Exit
 朝からずっと働きづめ、往復2時間もかかる通勤電車に揺られ、ぐったり疲れて帰ってくる。
 毎日。
 毎晩。
 そんな生活を、これからもずっと続けていかなければならない。

 改札を抜けてバスに乗り換え、それからさらに路地裏に入り暫く歩く。そこに僕と、僕の養う家族が住んでいた。築三十年は経っているであろう木造アパートは、家賃が安い他に何の取柄もない。狭く、何もかも古ぼけて、しかもみすぼらしい。
 床下が腐りかけ、少し体重をかけただけで凹む畳。うっかりすると話し声が全部隣人に筒抜けな壁。まな板一枚しか物を置く場所のない台所。排水溝はどんなに洗剤を流し込んでもカビの匂いがした。大人一人が肩をせぼめてようやく入れるくらいの広さしかない風呂や、和式便所なんぞ見たくも無い。わずかな庭先には目前に建つマンションのせいで朝と晩しか太陽の光が入らず、洗濯物の乾かない日は妻がきまって愚痴をこぼした。
 そんな生活を、これからもずっと続けていかなければならない。

 四月。先月までの派遣契約が終わり、今日から自社に戻ることとなった。自社に戻ると言えば聞こえはいいが、去年11月まで同じように数ヶ月間、派遣先が決まらずに自社で待機している間、冷たい眼に晒され続けて、心療内科に通わざるを得ない経験をした僕にとっては、自社でありながらアウェーという悪夢が待っているだけのことでしかなかった。
会社に向かう途中の足がふらつく。実はその日の朝まで、派遣先の営業の人と飲み明かしていたのだ。
「俺、あの会社にはもう必要にされてないと思うんで、時期さえ良ければすぐにでもやめたいです」酒の勢いもあって、自分の所属会社をめちゃくちゃにコケにしまくってやった。
 向こうも結構オフトークになってしまい、ぶっちゃけ話が盛り上がった後、1円も払ってないのに歌舞伎町のキャバクラを梯子案内までしてくれた。ということは、慣れない場所で互いの人生に何ら共通点を見出せないギャルと数時間話した……はずなのだが、全くその内容を覚えてない。
 朝5時になって店が閉まる(=店から追い出される)と、僕たちは新宿駅の東口から駅構内に入り、別れの挨拶をした。
 何となればとっとと辞めて××さんに電話しますから! 
 いやいや、早まらないでくださいねッ!
 そんな別れだった。
 彼の会社は今、次世代携帯アプリの開発をターゲットに20代を中心とする若手陣が色々と頑張っている。もし機会があるなら僕もそういう何か、夢があるとまではいかないまでも新しい何かに関わってみたいという、その気持ちは伝わったんじゃないかと思う。勿論彼は営業のプロだからリップサービスも結構あっただろう。だがそれを差し引いたとしても、悪い別れ方ではなかった(多分)。
 その後始発電車に乗っていたはずが酔いつぶれ、前後不覚のまま山手線を少なくとも丸一周乗り過ごし、ようやく辿りついた会社近くの喫茶店でひたすら時間を潰した。8時30分に店を出ると、すっかり陽の上った空を背に僕は、重い足取りで某テナントビルに足を踏み入れた。

「4月に入って新しい期が始まりました。今日から社内に新しい人を迎えることができました。せっかくなので前に出て挨拶をお願いします」
 朝礼の最初に社長から呼ばれたのは、僕と同じように派遣先がなくなって営業に回されたという同じ30歳台の男性、それからどう見てもまだ二十歳そこそこの初々しい女の子、そして僕だった。
 「今日から社内で2ヶ月ほど作業することになりましたので、よろしくお願いします」我ながら空々しい挨拶だ。ちなみにこの挨拶の意味するところを正確に翻訳すると次のようになる。
『また派遣先が見つかりませんでした。社内にも仕事がないとのことで、仕方なく雑用で2ヶ月ほどいさせてもらいます。その先どうなるかは分かりません』

            ※   ※   ※

 その晩、僕は暗がりの中、いつものように蛍光灯のちらつく玄関の前に立ち、湿ったスーツのポケットから鍵を出した。じっとり体に絡みつくワイシャツと下着が鬱陶しい。
 東京はどうしてこんなにも不愉快な土地なのだろう。移り住んで十五年以上経つが、春の花粉症のためにマスクやらゴーグルやらを身につけるだけでなく、必要以上に厚着をせねばならない僕にとって、この永遠に続くであろう不愉快な季節のループは、決して慣れることがないような気がする。

 疲れていた。
 全てががんじがらめにされ、なおかつそれが大して報われないと知りながら、ただ耐えるしかない疲れ。
 一日ならすぐに回復できるだろう。でも1年なら? 10年は? どのみち社会人、しかも結婚した男など、消耗品のようにしか扱われないのかもしれないが……

 何か目標が持てたら、嘘だと分かって自分をゴマかしてまで作り出した目標ではなく、本当に信じて楽しめる目標があったら、どんなに良かっただろう。
 でも僕は違う。僕に趣味などというものはない。
 だから、こんな生活を繰り返していると人生も何もかも踏み潰され、磨り減って、それでも黙って耐えている自分のために、ねぎらいの言葉一つくらいあってもいいのではないかと思うことがある。そんな自己憐憫に浸っても許されるべきではないのか。他人がどうであれ、少なくとも僕にはそうだ。そして今夜は、まさにそういう晩だった。なのに――

 妻は僕の帰りを確かめただけで、すぐにTVに向き返ってしまった。救急病棟だか何だか知らないが、いわゆる医療ドラマを見ていたらしい。二人の子供を寝かせ終わり、ようやく自分の時間を持てた妻が楽しみにしている最上の時間。……

 僕は何か話すべきだったのだろう。話すべきことが無かったといえば嘘になる。むしろ話さなければいけなかった。話しさえすれば、彼女は付き合ってくれたかもしれない。
 でも僕等には、こんな夜の僕等には、いつも以上に何も話す言葉がなかった。まるで今朝も昨日の会話も全部戯言だったかとでも思わせるくらいに。そもそも、これまで一週間の会話時間を全て足しても1時間に満たないのではないだろうか。突然普段と違うものを望もうとしても、なかなかそうは上手く手に入らないものだ。でも……それでは夫婦の絆とは一体何なのだろう?
 結局、今夜も僕はノートPCに向かって黙々とネットサーフィンを続け、背中合わせにTVを見ていた妻は知らぬ間にカーテンで仕切っただけの畳続きの隣の部屋へ消えた。
 誰もいなければ、何も話すこともない。

 とりとめのない想いを抱えて急に酒が恋しくなり、冷蔵庫を開けてはみるがそこにないことは分かっている。
 服を着替え玄関を出ると、玄関脇に並んだ葉桜の枝が重なり合うように夜空へ伸びていた。それから、誰かが餌をやってるのだろう、駐輪場にはいつもそこでたむろしている猫が二、三匹、そうするのが当然であるかのように丸く重なりあっていた。
 発泡酒を2本買ってこよう。それで1時間くらい、素面にサヨナラできる。ついでに猫缶も1つ買っておけばいい。少し、話し相手が欲しいから。

 けれども、コンビニから帰ると猫たちはもう居なかった。そんなに遠くに行ってないはずだろうと、敷地を一周ぐるりと見て回り、再び駐輪場を訪れ、それから近所の公園を二つ徘徊した。時間にして約三十分。その間、誰にも会うことはなかった。

 「実は昔作った劣悪なプログラムがあって、Aさんは君なら何とか改造できるだろうと言うんでね」
それが朝礼の後に呼び出され、上司に言われた言葉だった。「君がこれまでやってきた分野と全く違うのは知っている」と彼は言った。「他の人にやらすと2ヶ月要らない仕事に3ヶ月あげるわけにはいかないからねぇ」
 今後の仕事について話があると呼び出しておいて何を言うかと思えば、お前は本当にこの会社の常務なのか、と僕は思った。いい加減にして欲しい。
 いかなる難易度のプログラムなのか全く分からない僕に対して、この莫迦は、何としてでもそれを2ヶ月で改造して仕上げるという、言質を取りたいらしかった。僕ならできそうだと話したという、そのAさんと僕はこれまで一度だってちゃんとしたソフトウェア開発プロジェクトを過したことがない。つまり、互いの詳しいスキル内容など知らないはずなのだ。それなのに、その彼の見積もりを盾にゴリ押ししようったってそうはいくか。そんな勘定が罷り通るなら、すでにこの会社はソフトウェア会社ではない。

 人の顔もまともに見ずに話す常務の態度、閑散とした応接間、やたらに白い漆喰の壁に、微妙に震える蛍光灯のちらつきがやけに遠く、ぼんやりと冷たく見えた。そしてふと、取りとめもなく、思いが僕を支配した。
 何か決定的な過ちがあったのだ。そうに違いない。会社、家族、最早全てがうんざりだ。それでもずっと、会社がクビと言うまで何とか持ちこたえようと思っていた。でも……
 もう十分。もう、たくさんだ。

 僕は立ち上がり、言うべき事を言った。
 ……

 侘しいままに公園を去り、歩道をとぼとぼと歩く自分。全く、無駄足だったわけだ。何となく少し上を見上げると、明らかに市役所が予算消化の目的で無様に切り刻んだ街路樹たちが、ダリの描いた枯れ木さながら、空疎な夜に耐えていた。誰もいない。誰も――

 誰にも、何も、話すことはなかった。
ぢみへん
2011年09月19日(月) 04時46分48秒 公開
■この作品の著作権はぢみへんさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
昔投稿した作品を練り直してみました。
暗い話ですけど、良かったら感想などお聞かせください。
[9/19 推敲したつもりでしたが、どうにも読みにくかったので無駄と思う箇所をバサっと削除しました。この状態でしばらく置いておこうと思います]

この作品の感想をお寄せください。
No.12  STAYFREE  評価:20点  ■2011-09-22 00:24  ID:eM8nTjX2ERc
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読ませていただきました。
文章から主人公の辛く、苦しい現状が想像できました。僕も作品にも同じような雰囲気の小説をがあるのでなんだか親近感がわきました。
他の方の感想と重複してしまう部分もあるかもしれませんが、読者として純粋に感じたことは、せめて何か主人公に希望の光のようなものを感じさせるような内容があればいいかなあと思いました。
No.11  ラトリー  評価:30点  ■2011-09-21 00:32  ID:x1xfMMn8lDg
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 こんばんは。これくらいの時間になると、明日も仕事があるから早く寝ないとと思いつつ、さっさと寝たら何だか負けのような気がして、ついつい夜更かししてしまいます。その一環としての、思ったことを書いてみます。

 仰る通り、暗いですね。普段、いかにも作り物めいたお話しか書けない自分にとっては、描くという点ではあまり縁のない世界ではあります。しかし、現実のある一点を強く反映しているという実感はありますし、こういうところも背を向けず拾い上げていく丹念さがいずれ必要になってくるのだろう、とも思います。その意味で、決して収入の高くない、妻子持ちの人生に疲れた派遣社員を生のまま描こうとしたこの物語(あるいは、現実から切り取られたエピソード)は何か特別に感じるものがありました。
 同時に、ここがこうであってくれたら、と思う場面も多いです。物語としての、読む人を引きこむ力点になるような要素がもっとほしいなと思います。灰色の世界に、ぽつんと赤いインクを垂らしたような、ある種の異質な、フィクションめいたものがあってもいいのではと感じるんですね。他の方のご意見とも重なりますが、まず主人公が日常から離れて動くか、主人公の周りに変化を与える何らかの存在があってほしい。そんな風に思いました。

 一つの娯楽として見るか、見ないかによっても感じ方は変わってくると思いますが、とりあえず前者で見た場合の感想でした。全編を通した丁寧な文章は、より多くの出来事を載せていくとさらに映えるのではないかと思います。以上です。
No.10  ぢみへん  評価:--点  ■2011-09-20 06:20  ID:lwDsoEvkisA
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陣家さん

ご感想ありがとうございます。

うーん、やっぱりエピソード不足のようですね。

僕はこれを不幸自慢のような話で書くつもりはなかったのですが、もう少し派遣で回されるエンジニアの「滑り台」のような境遇を書くべきでしたかね。
会社の営業と一緒に50社面接に行って、実力外のことでことごとくNOと言われ続けることのプレッシャーとか。3ヶ月受からなければクビだとか。どんなに誠意を尽くして働いても、決してその派遣先の会社の一員であるわけではないというドライな気持ちと向き合わねばならず、かといって自社の社員という感覚も薄い。かといって独立などしたら確実に食いあぶれる…

年収も500万なんて、そんな額を稼ぐ人はそもそも労働者全体の4割あるかないかですから、ここに書かれているようなボロアパートに住んでいるわけが無いですね。精々、300万もあるかないかでしょう。だから、そういうつもりで社会人になったのではない劣等感もあるんですが、ロストジェネレーション的な説明の文章をカットしてしまったのでこの辺が伝わらないのは当たり前か…(汗

あと、この人は無気力なんじゃなくて、目標を失ってしまった人のつもりだったのですが、どうも上手くかけてないようだということも分かりました(汗
だから次の夢、というものは思い描けないんですね。とにかく疲れていて。
もうラットレース的な勝負から降りたいわけですよ。

等々、ネガティブな要素がきちんとかけてないので今後の課題にします。
ただ、これは果たして同情を誘うのが目的なのかどうか……(笑、まぁその辺は書き方次第ですかね。

またお願いします。
No.9  陣家  評価:20点  ■2011-09-20 01:09  ID:1fwNzkM.QkM
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拝読しました。

世の中上には上があるように下には下があるものです
まずはこの主人公の境遇を不遇だと思える人がどれぐらいいるんだろうかと言うことが気になりました。

片道一時間の通勤時間。普通ですよね。
派遣業務主体とはいえ、正社員。三十代半ばであれば、おそらく年収は五百万円くらい? 十分食べていけそうですし、いくら都心部とはいえもう少しましな賃貸マンションぐらいには住めそうです。
結婚して子ども二人。月並みですがどんなに疲れて帰ってきても子どもの寝顔に救われることがあるんじゃないかと思います。
無気力に惰性で仕事をしてきた結果が現状だというのならばわざわざ辞表を叩き付けるなんてことはしないんじゃないかと思ってしまいます。
最悪クビになったとしたら会社都合で翌月から失業手当が出るわけですし。

>心療内科
いまどき普通というかありがちな話に思えますが、現実には結構リスキーというか、デメリットも抱えています。人の口に戸は立てられないし、会社、派遣先会社などは結構こういった情報をリスクヘッジのために重視します。また生命保険契約の更新が最悪できなくなる可能性もあります。

なんというか、お話的にやっぱり会社に辞表を叩き付けるのであれば、今まで諦めていた夢に向かって足を踏み出すとか、ボランティアでNPO団体に飛び込んで海外に行くとか、なにかバーター的なものを用意できればまた違った読後感になったんじゃないかなあと思います。もちろん、嫁さんや周りからみたら、おいおいというような事になるんですが。
いずれにしてもこれで終わりというのはちょっとしりきれとんぼすぎるかなあと思います。

>それからどう見てもまだ二十歳そこそこの初々しい女の子、そして僕だった。
ここは、すわ! おやじミートゥガールか、と思ったおやじ読者もいるんじゃないかと思いました。
あくまで閉塞感を縦軸にするならばこういう小さな幸福は与えない方がいいような気がします。
あと、漢数字と英数字、半角全角が統一されていないのでそろえたほうが良いと思いました。

苦言ばかりですみません。
次回作を期待しております。
No.8  ぢみへん  評価:--点  ■2011-09-19 23:14  ID:lwDsoEvkisA
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山田さん

感想ありがとうございます。

この作品では、主人公が仕事を辞めた日の孤独や感傷という、その瞬間だけを切り取ろうと思っていました。
不幸を書きたかったというより、彼の心の狭さとか閉塞感に囚われている心情、そして辞職してもそれだけで綺麗に変わらない状況、これからどうするという気持ちもそうですが、それ以前に自分のこれまでが招いた状況に対してまず失望と皮肉を感じている様を書きたかったんですね。
その瞬間を切り取りたかった。

ただ、最後にきちんとカタルシスなり感傷なりが狙い通り生まれないのは、主人公の過去を掘り下げるエピソードが足りなかったのだと思うので、次に生かせるように頑張ってみます。

No.7  ぢみへん  評価:--点  ■2011-09-19 23:02  ID:lwDsoEvkisA
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>Physさん

感想ありがとうございます。
読ませる工夫が足りないかなぁとは自分でも思いますね。展開としては、主人公が会社を辞めた日の描写だけなので。その重苦しさというか、それが表現したかったものなんですけど、適切なエピソードの積み重ねが足りないんでしょうね。
新作が書けたらまた感想よろしくお願いします。
No.6  ぢみへん  評価:--点  ■2011-09-19 22:56  ID:lwDsoEvkisA
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> 夕凪さん

感想ありがとうございます。
経験8割くらいですね。素人なんで、これからまた暇を見つけて書けたらと思ってますです。
No.5  山田さん  評価:20点  ■2011-09-19 21:55  ID:s5CVZUfMMI.
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 拝読しました。

 これから物語を始めるためのプロローグ的な印象を受けました。
 その点は下のらいとさんと同じように感じたのだと思います。
 これだけだと、やはりちょっと読み手からしたら、物足りないかなぁと。
 だから、僕自身はあまり暗い話だとは受け取らなかったんですね。
 というのも、これからこの話がどう転がっていくんだろう、という想像の方が先に来ちゃった訳です。
 それにこの彼の不幸が、彼の境遇にあるのか、それとも彼自身の根源に要因があるのか。
 心療内科に通院した経験があるってことは、境遇がトリガーとなって彼の根源から何かを晒し出してしまったかもしれない。
 そして、妻との関係はこれからどうなるのか。
 子供たちは、仕事は、そして彼自身は……。
 そんな想像を膨らませることは出来る作品だったとは思うのですが、やはりちょっと物足りないかなぁ。
 文章とか結構読みやすいですから、もっともっと長い作品を読んでみたかったと思います。

 実は僕自身、うつ病を患い、会社を辞めざるを得なくなり、心療内科に通い、現在も職探しに奔走している、という現状です。
 紆余曲折ありました。
 でもその結果、確かにいまだに仕事が見つからず苦しんでいますが、僕自身は決して不幸だとは思っていない。
 むしろ幸運に恵まれた人間だと思っている。
 そんな個人的経験があるので、いまひとつこの男性に感情移入出来ない、なんてこともあるのかも知れないです。
 まぁ、そんな個人的事情を持ち出すのは不公平なんですけどね(汗)。
 それにまだ独身だから、この男性と同じ土俵には立っていませんし(大汗)。

 それから余談ですが、僕もジミヘンは好きですよ。
 最初に買ったギターはジミヘンにちなんでストラトでした。
 ってか、まったく違う「ぢみへん」を意味しているのだったらだったらすいません(汗)。

 失礼しました。
No.4  Phys  評価:30点  ■2011-09-19 15:17  ID:FRJVy/mW02I
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拝読しました。

とても雰囲気のある文章でした。読んでいて暗い気持ちにはなるのですが、
淡々としていながら、臨場感、迫力のある小説だと思います。

ロストジェネレーション、と呼ばれる世代、投機市場と実体経済が乖離して
人材派遣業が謳歌した時代のことは、もちろん知識の上では知っていますが、
まだ社会人一年目の私なんかだと、なかなか実感が湧かなかったりします。
むしろ、私たちのちょっと下の世代が「第二次ロストジェネレーション」に
当たるという意味では、他人事ではない問題だと感じました。

>夢があるとまではいかないまでも新しい何かに関わってみたい
>突然普段と違うものを望もうとしても、なかなかそうは上手く手に入らないものだ
>朝からずっと働きづめ、往復2時間もかかる通勤電車に揺られ、ぐったり疲れて帰ってくる

こういった後ろ向きで気怠い描写が、主人公さんの抱える閉塞感にいっそうの
リアリティを感じさせます。妻と子供を養って毎日頑張るお父さんが、慰めの
言葉の一つもかけてもらえないなんて、悲しい時代ですね。

他の方も感想に書かれているように、とにかく文章は上手いと思うのですが、
これだけの世界観、人物像を提供しているからには、もっとドラマが用意され
てもいいんじゃないか、と期待してしまいます。

具体的には主人公の成長、ないし決定的な変化が欲しかったです。深い感動を
もたらすだけの素地がこの小説にはありますし、それだけの作品を書ける実力
を持った作者さまだと感じました。

自分はどうなのか、と言われると、それはまったく、ダメダメなので、上記の
内容は一読者の意見として受け取ってください。今後の創作の一助となれば、
幸いです。

あ、あと作品には関係ないのですが、わたしもジミーヘンドリックスさんの
演奏は好きです。(ほんとうに関係ない……)

また、読ませてください。
No.3  夕凪  評価:40点  ■2011-09-19 14:33  ID:qwuq6su/k/I
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 作者が「暗い話ですけど」と前置きされて有ったが、成る程 朝1番に偶然読み 詩にたくなった。しかし、文章は非常に流麗で 読み易く今迄ネット小説の中でも、最もダントツ一位だった。而も、これ見よがしな文章の巧さでは無く、極地味で 訥々と語り乍ら、巧かった。あたしは人からも指摘されるが、作品の主人公を作者と混同して了ふので ひょっとしてこの主人公は、作者さんとは別人なんだらうか?と したら、安サラリーマンがこんな巧い文章を鍛錬する余裕は無いだらふから(以前の管理人さんが、就職したら書く時間が無いと言ってた)ライターかプロなんだらうか?だうでも良いが・・・
No.2  ぢみへん  評価:--点  ■2011-09-19 13:54  ID:lwDsoEvkisA
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らいとさん、感想ありがとうございます。
確かに冗長ですね。ご指摘があってから読み直したのですが、要らないと思う部分はカットしてみました。まぁ、それでもアクション自体は少ないというか…ほとんど「ある日の追憶」レベルの内容ですね。今後の課題にしたいと思います。
No.1  らいと  評価:30点  ■2011-09-19 10:14  ID:J44h6PeHayw
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拝読させて頂きました。
文章は上手いと思います。
ただ、動きが少ないかな、と思います。
ずっと、主人公の独り語りが続いてそれで終わってしまうので、ちょっと惜しいかなと思いました。なにかしら、アクションがないと、読んでいる方は退屈になってしまうかもしれません。主人公が不幸な境遇だというのは説明でわかるのですが、じゃどうするの? となると、何もなしでただ状況の説明で終了してしまうので、もったいない気がしました。
拙い感想失礼しました。
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