猫のロムとおいしいケーキ
 小さな田舎町の端っこに、木で作られた一軒家がありました。
 お家は外から見ると小ぢんまりとしています。でもお掃除がしっかりと行き届いているので、家の中は広くて奥行きがある。そんな、おとぎばなしに出てくるような、ミニチュアのような家でした。
 その家には、20代半ばぐらいの青年と、一匹の猫が住んでいます。
 メガネをかけている青年は、町のお役場に勤めています。朝から夕暮れまで、書類にスタンプを押したり、訪ねてきた人に税金についての説明をしたりと、なかなか忙しい一日を過ごしています。
 猫のロムは、小間使いをしています。毎日の家事はロムのお仕事。ですので青年のことを、『ご主人様』と呼んでいます。ロムの柄は鮮やかな茶トラですが、お腹の毛は真綿のようにふわふわで真っ白です。アーモンド型のパッチリとしたお目目は金色に輝いています。
 ロムはご主人様のために、お料理に、お掃除、お裁縫と、せっせと精をだし、ぬかりがないよう頑張っています。お料理で得意なメニューは、もちろんお魚料理です。
 ご主人様がお仕事に行っている間に、ロムは近くにある海へ、小舟で釣りに出かけます。船上には一本竿を支えるための支持台があるので、釣り針にエサをさし水中に沈めたら、あとは手放しで、優雅な読書タイムです。以前に、尻尾を水中にたらして獲物を待つ『しっぽ釣り』を試みてみましたが、失敗でした。魚は尖った小さな歯が無数に生えているので、それに噛まれたらけっこう痛いのです。
 あたたかな日差しが差し込むお昼どき、魚が三匹釣れました。これで夕ごはんは、ご主人様の大好物である『白身魚の餡かけ』が作れます。
 今日は、とても忙しいのです。何故かというと、年に一度のご主人様のバースデーだからです。
 お家の中を、折り紙を切って丸めて作った輪っかで飾りつけ、パーティーでかぶる三角帽子のてっぺんにタンポポをつけました。
 そうそう、なによりお料理の品数も、いつもより増やさなければなりません。お魚料理だけじゃなくて、揚げ物やサラダ、様々な具を入れて炒めたチャーハン。そして大物、お待ちかねデザートであるチョコレートケーキも作ります。
いろいろな料理のレパートリーをもっていますが、ロムは猫なのでタンパク質以外の食材に興味がありません。サラダも作るだけで、一切口にはしませんし、チャーハンだって、ハムが入っているからかろうじて食べるようなものです。人間であるご主人様の栄養バランスを考えて入れてある刻みピーマンは、ここだけの話、自分のお皿からはぶきます。
 そういう訳で、ロムはチョコレートの良さがいまいちわかりません。スポンジのケーキは卵やミルクが入っているので、まあ、食べられるのですが、チョコレートの原料であるカカオは、食べ物だとは思えないのです。
 でも人間は、これらを好んで飲用、食しています。ロムはそれを、いつも不思議に思っています。
 この日のために取り寄せた沢山の板チョコを前にして、ロムは改めて首をかしげます。
(コーヒーとかチョコなんて、目がぱっちりするだけだニャー。どう考えても、お肉の方がおいしいニャン)
 チョコレートを細かく刻んでいた、ロムの手がぴたりと止まります。
(ご主人様は、『ケーキといえばチョコレート』って、錯覚しているだけなのかもニャ)
 『思い込み』という言葉があります。価値をよくわかっていなくても、有名なブランド名だと、それだけで良いものだと思ってしまう。つまり、刷り込まれてしまう。チョコートはお菓子の代名詞だから、ご主人様はそれでおいしいと思い込んでいるのかもしれない。
 お人好しのご主人様は、疑うことを知らない、素直な性格をしています。そんなご主人様にやきもきさせられることも珍しくありません。
(やれやれ、仕方がないニャン)
 ご主人様の目を覚ましてあげようと思ったロムは、すでに刻まれたチョコレートを手早く袋に入れて片付けます。そして釣れたての新鮮なお魚を一匹、チョコレートの代わりにまな板に横たえました。
(この方がおいしいに決まってるニャ)
 釣れたお魚はぜんぶで三匹。ご主人様とロムがそれぞれ一匹ずつ食べて、ちょうど一匹あまります。肉をほぐしてツナにして、サラダに入れようと考えていたのですが、予定変更です。このお魚は、ケーキの生クリームに混ぜ込むことにしました。
 自信にあふれるロムの手は、自然とスピードが上がります。生クリームにお魚のほぐし身を入れて、泡だて器をかきまわします。お魚のくさみとクリームの甘い香りがいっしょくたになり、今までにかいだことのない、なんとも不思議な匂いがキッチンの中に充満しました。
『自分が良いと思うのだから、ご主人様も思うに違いない』
 ロムは、自分が好きなもの同士が組み合わさった新種クリームを、おいしいに違いないと信じて疑いませんでした。


 日も暮れて、夜の闇がおりてきます。朝出かけた勤め人たちが、仕事を終えて我が家に帰る時間です。
 ロムが待っている家の木製ドアが、小さな音をたてて開きました。
「ただいま」
「ご主人様っ、おかえりなさいニャーン!」
 パァンと、クラッカーが弾けました。
 ドアをくぐり家内へ入ってきた人間の頭上に、くるくるに巻かれた細長いテープがおちてきます。クラッカーの中に潜んでいた紙吹雪も、舞い散る雪のように、ゆらゆらと床下にふっていきました。
「……ロム、ずいぶんと派手なお出迎えだね」
 ご主人様と呼ばれた青年が、髪に絡みついているテープを指でほどきながら口を開きます。
 ロムは、大きく空気を吸い込みます。そして少し高い声で空気を吐き出しながら、
「ハッピバースデーニャー♪ ハッピバースデーニャアア〜♪」
 滑舌の悪いだみ声で歌いだしました。音程も、ちょっぴりずれています。仕方がありません、だってロムは猫なのですから。
 ご主人様は、こらえるようにして口元をおさえます。でも目元は、さもおもしろそうに笑っているのです。そんな時ロムは、『カナリアだったら、もっと上手に歌ってご主人様に喜んでもらえるのになあ』と思うのでした。
「25才のお誕生日、おめでとうニャアご主人様」
 ひとしきり歌いおえたあと、ロムは今日のためにこさえた帽子をご主人様に手渡します。帽子てっぺんのタンポポが、揺れていました。そして帽子をかぶったご主人様の手をひっぱり、あたたかい湯気がたつテーブルへと連れていきます。
「わぁ、これはすごいね」
 ところ狭しと並べられた料理の数々に、ご主人様の口から感嘆の声が漏れました。
「味にも自信がありますよ?」
 見かけだけじゃない自慢の手料理を早く味わってほしくて、ロムはご主人様の小皿に料理をよそおいます。
労務をおえてお腹がペコペコだったご主人様も、顔をほころばせて席につきました。
「とくと召し上がれニャ」
「うん。それじゃあ、いただきます」
どれから手をつけてよいのやら、ご主人様はせわしなく目を動かした後、ナイフとフォークを手に持ちました。


「おいしかった」
 いかにも満腹だと言わんばかりに手でお腹をさするご主人様の様子を見て、ロムはひじょうに満足でした。
 付け合わせもメインディッシュであるお魚の餡かけ料理も、ご主人様は『おいしい、おいしい』と、ずっと笑顔で食べてくれました。フォークを持つ手はせわしなく動き、幸せそうに、一口一口を味わって食べてくれました。
 いかにも満足気なご主人様を横目に、ロムはニヤリと笑います。本当のお楽しみはこれからだと、言いたげな目で。
「ふふふ、ご主人様。ギブアップにはまだ早いですよ」
 ロムの言葉に、ご主人様は目を丸くします。
「えっ、ごちそう、これで全部じゃないの?」
「もちろんですニャ。バースデーと言えばアレですニャー」
「……? アレ?」
「見てのお楽しみニャ」
 ロムは、冷蔵庫に向かって走り出します。
 冷気が漂う冷蔵庫の中からあらわれたものは、
「うわあ、すごい!」
大きなケーキでした。ロムがよろけながら、ケーキをはこびます。重さのあまり途中でつまづきかけたので、ご主人様がテーブルまではこんでくれました。
「手によりをかけました。どうぞ、ご賞味くださいニャ」
 口角を上げて、ロムが笑います。
「うん」
 ご主人様は、まじまじとケーキを見つめます。真っ白いクリームでコーティングされていて、ケーキの上には可愛らしいねずみの人形がのっていました。
「すごいね。ロムが作ってくれたの?」
 ご主人様の質問に、ロムは胸を張ります。返事のかわりに、耳をぴくぴくと動かしてみせました。
「お分けしますニャア」
 ナイフで、ケーキを八等分に切り分けます。するとスポンジの間にはさんだ、白身を練りこんだクリームが顔を見せました。お魚特有の匂いがして、ロムはその匂いを胸いっぱいに吸い込みます。お腹がいっぱいでも、やはり良い香りだと、うっとりと目を細めます。
「……?」
 ロムとは対照的に、ご主人様は首を傾けています。解せないことがあって、考えているという風に。
「さ、どうぞ」
 ケーキをのせた小皿を渡すと、それをご主人様が受け取ります。フォークで一口サイズに切り、口にはこびます。ご主人様がケーキを食べる様子を、ロムはじっと見つめています。
「ん……」
 ご主人様は、ロムの予想外の表情をしました。
 そしゃくをやめ、眉を寄せながら目だけをぱちぱちと瞬かせています。なにかを考えているようでした。
「……ロム」
「は、はいニャ」
「これは、何を入れたの?」
「何って」
 白身のお魚です、と答えました。
 それを聞き、ご主人様は小声で「ああ、そうか」と、つぶやきます。絶賛されるかと思っていたのに、ロムにとって、全く予想外の反応でした。
 不安になって、ご主人様の顔とケーキを交互に見比べます。そんなロムの様子に気づいたご主人様は、慌てます。
「あぁ、ごめん。個性的な味付けだったから、材料が何か気になっただけだよ」
 そう言って、口をもぐもぐと動かしはじめます。飲み込む時、喉がごくんと大きく動いたようでした。
「おいしいよ。ありがとうロム」
 ご主人様は笑って言いましたが、その笑みは、どこか無理をしているように見えました。フォークをあやつる手の動きも、こころなしか鈍いような気がします。
 ロムは、訳がわからないような、釈然としないような気持ちを抱えながら、ケーキを食べてみました。
「ニャ……!?」
 魚の塩気が、口中に広がります。なのに鼻腔に届く香りはどこか甘く、でも、生臭い。噛むと魚汁が出てきますが、それが生クリームのホイップと格段に相性が悪い。
 全くおいしくない、まずいと言っても過言ではない味です。ロムは、ケーキを飲み込めません。喉まではこべない、妙な浮遊感が喉元でわずらっていて、吐き気がする。こんなはずじゃなかった。大好きなお魚と、おいしいクリーム。この二つが重なり合えば、よりよいハーモニーを奏でるはずだったのに。
「ごちそうさま」
 カチャンと音をたてて、ご主人様がテーブルにお皿を置きました。
空のお皿は、残さずに全部食べてくれたことを明らかにしています。
 ご主人様は、ロムにお礼を言いました。その言葉を聞いて、ロムは胸が苦しくなってきます。お魚が大好物な自分でさえ、このケーキはいただけない。食べるのが苦痛なほど、おいしくない。それなのに、ご主人様はかけらも残さず食べてくれたのです。
 意を決して、喉の奥に全てを流し込みました。その時目をつぶってしまったので、たまっていた涙が一滴、こぼれていきました。


 翌日のお昼すぎ、ロムはオーブンの前で、定期購読している雑誌を読みながら火の番をしていました。
 “チン” 焼き上がりを知らせる音が、部屋中に響きます。厚手の手袋をはめたロムがオーブンを開けると、バターの香ばしい香りとともに、ふっくらと焼けたスポンジケーキが姿を見せます。
「ふむ。上場だニャ」
 焼き上がりには満足です。スポンジはきつね色で、きれいに焼けていました。これを常温までさましてから、クリームをぬってデコレーションします。
用意しているクリームは……、チョコレート。
 たっぷりとチョコレートを練りこんである、濃い目のクリームです。これならきっと、ご主人様は喜んでくれるでしょう。カカオの芳醇な香りが、ロムの鼻先をかすめます。
 すでに出来上がっているチョコレートクリームを、ひとさじすくって舐めてみました。
「ン〜〜〜ニャ〜……」
 口中をもごもごと動かすと、舌の上でクリームは溶けていきます。昨日のお魚クリームの失敗で、好きではなかったその味が、心なしかおいしいように感じました。
(けっこういけるニャン)
 ロムは、チョコレートを見直しました。
 なんだ。ご主人様は本当に、おいしいと思っているから好きなんだと、納得します。
 ロムがキライな食べ物を認めたのは、これがはじめてです。昨日の失敗で、ロムは色々考えました。自分がよいと思ったからって、必ずしもそれが上手くいくとは限らない。食材だけじゃなくて、どんなものにでも相性があるということを学んだのです。失敗をするからこそ、気づける事もあるのです。
 明日は、ご主人様が食べたがっていた『レモンゼリー』を作ってみよう。ゼリーといえば『にこごり』しかないと思っていたけれど、以外とフルーツもいけるかもしれない。なにせ、古来からフルーツゼリーが認められて流行っているのは、きっと認められる、なにかしらの魅力があるのだろうから。
 ロムは、チョコレートのクリームをもう一口舐め、ご主人様のうれしそな顔を思い浮かべました。











































ケイ
2011年08月09日(火) 14時59分24秒 公開
■この作品の著作権はケイさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
生意気を言うようですが、辛口の批評がいただけたら、至極幸いに思います。
文法、内容、どのようなことでも、ご意見をいただきたいです。この小説は、はたして読み手にスムーズに読んでいただけるのか、知りたいです。
「背景描写」について、アドバイスがもらえましたら、とても有り難いです。状況説明が苦手なので意識してみましたが、それでもわかりにくかったり、また、見当違いの書き方をしたりはしていないでしょうか?
「あれ、それ、これ、しかし、……」これらの表現を多用して、くどくなってはいないでしょうか?
ご意見を、よろしくお願い致します!

この作品の感想をお寄せください。
No.5  支祇  評価:20点  ■2011-12-25 22:01  ID:te6yfYFg2XA
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読ませていただきましたので、簡単にでも感想を。
猫が主人に自慢の料理を振舞う、なかなか面白い設定だと思いました。
失敗も微笑ましいですし、雰囲気はいいと感じました。
問題点を挙げるとしたら、青年の存在が曖昧であまり親近感を感じられないところですね。
青年のキャラクター性をしっかり描くべきだったように思います。そうすると作品の印象がぐっと変わってくる(読んだ後にも心に残る)と思います。ロムとのやりとりも一層親しみを感じられるものになると思いますし。
大切なのは、いかに読み手にインパクトを与えるか、です。
ではでは、失礼します。
No.4  ケイ  評価:--点  ■2011-08-15 10:11  ID:uIOdgwbzMQQ
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山田さん、批評をありがとうございます。スポーツジムから適切なご意見をいただいていて、心から感謝しております。
指摘されて気付かされたことが沢山ありました。どれもこれも、自分では当たり前のように、全く意識していないことばかりでしたので、本当に、たいへん勉強になりました。無駄(…というよりも重複している情報)や、かえって固定してしまわない情報。スムーズな表現方法、山田さんに教えていただいてはじめて、今後考慮していこうと思ったことばかりです。二つにまたがっている表現の文章(青年の容姿について)を上手くまとめる書き方など、次回は目標にさせていただきたく思います。
不要な一文について、これもまた、改めて納得しました。読者の心情も考えて、書いていかないといけないと気付かされました。無駄が多すぎる引っ掛かりがあると、読み手にとって、これもまたストレスになってしまいますね。
ロムも外見描写につきまして、やはり私は、背景なり状況なり、登場キャラクターの外見の描写なりが、苦手なようです。この点を、ほかの作家様の小説を読んで学び、克服していきたいです。
漢字の誤字への指摘も、ありがとうございました。
具体的で、こちらが今後改善していけるような指摘、わかりやすいご指導をありがとうございました。
山田さんは、たいへん鋭い理解力と、それを上手い方向へ導いていける指導力をお持ちだと、改めて感じました。
ご教唆いただけたことを生かし、頑張ります。
ありがとうございます。
No.3  山田さん  評価:30点  ■2011-08-12 20:37  ID:iNA2/rsuwOg
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 拝読しました。

 童話というか、教訓を含んだ寓話的な作品のようですね。
「スポーツジム」も読ませてもらいましたが、個人的にはこちらの作品の方が良かったと思います。

 以下、いくつか気になった点を書かせてもらいます。

「その家には、20代半ばぐらいの青年と、一匹の猫が住んでいます」
「メガネをかけている青年は、町のお役場に勤めています」
 この二文は続けてて出てきますよね。
 最初の文に登場する青年と次の文に登場する青年は同一人物ですから、後ろの文に関しては
「メガネをかけているその青年は、町のお役場に勤めています」
 のように「その」を付加したほうがスムーズなように思います。
 あるいは「彼」のように代名詞を使用してもいいのですが、作品全体を通じて主語を「青年」に固定しているので、やはり「その青年」という表現がいいのかな、と思います。


「25才のお誕生日、おめでとうニャアご主人様」
 冒頭で「20代半ばぐらいの青年」と描写しているので、ここは具体的な年齢は不要かと思います。
 それと、数字を具体的に提示する際には、少し神経を使った方が良いかと思います。
 提示された数字によって読者のイメージが固定されてしまう危険性もあるんじゃないかと思うからです。
 たとえば「二十五歳」とした場合と「三十歳」とした場合では明らかに伝える印象が異なりますよね。
 だから具体的な数字を提示する必要がない場合は、しないほうが無難かな、という気がします。
 当作品のように「20代半ばぐらい」的なあいまいな表現でも十分だと思います。
 逆を言えば、具体的数字を提示することによって、読者に固定的な印象を与えることも出来る、ということですね。


「自分が良いと思うのだから、ご主人様も思うに違いない」
 この一文は不要だったんじゃないかな、と思います。
 というのも、当作品をきちんと読み進めているのであれば、この一文がなくてもロムがこう考えたからこう行動したんだな、ということが明確にわかると思うんですね。
 明確にわかる内容を改めて文章で提示されると「おいおい、改めて言われなくてもわかっているよ」といった感想を持たれる可能性もあるかと思います。
 読者ってのは、書き手さんが思っている以上に作品から色々な情報を得るんだと思います。
 かといって情報が不足していると読者は迷子になってしまう。
 そのあたりの取捨選択ってのはとても大切だし、とても難しいことだと思います。
 僕自身もどうしても書きすぎてしまうきらいがあるので、注意しなきゃいけない点なんですが(汗)。
 ただし、以下の文書は必要だろうな、と思います。
「自分がよいと思ったからって、必ずしもそれが上手くいくとは限らない。食材だけじゃなくて、どんなものにでも相性があるということを学んだのです。失敗をするからこそ、気づける事もあるのです」
 ここは当作品の結論的な箇所でもありますし、読者自身がすでに分かっていることではあるけれども、改めて作品側からきちんと提示されることで安心できる箇所でもあるんだろうな、と考えているからです。


「以外とフルーツもいけるかもしれない」
 誤字ですね。
「以外」じゃなくて「意外」が正解です。

 
 あとは「ロム」の外見の描写が少し欲しかったように感じました。
 どんな目をしているのか、どんな色をしているのか、どのくらいの大きさなのか、などですね。
 これは前出した「固定的な印象を与える」と矛盾しているようにも見えますが(それに実際に読者は自分なりにロムをイメージしながら読み進めることも出来ますが)やはり必要な情報ではないかと思います。


 以上、あくまでも僕個人が気になり、僕個人が「こうしたらいいんじゃないかな」と思った点をあげてみました。
 これが正解ではないですので、あとはケイさん自身で色々と考えてみたり試してみたりして下さい。
 少しでもその手助けになれたのだとしたら、幸いです。
No.2  ケイ  評価:--点  ■2011-08-10 10:05  ID:uIOdgwbzMQQ
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らいと☆☆☆☆☆さん、批評をありがとうございます。
とても優しいお言葉をいただき、それだけでなくて点数もいただけて、驚いたと同時に安堵感と喜びを感じました。読んでくださっただけでなく、良い評価、とても嬉しく思います。ありがとうございます。
全体的に、もう少しほんわかとさせたら面白いかもしれないとのご意見、なるほど、と思いました。そうですね、文体や物語の流れが、固い、童話として読むのなら、どことなくぎすっとしているところがあるのかもしれません。やはり自分では気がつかないもので、指摘されてはじめて意識できました。
優しい童話、小説を読んで、情緒を上手くだすにはどうすればよいのかを、もっと学んで取り入れていきたいと思います。
ご意見、とても助かりました。ありがとうございます。
No.1  らいと☆☆☆☆☆  評価:40点  ■2011-08-10 00:12  ID:J44h6PeHayw
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拝読させて頂きました。
帽子の上にたんぽぽが刺さっているなんて、なんてかわいらしい事を思いつく人なんだろうと思いました。帽子にたんぽぽの印象がとても深いです。
タイトルもかわいらしいと思います。店頭にこの絵本が並んでいたら間違いなく手に取ると思います。ただ、たんぽぽがあまりにかわいいので、全体的にもう少しほんわかとさせたら面白いかもしれないと思いました。
拙い感想失礼しました。
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