永遠








 あなたは誰ですか、と問われれば、私はこう答えるだろう――神の子である、と。冗談ではない、親は他でもない神様だ。
 その神様に替わって、いよいよ私が神の子から神になる時が近付いていた。人間でいうところの、成人のようなものだ――修行の期間は二十年、ではなく二千年だが。
 親は私を呼び出すと、感慨深げに言った。
「さすが我が子だ、先日の魚の試験も合格だ。これで、残すは人間の試験だけだ。この試験に合格すれば、晴れて私に替わって神となる」
「はっ。ありがたき幸せに存じます」
「頼むぞ、我が子よ。私も神を長年やって、いい加減飽きたからな。今年で何年目だ? 確か八千万と……」
「六百年です」
「おお、そうだったな。私の若い時には、ティラノサウルスが居たんだがな……いやー、カッコ良かったぞ!」
 ――親はかつて存在した恐竜が好きだったようで、特にティラノサウルスが大のお気に入りだった。だが、その話を私はあまりにも聞き過ぎて、もううんざりしていた。
「……ティラノサウルスの話は、もう百五十回拝聴しました」
「すまんすまん、話を本題に戻そう。人間の試験の内容だが……」
 ――人間は最も苦手科目だ。体のメカニズムこそチンパンジー、、、、、、と同じだが、言語の発達により築いた文明や複雑な人間関係は、他の生物とは一線を画す。
「実技試験を行う。ついては、日本に行ってもらう」
「日本? ……あの、総理大臣とかいうのがコロコロ替わる国ですか?」
「そうだ。この間までチョンマゲを付けてた、あの日本だ」
 ――日本は特に苦手だった。そもそも、たった一年早く生まれた者を目上として敬語を使うなど、意味不明そのものだ。一億年先に生まれた親に対して私が敬語を使うのとは、訳が違うのだ。更に、昨今の流行語やら言語の乱れと来たら、理解に苦しんで……勉強するに値しないと、いつも思ってしまう。
「……そして日本人の成人男性に扮し、他の社会人と同じように生活してもらう。合否は、日本人女性と結婚できるかどうかで決める。期間は一年とする」
 たったの一年か、難しそうだな――不安がよぎったが、ふと思い出した。最近の日本人女性は確か、イケメンとかいうのが好きだと勉強した。イケメンに扮せば、難なくこなせるのではないか!
「――この試験は、人間やその社会の理解度を確認する為に行うのだ。容姿で結婚を勝ち取っても意味は無い」
 親は私の心を見抜いてみせた――いわゆる眼だ。やはり、神様は偉大である。ちなみに、例の蒙古襲来時に嵐を起こし、日本の文明を保護したのも私の親だ。
「わかりました、容姿はありきたりにします」
 そう言って、私は何の変哲も無い日本人男性に変身した。
「……よし! それではこれから一年、下界で頑張るのだぞ!」
 ――かくして、私は下界へ向かったのである。チラッと振り返ると、ガオーと言ってティラノサウルスの真似をしている親が見えた。

 私は神の子から、新入社員の“大太郎”となり、親に指定された奈川県にある会社へ向かった。会社は小さく、大手メーカーの下請けやら何やらで、何の仕事を主としているのだかよくわからなかった。まあ、業務における専門的な知識や技術が無い私にとっては、それで都合が良かった。古びたビルの中に入っていくと、その頭から神々、、しい光を放つおじさんが声を掛けて来た。
「ああ、新入社員の大神くんだね? ようこそ」
 ――ある程度の履歴や段取りは、親が既に調整している。そして私に関わった人たちの記憶も、私が試験を終えれば親が消してくれることになっていた。
 私は言われるがままに、まばゆい光の後に付いていった。今日は入社初日ということで朝礼で挨拶をさせられると、私の隣にはもう一人、新藤という新入社員が居た――だが、残念ながら男性だった。結婚は申し込めない。
「あら、可愛いじゃない」
 随分と肥えた、男にも見えそうなおばさんが私に言い寄ってきた。人間界で俗に言う醜い部類だとすぐにわかったが、そんなことはどうでも良かった。多分、この人ならいける――。
「結婚しよう」
 私は単刀直入に一言だけ、おばさんに発した。
「あらやだ、結婚? え、私?」
 おばさんは、その言葉が自分に向けられているのか疑っている。背後霊に言っているとでもいうのだろうか。もっとも、こんな汚らしいおばさんには背後霊も憑きたくないだろうが。
 私は頷くと、おばさんは嬉しそうな顔をして答えた。
「あら、嬉しいわ……いいわよ、結婚しましょう」
 快く承諾してくれた。やった、合格だ――。
「松子、何言ってるのよ。あんた、旦那いるでしょ!」
 横に居た、茶髪の若い女性が間に入ってきた。
「遥、別にいいじゃないの! この子が結婚しようって言うんだから。旦那とは離婚するわよ」
 松子とかいうデブのおばさんは、ムッとした顔になって言った。いかにも人相が悪く、過去に二・三人は殺していそうな顔つきだった。
「そうだよ! 松子もいいって言ってんだから、いいだろ」
 私も今がチャンスとばかりに、一気に攻勢を掛けた。
「あんた、人をからかうのもいい加減にしなさいよ!」
 遥とかいう女性が、私に怒ってきた。そうだ、忘れていた――私はこの人たちより年下の体を為しているのだ。それなりに、敬うべき態度を取らなければならないのだった。
「……すいません。じゃあ、あなた、結婚してください」
 遥が邪魔だったので松子を諦めて、あえて遥に結婚を申し込んだ。
「遥はやめといた方がいいわよ! 第一、天然だしね」
 今度は松子が、そうはいくかと間に入ってきた。テンネン……? 私は、合格した魚の試験のことを思い出した。そういえば、遥は天然魚のように無駄な肉が無く、ほっそりとしている――なるほど、そういう例えか。
「遥さんが天然なら、松子さんは養殖ですよね?」
「何だと? ぶっ殺すぞ、コノヤロー」
 社内にドッと笑いが沸いた。あちらこちらで、「デラックス、、、、、、キレた」という声が聴こえた。
 ぶっ殺すぞ――随分と穏やかでない言葉だ。やはりあの悪い人相は、前科者のそれだったに違いない。
「そうやって今まで何人も殺してきたのか!」
 松子に命を奪われたであろう人たちを偲んで、私はそう捨て台詞を吐いた。

 ――結局、初日は結婚することができなかった。肩を落として退社すると、帰り道で新藤が声を掛けてきた。
デラックス、、、、、との絡み、最高だったぜ!」
 男に用は無い――私はうつむいたまま、新藤を無視した。
「……何、肩落としてんだよ? まあまあ、飲みに行こうぜ」
 どうやら人間界では、落ち込んだ時に「飲もう」と声を掛けるらしい。おめでたい時も、「飲もう」と言うらしいが。どうせ、何も無くても飲むのだろう。
 この試験の趣旨は、人間社会の理解にあったな――私は思い出すと、飲むという文化を体験してみることにした。

「いきなり結婚しようとか、俺笑ったぜ」
 新藤はケラケラと笑った。
「やめろよ、本気なんだぞ!」
 失敗をからかわれた私は怒ると、新藤は目をまん丸くした。
「……あれ、ネタじゃないの? お前、本気で結婚したいと思ってんの?」
 ネタの意味がよくわからなかったが、私はとにかく本気だという想いを吐露した。すると、新藤が驚いたように言う。
「え、マジなのかよ! でも、いきなりは無いって。まあ確かに、女心っていうのは難しいけどな……」
 ――女心は結構な難問らしい。なるほど、だから私の親は人間の科目を最後の試験にしたのか。
「俺もこの前、彼女と別れたんだけどさ……本当、俺が彼女を不幸にしたと思うよ」
 新藤は女心について話し出した。過去の自分に対して、尋常ではない悔いと責任を感じていることが伺えた。
「女を不幸にするなよ。俺のようになって欲しくないしな」
 女を不幸にするな、か――新藤の経験談は感情も豊かで、大いに今後の参考になった。だが、アルコールを初めて口にした私は何だか頭がボーッとしてきて、そこからの新藤の言葉は断片的にしか覚えられなかった。
「……そういう時って、もう言葉はいらないんだよな」
 新藤はまだ別れた彼女に未練があるのか、回想をしながら語っていた。
「……黙って、抱き締めればよかったな」
 ――何だかカッコつけて語っていたが、頭頂部のオゾンホール、、、、、、が居酒屋の電球を反射していた。

 新藤からアドバイスを貰い、私は独身の遥との関係を徐々に深めることにした。
 ある日、遥に仕事を教わっている時のことだった。
「大神くん、聞いてよ。遥ったら、本当に天然なんだから」
 松子が現れた。松子はそこに遥も居合わせたのをいいことに、必殺技の井戸端会議を繰り出してきた。
「ミスチルがニューアルバム出したから買ったんだって。だけど後で気付いたら、一作前のやつ買ってたんだって!」
 そして松子は、「やだわ」と言いながら、私の肩をバシバシと叩いた。だからどうしたというのか――私にはただ、松子の攻撃だけが重たかった。少しずつ人間界に慣れてレベルアップしていた私は、愛想笑いという覚えたての技を繰り出し、適当にかわした。
 一方の遥は、強がって反論した。
「でも、いいもん。私、『HANABI』好きだし」
 その言葉に、何故だか松子も乗っかる。
「『HANABI』いいよね! 今度カラオケで唄ってよ」
「えー、唄えない。イントロが好きでずっとイントロだけリピートしてるから、まだ最後まで聴いたことないもん」
 ――私は何となく、テンネンの意味がわかった気がした。
「……お前、何言ってんの?」
 遥の意味不明の言葉に、私は思わず言ってしまった。失敗した――また敬語を使い忘れた!
 だが、松子は「ナイスツッコミ」と言ってグフグフと笑っていた。スターウォーズに登場するジャバのような笑い方だった。一方の遥も、何故だか楽しそうに笑っていた。私は要領を得なかったが、それがとても印象的だった。

 遥との距離を縮める為に、私は取り合えず飲みに誘うことにした。遥はあっさりと、おごってくれるならいいよと答えた。私は既に宝くじを通力で当てていたので、金なら腐るほどあった。

「大神くんは何飲む? ビール?」
 ビールはこの前、新藤と飲んでボーッとしてしまったので、やめておくことにした。
「……いや、ジンで」
 どのアルコールが自分に合うのかわからなかったので、の音読みで縁起が良かったジン、、にした――だが、飲み出してすぐに、私は卒倒した。
 
 ――気が付くと、何やら狭い家に私は居た。隣には遥のような顔立ちの、白髪のおばあさんが居る。私は最高で五十年寝たことがあったので、今回は四十年くらい寝てしまったのかなと思った。
「……あら、ようやく起きたかい。遥や、起きたよ」
 おばあさんがそう言うと、キッチンから遥が出てきた。どうやら、ババーはただのババーだったようだ。
「大神くん、大丈夫?」
「ああ、大丈夫」
 ――ここは遥の家なのだろう。卒倒した私を保護してくれたようだ。
「……それより遥、晩ご飯はまだかい?」
 おばあさんがふと、遥に話し掛けた。
「おばあちゃん、晩ご飯ならさっき食べたでしょ?」
 遥が言い聞かせても、おばあさんは首を横にうんうんと振り続けて、「食べとらん」と言う。歳を取ると脳も老朽化し、記憶に障害が起こり易くなることは勉強して知っていた。
「そういえば、お母さんは?」
 私は話を逸らそうと、遥に聞いた。遥の両親は離婚していて、お母さんと同居していると知っていた。おばあさんまでは知らなかったが……。
「お母さんは、今日は仕事で泊まりなんだ」
 私の質問に他意を感じたのか、おばあさんが口を挟んだ。
「……お母さんが居なかったら何だって言うんだい? 大神、、さんがオオカミ、、、、さんにでもなるつもりかい」
 ――ババー、早く寝ろよ。思わず漏らしそうだったが、私は紳士的に振舞った。
「いえ、そんな……。取り合えず、飲み直しましょうか」
 遥はきっと飲み足りないのだろうと思い、仕切り直してあげることにした。遥は「そうね」と言って、冷蔵庫へ缶ビールを取りに行った。
「……お酒より、晩ご飯はまだかい?」
 おばあさんがまた同じ事を言い出した。おばあさんはこの調子だと、明日の朝ご飯を食べた後でも、「晩ご飯はまだかい?」と言うだろう。
「おばあさん、晩ご飯ならさっき食べたじゃないですか」
 遥が近くに居なかったので、代わりに私が諭してあげた。すると、おばあさんが私に言った。
「あんたはさっきまでぶっ倒れてたのに、何でそんなことがわかるんだい?」
 その辺の記憶は、しっかりご健在らしい――。
「今日は晩ご飯も出ないみたいだし、よそ者が来たから私はもう寝るわ」
 おばあさんは、どうも私のことをあまり好いてないらしい。ぶしつけな言い方に、おばあさんの何倍も生きている私は苛立っていた。
「まあ、せいぜい頑張りなさいよ」
 そう言って去っていくおばあさんに、私も言葉を返した。
「お前もな」

 遥の飲みっぷりは良かった。自分の家だという安心感もあったのだろう、みるみる顔が赤くなるのがわかった。一方の私は、ちまちまと一口ずつビールをすすって、何とか遥に合わせた。
 過剰なアルコール摂取は脳を麻痺させ、本能的な行為を助長するということを私は知っていた。成り行きで、遥が一人の女性として、その対象に私を許してくれているということを私は悟った。私はあらゆる生物の体のメカニズムを知り尽くしていたので、人間の女性も他ではなかった。私たちは人為を奏でながらも、私が遥に用いたテクニックは、業だった。程なくその感覚は限界にまで達したはずで、遥は絶叫を重ねた後、意識を失ったようだった。私は自らの行いを過度であったかとも一瞬省みたが、結婚する為には遥から求められる必要性も自負していた。唯一、遥の絶叫をおばあさんにおそらく聴かれたであろうことが、気まずかった。
 ――だが、それは杞憂に終わった。その頃、おばあさんはポックリ逝っていた。

 それからの遥は、ひどく落ち込んでいた。幼い頃に両親が離婚し、仕事に出ているお母さんとはなかなか会えない遥にとって、おばあさんの存在はずっと大きなものだったようだ。失った痛みは計り知れず、遥の太陽のようなその笑顔は、雲に覆われたように隠れてしまった。
「おばあさんは天国に行ったんだから、そんなに落ち込むことないよ」
 私が声を掛けると、力無さ気に遥は答えた。
「……慰めてくれてありがとう。太郎くんって優しいんだね……」
 単なる慰めでは無かった。私は、おばあさんが本当に天国に行ったことを知っていた。今頃、ティラノサウルスの真似がヒートアップした私の親を目の当たりにしているだろう。

 おばあさんを亡くして、支えを必要とする遥。結婚の為に、遥に寄り添う私。どちらが申し込むわけでもなく、自然と私たちは交際していた。だが何ヶ月経っても、遥はその傷を引きずっているようだった。じっくりと関係を築きたいところだったが、あいにく私には時間が限られていた。そして頃合を見て、私は決心した。
 ディナーを済ませた後、綺麗な夜景を望む公園に私は遥を連れ出した。遥は、やけに言葉少なになり、私もそのペースに飲まれていた。
「遥……今、遥が欲しいものって何?」
 聞きたかった言葉が、ようやく口をついた。意図したシナリオへと持ち込む、誘導だった。その答えは、愛でも家庭でも指輪でも構わないのだ。遥は少し時間を置いて、答えた。
「永遠……かな」
 永遠――遥の意図することがわからなかった。あまりにも抽象的で、実態が伴わない言葉だ。そもそも、百年足らずしか生きない人間が永遠など手にできるはずがない。
 しかし、遥は真顔で、その瞳は私を一心に捉えている。私も遥を見つめ返すと、私の脳裏にある答えがよぎった。
 テンネン――そうだ、遥は天然だった。
「……お前、何天然かましてんの?」
 私がそう言うと、遥は一瞬にして表情を曇らせた。
「今、そういうムードじゃないんだけど!」
 そして、怒って一人で歩き出して行ってしまった――どうやら天然で言ってたわけではなかったようだ。このままではまずい、せっかく苦労して築き上げたものが崩れ去ってしまう。私は急いで遥を追いかけ、その手を掴んだ。
 すると、さっきまで怒ってた遥から、何故だか少し嬉しそうな様子が垣間見えた。怒ってたのは演技だったのだろうか、どうも要領を得ないが、取り合えず良かった。しかしながら、私はまだ遥の意図することが理解できないでいた。何とかしなければ――遥が欲しがる「永遠」とは、一体何を指すのか。
 不意に、入社初日に新藤と飲んだことを思い出した。新藤は、何度も「女を不幸にするなよ」と言っていた。
「遥を不幸にはしないよ」
 記憶を詮索しながら、その場凌ぎで言葉を繋ぐ。遥は無言で、私に嬉しそうな顔を見せた。そうだ、言葉はいらないと新藤が言っていたな――私も黙って遥を見つめ返す。
 そして、私は両手を遥に向けてゆっくりと差し出した。そのまま、遥の首を絞めた――新藤が言っていたっけ、黙って首絞めればいい、と。酔っ払いながらも、私はそんな言葉を確か聞いた覚えがある。
 すると、遥の嬉しそうだった表情が、驚きのそれへと変わった。私は一瞬、何か誤ったかと振り返った。自らの行為を冷静に客観視すると、ようやく遥の意図する答えへと辿り着くことができた。

 遥はおばあさんが亡くなって以来、生気をも失くしてしまったようだった。悲しみを連れて生きるのは不幸であり、おばあさんの所に行く方が遥にとって幸せなのだろう。それが遥の望む「永遠」――そう、遥はきっと、永遠の眠りが欲しかったのだろう。
 私は多少の罪悪感を感じたが、遥の望む通りにしてあげようと思った。そうしなければ、新藤と同じように彼女を不幸にし、後悔と自責の念にさいなまれるのだろう。新藤の経験談が、ここで活きたのだ。実際、遥は天国に行けるだろう。
 これまでの努力が水の泡となるのは残念だったが、遥自身が結婚どころではない心境なのだから仕方がない。まあいい、松子の家庭を破壊すれば済むことだ。遥が死ねば、丁度反対する者もいなくなる。

 私はその両手にきつく力を加え、遥の首を思いっ切り締め上げた。遥は目を閉じ、遂には意識を失ったようだ。よし、もう少し――
「そこまで!」
 親の声が聴こえた。私はハッとして手を離すと、遥はその場にバタンと倒れ込んだ。
「試験は失格とする。今すぐ戻って来い」
 ――失格? 私は訳がわからないまま、言われる通りに天上界へと戻った。

 私は親にこっぴどく叱られた。全ては私の勘違いだったようだ。私は責任を感じたが、私以上にビールに責任があると思った。
 新藤の言った通り、女心はかなりの難問だった。どうも人間は性に合わず、苦手科目だ。試験は失格となってしまった為、次の機会を与えられるのは、また二千年修行を経た後である。
 ――まあいい、その頃には人間の科目も無くなっているだろう。
桜井隆弘
2010年12月21日(火) 00時15分44秒 公開
■この作品の著作権は桜井隆弘さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
新装開店、おめでとうございます!
ルビと挿絵の機能は、作品の幅を広げてくれて凄くいいですね。

コメディーを書こうと思ったのですが、以前投稿した際にストーリー性の希薄さをご指摘いただいたので、その辺りを意識して書きました。
完成すると、今度はコメディー色が薄くなってしまったような……(笑)

この作品の感想をお寄せください。
No.5  桜井隆弘  評価:--点  ■2011-01-13 00:10  ID:kDCQnIbv2M2
PASS 編集 削除
>Physさん
いつもいつも読んでいただきまして、ありがとうございます。

そうですね、自分自身が楽しみながら書くということは忘れたくないと思います。
ただ、異端児だとか新風だとか呼ばれることを目指しているわけではないと考えると……
単なる自己満足で終わらないように、皆様のご意見を聴きながら、小説として質を高めていけるよう意識することも忘れないようにしたいです。
今回コメディーに特化した中でストーリー性に欠ける部分は、僕の不器用さにあるので今後改めていきたいなと思っています。

Physさんには優しい言葉を掛けていただきまして、ありがとうございます。
何よりも、『HANABI』が大好きだとの言葉が一番嬉しかったです(笑)

Physさんの新作も楽しみにしています!
No.4  Phys  評価:30点  ■2011-01-08 17:14  ID:6uKnl6ldB7Q
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拝読しました。

遅らばせながら、感想です。
最近桜井さんは奇抜なテーマが多く、楽しく読ませて頂いてます。気負う
ことなくサッと読める軽快さはもちろん、予想を裏切る展開に驚かされる
ばかりです。私じゃ出てこないなぁ…、と自分のステレオタイプな思考を
悔しく思います。

今回も、発想が面白いなぁと思いました。そして、めちゃくちゃな結末に
笑いました。首を締め出した時には思わず『何やってるの?』と突っ込み
たくなったほどです。桜井さんが楽しみながらお話を作っているのが伝わ
ってきます。ストーリー性、ですが、私は今の桜井さんの洒脱な書き口が
好きなのでなんとも言えません。コメディ調ですし、きちんとオチている
ので、拘る必要もないように感じました。

あと、私、ミスチルの『HANABI』大好きです(笑)
また、読ませて下さい。
No.3  桜井隆弘  評価:--点  ■2011-01-02 23:49  ID:kDCQnIbv2M2
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お返事が遅くなりまして申し訳ございません。

>片桐さん
読んでいただく方に笑って欲しいという想いで書いたので、笑いどころがあったということで幸いです。
物足りないのは僕の実力ですね。片桐さんのアドバイスをご参考に、小説として質を高めていけるよう努力します。
読んでいただきまして、ありがとうございました!

>夕凪さん
大笑いしていただいてありがとうございます。コメディーに対するご感想として、嬉しく思います。
後は……何が言いたいのか、よくわかりません(笑)
No.2  ω ̄)  評価:40点  ■2010-12-26 14:18  ID:qwuq6su/k/I
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 題名が詰まら無かったんで入ら無かったが・・・
ギャグで実際笑った事は少ないので、お婆さんが逝って居たトコの言い草と、松子の家庭を破壊すれば好い、天然も消すから五月蠅い奴も居無くなるというのに大笑いした。二千年先には人間も居無くなるだらうと言うのも納得・・・しかし、それ以前に核爆発で地球自体無いだろう。元気が出た>昨夜3語で夜更かししたんで。それで、親から「そこまで」の声が出たというストーリー結末が又良かった。

No.1  片桐秀和  評価:30点  ■2010-12-22 21:37  ID:n6zPrmhGsPg
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読ませてもらいました。
書きなれた方なのでしょうか、全体としてとても読みやすく、すらすらと進んでいけました。ツボだったのが、ティラノサウルスのくだり。

>チラッと振り返ると、ガオーと言ってティラノサウルスの真似をしている親が見えた

ここにはつい破顔させられました。こういう文を配置できるのはいいセンスだなあと思います。「なにしてんねん」と小さくつっこんでしまったほど。
さて、作者コメントにあるストーリー性の希薄さについてなのですが、僕はまだ弱いと思います。最後の衝撃的な展開には驚いたのですが、その驚きが何かしらの感情として変わっていかず、え?、と思ったあと、ああ、そういうことか、と少し物足りない感じ終わっていった印象です。もう一ひねりほしいといった感じでしょうか。
神の理屈と人間の理屈、もうちょっと掘り下げて考え、それが最後に意外な真相として明かされたならさらに面白くなったかもしれません。漠然とした言い方で申し訳ありませんが。

ちょっと難癖をつけた部分もありますが、全体として気持ちよく楽しく読ませていただきました。これからも執筆がんばってください。では。
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