チューハイ以外で
 昨夜も、洗った衣類を洗濯機に入れっ放しにして寝てしまった。多分、また名前すら知らない寮の住人に顰蹙を買われていることだろう。例のごとく、罰として洗濯物は凍っていた。手の感覚を失ってしまうほど冷たい。最近、田舎からたっぷり運んできたわくわく感、気概といったものが底を突いた。
 大学の授業を終え、二十五時までアルバイトの歯車としての役目を遂げ、家路につく。入寮当初は辛うじてチカチカ光っていた電球も先月に切れてしまった。以前、買い物をして、暗い中階段を上がっていた際、ルーズリーフか何かのレジュメかで足を滑らし、奮発して買ったイチゴジャムのビンが割れ脇の辺りに破片が刺さるという悲劇があった。489円が凶器に化したのだ。それからはケータイのライトで足下を照らし階段を上ることにしている。鍵を挿そうとケータイのライトで・・・・・。開いている、ドアが―閉め忘れという可能性は、ドアの上のブレーカーがONになっていることで無くなった。というのも、面倒くさがり屋の僕は、出かけるときは決まって、逐一テレビだのヒーターだのを消さずに、一括してブレーカーを手でOFFにして、そして、帰った時にブレーカーをONにし、一括にて電源が入るようにしてあるからだ。僕が部屋に一歩目を踏み出す前に全国ネットとオレンジのあったかさが部屋に入るというわけだ。彼らは光の早さだからね。部屋に入った。それほど荒らされてはいなかったが、何者かが侵入したということは間違いなかった。問題は何を盗まれたかだ。いやな予感通り、ラックに入れていたバイトで稼いだ七万円入りの封筒はなかった。それよりも幼いころから宝物としていた鈴田選手のサインボールもどうやら取られたらしい。売る気など全くなかったが、今やメジャーリーグで活躍する選手となったということからして、数万円の価値はある代物だろう。よもや、こんな震度3の地震で半壊しても不思議でない学生寮に泥棒が入るとは思ってもいなかった。
ひろき
2011年01月27日(木) 14時08分39秒 公開
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No.2  D坂ノボル  評価:20点  ■2011-02-24 00:37  ID:IW0UZXaRng2
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ざっと見渡して、タイトルにいちばん惹かれたのではじめに拝読いたしました。
内容もじつに素晴らしい。なげやりなどん詰まり感、物臭で無気力なモノローグ、じつにいい雰囲気を出しています。
それだけに、冒頭だけで終わっているのは惜しい。
ぜひ完成させて再投稿されることをお勧めします。
No.1  しぐれ  評価:0点  ■2011-01-31 17:46  ID:RIBmSLEGg.U
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はじめまして。

読まして頂いたので、感想を。というべきか、なんというか。
文章自体は丁寧で、さりげない比喩も上手く僕も見習いたく思いました。これが貧乏学生の実態なのか……っ。なんて少し怯んでしまったり。

しかし残念なことに、TC(このサイト)では完結ルールというものがあります。
これは、「既に完結した小説しか投稿してはいけない」というルールでありまして、ひろきさんの投稿なさったこの小説はそのルールに反しているのでは。と思います。
まずはトップページから「利用規約」と「一般的な文章作法」を読んでいただき、そしてしっかりと物語を完結まで書ききってから、改めて投稿してみてはどうでしょう。

そういうわけで、僕自身も残念なことにこの小説は評価することが出来ません。
続きを最後まで書いてから投稿なさるのを、心待ちにしていますので、頑張ってください。

上から目線の発言、大変失礼致しました。それでは。
総レス数 2  合計 20

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