動かないものに対する激しい、悲しいそういう感情を感じました。的を得ていなかったら、ごめんなさい。

職に就けないことは、本当に耐え難い苦しみです。それは、就けない自分自身に対しても苦しみますし、何より周囲の反応、目線でさらに苦しめられます。私も、同じ経験をしているので、辛さが胸に迫るものがありました。

生意気ですが、けれど私は信じたい。監獄は、破れると。

お気を悪くされたら、申し訳ございません。拙い感想、失礼致しました。
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