髪隠し

PM11:45 眠気を我慢しながら洗面台の前に立ち、歯を磨く。
洗面台の鏡に映る自分の髪型は、ダースベイダーの頭を彷彿とさせる。前髪は、横に流していても目にかかるし、両耳は黒々とした髪のカーテンに姿を隠されてしまっている。
頭のトップ部分は髪のボリュームが特に目立ち、人々に重たい印象を与える。鏡を見る自分自身にも、重たい印象を与える。この自分の髪型を基に自分で自分にあだ名を付けるとしたら、「ヘルメット」「メット君」「ダースベイダー」こんな感じの名称が思い浮かぶ。

AM12:09 トイレを済ませ、寝室のベッドに潜る。TVの通販番組で注文したフカフカの羽毛掛け布団(税込18000円)を首元までかけて、瞼を閉じる。

AM12:14 眠りの園へ足を踏み入れる。

AM5:52 睡眠の長いトンネルを抜け、夢国へ到着する(レム睡眠開始)。


チュンチュン…(雀のさえずり)


AM7:20 瞼を開ける。「あれ?」
今のは夢か。2か月以上美容室へ行っていない自分が、自分へ髪を切りに行かせるキッカケを与える為に今の夢を見せたのかしら。

AM7:25 うがいをしに洗面所へ行く。「エッ…!?」
鏡の自分の髪が、短くなっていた。目覚める前に見た夢で、ボクは美容室へ行って髪をサッパリと短くして貰ったが、ボクのアタマ(脳)は未だサッパリ目覚めていないのだろうか?

ボクのアタマは夢と現実がごっちゃになっているんだ。きっとそうだ。
しかし、現実の世界の鏡に映る自分の髪は、夢で見たのと同様、サッパリと短くなっていた。昨日までの長ったらしい髪はまるで嘘みたいに無くなっていた。前髪は横に流さなくても眉毛が露わになる位短くなっていたし、両耳を覆っていた黒髪のカーテンは消え失せ、両耳がこんにちはしていた。



「…!?」襟足に右手を持っていくと、感触に驚かされた。昨日までのなめらかな感触は消え、髪を切りたてのときのあの独特な感触に変わっていた。手の平に刺さる様な、短い毛束の質感へと変わってしまっていた。

そして、鏡で襟足を確かめる自分の動作を見て改めて驚かされた。これは現実なんだ。
昨日まで伸び散らかしていた髪が、朝起きたら短くなっていた。それも、さっきまで見ていた夢のように。

ボクは寝室へと戻り、ベッドを確認してみた。枕や羽毛の掛け布団に大量の髪の毛が落ちていないか観察したが、枕に付着した数本のちぢれ毛のほかに、髪の毛の姿は見当たらなかった。

ドッキリでもない。ボクが眠っている間に、見知らぬ誰かがボクの髪を切った訳でもない。ボクは一人暮らしをしているが、人が侵入した形跡も見当たらない。玄関のドアにはしっかりと鍵もかかっている。

これってもしかして…神隠し…じゃなくて、髪隠し…?
ピカソの向こう側
2017年01月08日(日) 13時49分41秒 公開
■この作品の著作権はピカソの向こう側さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
今作が、小説の処女投稿です。批評等、お手柔らかにお願いします…(笑)。

p.s.この作品が、小説のどのジャンルに当てはまるのか判断が難しいところでしたが、ストーリー的にやはりファンタジー小説に分類出来るのでは?という結論に至りました。

あるいは、僕の小説の分類の仕方は適切では無いかもしれません。そう感じた読者の方が居ましたら、コメント等で教えて頂ければ幸いです。


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No.2  ピカソの向こう側  評価:--点  ■2017-03-17 00:29  ID:hQLqXqXj732
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游月昭

こんばんは。
コメントありがとうございます。

ボクの作品で
「にやり」と笑っていただき、
とてもうれしく思います。

これからも、遊び心を忘れず、

『挑戦』と「前進」を繰り返して
行きたいと思います。

温かいコメント、ありがとうございました。
No.1  游月昭  評価:50点  ■2017-02-25 23:20  ID:6vJTGtESdis
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こんばんは。
不覚だったのは、中央辺りで「にやり」と笑ってしまった事。
どうぞもっとイッパイ書いて遊んで下さい。
ありがとうございました。
総レス数 2  合計 50

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